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第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:真夜中の絶叫と新たな同居人
第155話 ミアちゃん覚醒! 一晩でネットスラングを使いこなす知識の猛者に変身
「……インストール?」
この異世界には不釣り合いな言葉に首をかしげる。
翻訳スキルのせいかな? ミアちゃんが「知識を吸収できました」と言ったのを、おかしな風に意訳しちゃったとか。
「はい。特に、『いんたーねっと』という概念には感動しました。全ての人類が知識を共有し、集合知を形成する……まさに『アカシックレコード』そのものですね!」
「……は、はい?」
インターネット? なんでそんな言葉を!? これも翻訳スキルの意訳?
「それに、色彩設計における『補色対比』の理論や、顧客心理を突く『バンドワゴン効果』……。これらをお店の運営に取り入れれば、売上は『爆上げ』間違いなしです!」
「ば、爆上げ……?」
なんか、言葉遣いが変わってない!? 私の翻訳スキル、本格的に壊れた?
いやいや、専門用語や俗語が混ざってるし! さすがにこれは意訳じゃないでしょ! ミアちゃんは画像や動画を見ただけなのに!
「あ、あの……ミアお姉ちゃん? 画像だけじゃなくて、何か……読みました?」
「はい! いろいろ触っていたら、この板、こちらの言葉に翻訳してくれる機能があったので、色々と読ませていただきました! 『うぃき』という辞書は便利ですね。『けいじばん』も面白いです。時間を忘れて『巡回』してしまいました」
(ほ、翻訳機能ぉぉぉ!?)
心の中で絶叫。
まさか、ブラウザに自動翻訳機能がついていたなんて!
しかも、対応言語にこの国の言語『クレシオン語』が含まれていたなんて!
神様、そこは教えておいてよ!
「あの……変なことは書いてありませんでしたか? その、私の故郷の秘密とか……」
私が恐る恐る聞くと、ミアちゃんはわずかに口角を上げ、どこか余裕を感じさせる笑みを浮かべた。
「ふふ、大丈夫ですよ店長。『ネタバレ』は厳禁ですからね。私はただ、この知識をヤマネコ商会の発展のために使いたいだけです。……東の国の技術、いつか必ず『実装』してみせます!」
謎の自信に満ちた顔で拳を握るミアちゃん。
……どうしよう。
私、とんでもない怪物を生み出してしまったかもしれない。
昨日までの大人しくて控えめなミアちゃんはどこへやら。
そこにいたのは、現代知識という禁断の果実をかじり、覚醒してしまった『知識の猛者(オタク)』だった。
まあ、でも……頼もしいからいっか!
知識欲旺盛な彼女のことだ。きっとお店のために役立ててくれるに違いない。
私は、覚醒してしまったミアちゃんのやる気に、引きつった笑顔で頷き返した。
うん、とりあえず、さっきからコロも『ご飯まだー?』って期待した目でこちらを見てるし、みんなの朝ごはんの準備をしよう。
「私も手伝います。……この『こーひーめーかー』、いつ見ても構造が美しいですね。お湯の抽出温度と豆の蒸らし時間がプログラムされているなんて……神の所業です」
「はいはい、じゃあコーヒーお願いしますね」
なんだかんだで、すっかり我が家の家電も使いこなしているミアちゃんであった。
◇
開店10分前。
出勤してきたリアちゃんが、開店の準備をしながらミアちゃんに話しかけた。
「ねえミア、昨日の夜は楽しかった?」
リアちゃんは、私とミアちゃんが夜遅くまで女子トークで盛り上がったのだと思っているようだ。
「はい。とても興奮しました。あんなに知的好奇心を刺激された夜は初めてです」
ミアちゃんは、目の下にクマを浮かべた顔のまま、興奮冷めやらぬ様子で答える。
「興奮? ……へぇ、ミアがそこまで言うなんて珍しいわね。よっぽど楽しかったのね」
リアちゃんは「珍しくお喋りに熱中したのね」と好意的に解釈してくれたようだ。実際は、会話なんてほとんどなく、ミアちゃんはタブレットと向き合っていただけなんだけど……。
この異世界には不釣り合いな言葉に首をかしげる。
翻訳スキルのせいかな? ミアちゃんが「知識を吸収できました」と言ったのを、おかしな風に意訳しちゃったとか。
「はい。特に、『いんたーねっと』という概念には感動しました。全ての人類が知識を共有し、集合知を形成する……まさに『アカシックレコード』そのものですね!」
「……は、はい?」
インターネット? なんでそんな言葉を!? これも翻訳スキルの意訳?
