122 / 171
第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:激安の幽霊屋敷と二人の看板娘
第122話 通販でお洒落家具を爆買い! 店舗改装、スタートです!
一方、そんな幽霊騒動は露知らず。
私は『木漏れ日の宿』に戻ると、カウンターにいた女将さんに事情を話した。
「まあ! もう良い物件が見つかったの? 早いのねぇ!」
「はい、運良く掘り出し物が見つかりまして。リフォームも済んだので、今日からそちらに移ろうと思います」
「そう……寂しくなるわねぇ」
女将さんは本気で残念そうな顔をしてくれた。
私も、この宿の温かい雰囲気と美味しいご飯は大好きだった。
「短い間でしたけど、本当にお世話になりました。お料理、とっても美味しかったです! 厨房も貸していただいて、ありがとうございました」
私は深々と頭を下げる。
前払いした宿泊費の残りは「お世話になったお礼です」と言って、返金は断った。この宿にはそれだけの価値があったし、これからも良好な関係を続けていきたいからね。
「またいつでも遊びにいらっしゃい。美味しいパンを焼いて待ってるわ」
「はい! 商売が落ち着いたら、また顔を出します!」
名残惜しむ女将さんに手を振り、私は宿を後にした。
荷物は全部四次元バッグの中だから、身一つでの引っ越しだ。
◇
そして、再び戻ってきたマイホーム。
窓の外はもう夕暮れ。
この部屋には、まだ電気はないけれど、テーブルの上に置いたLEDランタンの温かい光が、優しく部屋を照らしている。
私は通販で買っておいた冷たいオレンジジュースを、新品のグラスに注ぐ。
「それじゃあ、新居の完成と、明日からの新生活を祝って……乾杯!」
一人で掲げたグラスの中身を、一気に飲み干す。
「……ぷはーっ! 最高!」
静かな部屋で、コロの寝息だけが聞こえる。
……その時。
誰もいないはずの屋根裏部屋あたりから、ミシッ、と床が鳴る音が聞こえたような気がしたけれど。
(どうせ家鳴りか、風の音でしょ。科学的に説明つくやつだわ)
私は、聞こえないフリをして、ベッドにダイブした。
高級マットレスが、私の体を優しく受け止める。
幽霊なんて、非科学的なものは存在しない。
ここは、私の、私による、私のための快適空間なのだから!
◇
翌朝。
最高の寝心地だったベッドから這い出し、私は一階へと降りた。
今日は、店舗スペースの大改装だ。
元々ここは食堂だったらしいけれど、残されていたテーブルや椅子は腐っていて使い物にならなかった。
なので、容赦なく全撤去! 《廃棄》魔法でサヨナラだ。
空っぽになったフロアを見渡し、私は腕まくりをする。
さあ、ここからは私のセンス(と通販サイトの品揃え)の見せ所だ!
「まずは、お店の顔となる陳列棚ね!」
私は【異世界インターネット接続 Lv.2】を起動し、異世界通販サイトの家具カテゴリを検索する。
狙うは、商品を「宝石」のように魅せるための什器だ。
『アンティーク調 木製ディスプレイキャビネット(ガラス扉付き) 25,000P』×2
『木製オープンラック(3段・ウォールナット) 8,000P』×4
『レジカウンター(収納付き・L字型) 30,000P』
『アンティーク風 LEDランタン(乾電池式) 2,500P』×2
ポチッとな。
ズドンと届いた家具を、魔法で配置していく。
壁際には背の高いオープンラックを並べ、クッキーや紅茶の袋を手に取りやすく配置する。
そして中央には、メインディッシュであるジャムを飾るためのガラスキャビネットを鎮座させる。
その天板の上には、アンティーク調のLEDランタンを置く。中身は最新のLEDだけど見た目はレトロで、乾電池式だから火事の心配もなくて安心だ。
このLEDランタンの光を受けて、ガラス越しにジャムがキラキラと輝く計算だ。
「完璧……!」
私は『木漏れ日の宿』に戻ると、カウンターにいた女将さんに事情を話した。
「まあ! もう良い物件が見つかったの? 早いのねぇ!」
「はい、運良く掘り出し物が見つかりまして。リフォームも済んだので、今日からそちらに移ろうと思います」
「そう……寂しくなるわねぇ」
女将さんは本気で残念そうな顔をしてくれた。
私も、この宿の温かい雰囲気と美味しいご飯は大好きだった。
「短い間でしたけど、本当にお世話になりました。お料理、とっても美味しかったです! 厨房も貸していただいて、ありがとうございました」
私は深々と頭を下げる。
前払いした宿泊費の残りは「お世話になったお礼です」と言って、返金は断った。この宿にはそれだけの価値があったし、これからも良好な関係を続けていきたいからね。
「またいつでも遊びにいらっしゃい。美味しいパンを焼いて待ってるわ」
「はい! 商売が落ち着いたら、また顔を出します!」
名残惜しむ女将さんに手を振り、私は宿を後にした。
荷物は全部四次元バッグの中だから、身一つでの引っ越しだ。
◇
そして、再び戻ってきたマイホーム。
窓の外はもう夕暮れ。
この部屋には、まだ電気はないけれど、テーブルの上に置いたLEDランタンの温かい光が、優しく部屋を照らしている。
私は通販で買っておいた冷たいオレンジジュースを、新品のグラスに注ぐ。
「それじゃあ、新居の完成と、明日からの新生活を祝って……乾杯!」
一人で掲げたグラスの中身を、一気に飲み干す。
「……ぷはーっ! 最高!」
静かな部屋で、コロの寝息だけが聞こえる。
……その時。
誰もいないはずの屋根裏部屋あたりから、ミシッ、と床が鳴る音が聞こえたような気がしたけれど。
(どうせ家鳴りか、風の音でしょ。科学的に説明つくやつだわ)
私は、聞こえないフリをして、ベッドにダイブした。
高級マットレスが、私の体を優しく受け止める。
幽霊なんて、非科学的なものは存在しない。
ここは、私の、私による、私のための快適空間なのだから!
