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幸せのオムライス

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第二章 ヤマネコ商会、爆誕!:真夜中の絶叫と新たな同居人

第157話 深夜の女子会はパジャマで! 東の国の『通勤ラッシュ』話に花が咲きます

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 私たちは深夜まで、他愛のない話で盛り上がった。
 リアちゃんの初恋の話(5歳の頃、近所のかっこいいお姉さんを男の子だと勘違いしてプロポーズしたらしい)、ミアちゃんの黒歴史(昔描いた恥ずかしい絵が見つかった話)、そして私の……えっと、虚実を織り交ぜた故郷の話。

「東の国にはですね、毎朝、鉄の箱にぎゅうぎゅうに詰め込まれて戦場へ向かう戦士たちがいるんです。彼らの中には、立ったまま眠る高度なスキルを持っている人が沢山いて、どんなに揺れても倒れないんですよ!」

 私が身振り手振りを交えて「通勤ラッシュ」の様子を話すと、二人は目を丸くして食いついてきた。

「立ったまま眠る!? すごい鍛錬ね! 東の国の人はみんな武術の達人なの?」

「揺れても倒れない……。体幹とバランス感覚が極限まで鍛えられているのですね。戦場へ向かう覚悟、感服します」

(うーん、ちょっと違うけど、まあいっか!)

 その後も、私の「東の国トーク」は止まらない。

「夏には夜空に何千もの大輪の花を咲かせる『はなび』という魔法があるんですよ」
「お金を入れると温かい飲み物が出てくる『じはんき』という無人の屋台が、街中のいたるところにあるんです」
「『こんびに』というお店は、24時間眠らずに開いていて、いつでも美味しいお弁当が買えるんです」

 私の話す「東の国」の不思議な文化や技術の話に、二人は時には驚き、時には感心し、そしてたくさん笑ってくれた。
 まぁ、ミアちゃんは、タブレットで既に知っていたこともあるかもしれないけど……。

 気づけばテーブルの上のポテトチップスは空っぽになり、ジュースの氷もすっかり溶けてしまっていた。

「あー、面白かった! コトリちゃんの故郷って、本当にすごい国なのね! まるで別世界みたい!」

「っ……」

 リアちゃんの何気ない一言に、私は一瞬、言葉を詰まらせる。

(まあ、本当に『別世界』なんだけど……。リアちゃんの『天然』は時々核心を突いてくるわね……)

 私はリアちゃんの鋭さに感心しつつ、にっこりと微笑んで頷いてみせる。

「あはは、そうですね! ずーっと遠くにあるので、ここからは『別世界』みたいに感じるかもしれませんね! 遠すぎて、もう二度と帰れないくらいですから!」

「ふふ、いつか行ってみたいですね」

 ミアちゃんが穏やかに微笑む。
 どうやら、私の適当な返しで納得してくれたようだ。

 時計の針がてっぺんを回った頃。
 私たちは寝室へ移動した。
 でも、私のセミダブルベッドに三人で寝るのはさすがに窮屈だ。

「よし、増設しましょう!」

 私は迷わず通販サイトを開き、今使っているのと同じシリーズの『シングルベッド(マットレス付き)』をポチッとな。
 さらに、『お客様用布団セット(枕・掛布団・毛布付き)』を二組と、『ファミリーサイズ(幅220cm)の敷きパッド』も追加で購入。

 届いたベッドを《設置》魔法で既存のベッドの隣にピタリとくっつけ、敷きパッドで一体化させる。
 その上に、ふかふかの掛布団と枕を並べれば……。
 ベッドの隙間も気にならない、広大なゴロゴロスペースの完成だ!

「わあ……! すごく広いです!」
「お布団もふかふか! これなら三人で転がっても大丈夫ね!」

 三人で川の字になって寝ることにした。
 並び順は、壁側からリアちゃん、私、ミアちゃんの順だ。私が真ん中。これなら両側から守られて安心だわ!

「おやすみなさい!」

「おやすみー」

 私は枕元のリモコンで電気を消した。
 部屋が暗闇に包まれる。
 静寂。
 聞こえるのは、二人の穏やかな寝息と、専用ベッドで寝ているコロの寝息だけ。

(……ふぅ。今日は楽しかったな)

 最近続いている夜の恐怖も、みんながいれば怖くない。
 やっぱり、一人は寂しかっただけなのよね。
 昨夜はタブレットに夢中になっているミアちゃんがいただけでも、大分気が楽だったし。

 ……その時だった。

 パキッ。

 乾いた音がした。
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