「それに、色彩設計における『補色対比』の理論や、顧客心理を突く『バンドワゴン効果』……。これらをお店の運営に取り入れれば、売上は『爆上げ』間違いなしです!」
「ば、爆上げ……?」
なんか、言葉遣いが変わってない!? 私の翻訳スキル、本格的に壊れた?
いやいや、専門用語や俗語が混ざってるし! さすがにこれは意訳じゃないでしょ! ミアちゃんは画像や動画を見ただけなのに!
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「はい! いろいろ触っていたら、この板、こちらの言葉に翻訳してくれる機能があったので、色々と読ませていただきました! 『うぃき』という辞書は便利ですね。『けいじばん』も面白いです。時間を忘れて『巡回』してしまいました」
(ほ、翻訳機能ぉぉぉ!?)
心の中で絶叫。
まさか、ブラウザに自動翻訳機能がついていたなんて!
しかも、対応言語にこの国の言語『クレシオン語』が含まれていたなんて!
神様、そこは教えておいてよ!
「あの……変なことは書いてありませんでしたか? その、私の故郷の秘密とか……」
私が恐る恐る聞くと、ミアちゃんはわずかに口角を上げ、どこか余裕を感じさせる笑みを浮かべた。
「ふふ、大丈夫ですよ店長。『ネタバレ』は厳禁ですからね。私はただ、この知識をヤマネコ商会の発展のために使いたいだけです。……東の国の技術、いつか必ず『実装』してみせます!」
謎の自信に満ちた顔で拳を握るミアちゃん。
……どうしよう。
私、とんでもない怪物を生み出してしまったかもしれない。
昨日までの大人しくて控えめなミアちゃんはどこへやら。
そこにいたのは、現代知識という禁断の果実をかじり、覚醒してしまった『知識の猛者(オタク)』だった。
まあ、でも……頼もしいからいっか!
知識欲旺盛な彼女のことだ。きっとお店のために役立ててくれるに違いない。
私は、覚醒してしまったミアちゃんのやる気に、引きつった笑顔で頷き返した。
うん、とりあえず、さっきからコロも『ご飯まだー?』って期待した目でこちらを見てるし、みんなの朝ごはんの準備をしよう。
「私も手伝います。……この『こーひーめーかー』、いつ見ても構造が美しいですね。お湯の抽出温度と豆の蒸らし時間がプログラムされているなんて……神の所業です」
「はいはい、じゃあコーヒーお願いしますね」
なんだかんだで、すっかり我が家の家電も使いこなしているミアちゃんであった。
◇
開店10分前。
出勤してきたリアちゃんが、開店の準備をしながらミアちゃんに話しかけた。
「ねえミア、昨日の夜は楽しかった?」
リアちゃんは、私とミアちゃんが夜遅くまで女子トークで盛り上がったのだと思っているようだ。
「はい。とても興奮しました。あんなに知的好奇心を刺激された夜は初めてです」
ミアちゃんは、目の下にクマを浮かべた顔のまま、興奮冷めやらぬ様子で答える。
「興奮? ……へぇ、ミアがそこまで言うなんて珍しいわね。よっぽど楽しかったのね」
リアちゃんは「珍しくお喋りに熱中したのね」と好意的に解釈してくれたようだ。実際は、会話なんてほとんどなく、ミアちゃんはタブレットと向き合っていただけなんだけど……。
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旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。