◇
翌朝。
最高の寝心地だったベッドから這い出し、私は一階へと降りた。
今日は、店舗スペースの大改装だ。
元々ここは食堂だったらしいけれど、残されていたテーブルや椅子は腐っていて使い物にならなかった。
なので、容赦なく全撤去! 《廃棄》魔法でサヨナラだ。
空っぽになったフロアを見渡し、私は腕まくりをする。
さあ、ここからは私のセンス(と通販サイトの品揃え)の見せ所だ!
「まずは、お店の顔となる陳列棚ね!」
私は【異世界インターネット接続 Lv.2】を起動し、異世界通販サイトの家具カテゴリを検索する。
狙うは、商品を「宝石」のように魅せるための什器だ。
『アンティーク調 木製ディスプレイキャビネット(ガラス扉付き) 25,000P』×2
『木製オープンラック(3段・ウォールナット) 8,000P』×4
『レジカウンター(収納付き・L字型) 30,000P』
『アンティーク風 LEDランタン(乾電池式) 2,500P』×2
ポチッとな。
ズドンと届いた家具を、魔法で配置していく。
壁際には背の高いオープンラックを並べ、クッキーや紅茶の袋を手に取りやすく配置する。
そして中央には、メインディッシュであるジャムを飾るためのガラスキャビネットを鎮座させる。
その天板の上には、アンティーク調のLEDランタンを置く。中身は最新のLEDだけど見た目はレトロで、乾電池式だから火事の心配もなくて安心だ。
このLEDランタンの光を受けて、ガラス越しにジャムがキラキラと輝く計算だ。
「完璧……!」
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます
蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜
誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。
スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。
そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。
「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。
スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。
また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。
子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~
九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます!
七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。
しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。
食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。
孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。
これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。
グラサン幼女の異世界とらべるっ! ~最強の【魔眼】を宿す転生幼女は、もふかわ神獣を連れてスローライフな旅路を楽しみます~
空戯ケイ
ファンタジー
社畜OL、水城愛璃(みずきあいり)は、女神のうっかりミスにより25歳の若さで死んだ。
お詫びとして女神が提案したのは、オッドアイの幼女ボディへの転生。
そうして幼女の姿で異世界転生を果たしたアイリだったが、
特異体質により『感情が高ぶると暴発する魔眼』が宿っていることが発覚!
しかも両目!?
それを封じるため、女神から与えられたユニークスキルは、『神のサングラス』。
このサングラスをかければ、魔眼の暴発を抑えられるらしいけど……常にグラサンかけてる幼女とか怪しすぎじゃない!?
だけど、とある"激レア魔道具"があれば 、なんと魔眼を完治できるらしい。
ならばその魔道具を手に入れるため、異世界を巡るしかないっ!
さらに旅の道すがら、もふもふフェンリルや忍者少女、特異スライムを仲間にし、珍道中はさらに加速していって――!!
まったりのんびりをモットーに、たまに魔物や刺客に襲われちゃう。
【グラサン幼女】の破天荒な異世界旅が始まる!
※更新は不定期です。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
隠れ居酒屋・越境庵~異世界転移した頑固料理人の物語~
呑兵衛和尚
ファンタジー
調理師・宇堂優也。
彼は、交通事故に巻き込まれて異世界へと旅立った。
彼が異世界に向かった理由、それは『運命の女神の干渉外で起きた事故』に巻き込まれたから。
神々でも判らない事故に巻き込まれ、死亡したという事で、優也は『異世界で第二の人生』を送ることが許された。
そして、仕事にまつわるいくつかのチート能力を得た優也は、異世界でも天職である料理に身をやつすことになるのだが。
始めてみる食材、初めて味わう異世界の味。
そこは、優也にとっては、まさに天国ともいえる世界であった。
そして様々な食材や人々と出会い、この異世界でのライフスタイルを謳歌し始めるのであった。
※【隠れ居酒屋・越境庵】は隔週更新です。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。