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幸せのオムライス

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第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:電力革命! 魅惑の家電と至福のバスタイム

第138話 至福の肩湯で極楽気分! 異世界最強の福利厚生施設、ここに爆誕

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 次に、厨房のシンクの入れ替えだ。
 元々あった石をくり抜いただけの古めかしい流し台。
 雰囲気はあるけれど、衛生面を考えれば、食品を扱う店に石のシンクは不向きだ。表面の細かい穴に汚れが溜まりやすいし、何より使い勝手が悪い。

「悪いけど、引退してもらうわ。……《廃棄》ッ!」

 シュンッ!
 魔法と共に石の流し台が消滅し、ぽっかりとスペースが空く。
 そこへ、通販で買った『業務用ステンレス2槽シンク』をドーンと設置!

「接続! ……《工事》ッ!」

 給水管と排水管を接続し、ピカピカのシャワー付き混合水栓を取り付ける。
 排水管は床下を通して、裏庭の浄化槽へ直結。もちろん、臭気止めのトラップも完璧だ。
 これで、大きな寸胴鍋も洗いやすいし、衛生管理もバッチリだ。

「……ふぅ」

 私は厨房を見渡す。
 ステンレスの作業台に、ステンレスのシンク。そして業務用の冷蔵庫とオーブン。
 木造(レンガ造り)の温かみある店舗の裏側は、完全に無機質で機能的な「食品工場(ラボ)」へと生まれ変わっていた。

 本音を言えば、憧れの『アイランド型システムキッチン(食洗機付き)』もポチりたかった。
  
 でも、今のここは戦場だ。
 大量のジャムを煮込み、粉をこねるには、傷や汚れに強く、熱い鍋もそのまま置けるステンレスの業務用設備の方が、悲しいかな使い勝手がいいのだ。

(お洒落なシステムキッチンは……もっと稼いで、二階の住居スペースをリフォームした時の『自分へのご褒美』にとっておくわ。……待っててね、私の夢のマイ・キッチン!)

 私は未来の野望を胸に刻み、再びサニタリースペースへと戻った。

 さて、設備の設置は完了した。
 動作確認も兼ねて、記念すべき一番風呂と行きますか!

 私は電気温水器のスイッチを入れ、お湯張りをスタートさせた。
 蛇口から勢いよくお湯が出る音を聞きながら、私は通販で買った新しいバスタオルや着替えを脱衣所に用意する。

 数十分後。
『ピロリロリン♪ お風呂が沸きました』

 浴槽にたっぷりのお湯が満たされたのを確認し、私は脱衣所で服を脱いだ。
 大きな三面鏡の前で髪を解き、真っ白な浴室へと足を踏み入れる。

 バスタブへ、そっと体を沈める。

 ザブゥン……。

「あ゛あ゛~……生き返るぅ……」

 肩までお湯に浸かった瞬間、魂が抜けるような声が出た。
 温かい。気持ちいい。
 しかも、このバスタブ、肩からお湯が出る「肩湯」機能付きだ。極楽すぎる。

「最高……。これよ、これ……」

 私は湯船の中で手足を伸ばし、天井を見上げる。
 この幸せを守るためなら、私は悪魔にだって魂を売るわ。

 ……その時。
  湯気で曇った浴室の鏡に、一瞬、白い影が映った気がした。

(……ん?)

 パチパチと瞬きをして、もう一度見る。
 何も映っていない。ただの水滴だ。

(うん、湯気のせいね。きっと見間違いだわ。もしくは眼精疲労)

 私は気を取り直して、温かいお湯を顔に浴びる。

「幽霊? 覗き?」

 そんなオカルト現象が、この神聖なバスタイムに介入できるわけがないじゃない。

 ……いや、待って。
 幽霊はともかく、『覗き』はオカルトじゃなくて立派な犯罪(物理)だったわ。
 窓の鍵はかけたし、《防虫》の結界もあるけど、対人セキュリティはもっと強化すべきかも……。幽霊は神様がいないって言ってたしね。

(あとで通販の『防犯カメラ』と『窓用目隠しフィルム』を追加注文しなきゃ。うん、物理的な侵入者は、科学の力で排除するのが最善ね!)

 私は脳内のToDoリストに「セキュリティ強化」を書き加えると、再びお湯に肩まで浸かった。
 まあ、今はいいわ。
 これは、私の、私による、私のための至福の時間なのだから!

 こうして、ヤマネコ商会に「現代の水回り」という、異世界最強の福利厚生施設が爆誕したのだった。
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