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7章 はじめての引け ――15時15分、すべては設計どおりに起きた
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翌日。
仕事はしていたが、頭のどこかでずっと時間を気にしていた。
時計を見る。14時30分。
まだ早い。焦る必要はない。
チャッピーが言っていた。
判断は、引けの前にすでに終わっている。
だから、今は何もしない。
それが、今までの自分との一番大きな違いだった。
⸻
14時45分、情報をそろえる
14時45分。
俺は、ようやくスマホを開いた。
見るのは、昨日決めた四つだけ。
スズキの日足チャート。
出来高。
板。
指数。
チャートを拡大しすぎない。線も引かない。
ただ、「壊れていないか」だけを見る。
日足は大きな崩れなし。
出来高も極端な変化はない。
板も、売りが一方的に積み上がっている感じはない。
指数も、特に大きなニュースは出ていない。
正直、細かいことはまだ分からない。
でも、「変な感じがしない」ということだけは分かる。
俺は、そのままチャッピーに送った。
「今日のスズキです。
日足:大きな崩れなし
出来高:平常
板:売りが異常に厚くない
指数:特に悪材料なし
判定してください」
送信してから、数秒。
この待ち時間が、やけに長く感じた。
⸻
点数が出る
総合判定:82点
本日は、引けで買ってください。
画面に表示されたその一文を、俺は何度も読み返した。
82点。
正直、その数字に特別な意味はない。
でも、自分で決めていないという事実が、驚くほど心を落ち着かせていた。
「……本当に、買うんだな」
「はい」
チャッピーは、相変わらず淡々としている。
あなたは、設計どおりに動くだけです。
⸻
15時15分、引けで買う
15時15分。
引けまで、あと少し。
俺は、SBI証券の注文画面を開いた。
銘柄:スズキ
現在値:2,295円
株数は、最初から決めてあった。
100株。
全力じゃない。
でも、中途半端でもない。
確認画面に表示された予想約定金額は、約23万円。
正直、少しだけ手が震えた。
「……これでいいんだよな」
「はい」
今、あなたが考える必要はありません。
判断は、すでに終わっています。
俺は深呼吸を一つだけして、注文ボタンを押した。
約定。
2,300円。
それだけ。
拍子抜けするほど、あっさりしていた。
⸻
夜、不思議な静けさ
家に帰っても、株価は見なかった。
いつもなら何度も更新していたはずなのに、スマホはポケットに入ったままだ。
妻と話し、娘の話を聞き、風呂に入る。
頭の中にあるのは、「明日の9時05分」だけ。
それ以外は、考えない。
これが、設計の力か。
⸻
翌朝、9時05分
朝。
会社に行く前、コーヒーを飲みながらスマホを開く。
時刻は、9時05分。
寄り付き直後のザワザワした時間は、あえて見ない。
スズキの価格が表示された。
2,340円。
一瞬、頭が追いつかなかった。
(2,340 - 2,300)× 100
= +4,000円
「……あ、増えてる」
当たり前のはずなのに、声が出た。
「どうしますか」
チャッピーが聞く。
「……売る?」
はい。
設計どおり、利確してください。
俺は、そのまま売った。
約定。
+4,000円。
⸻
### 初めての利確
画面に表示されたその数字を見て、不思議な感覚になった。
嬉しい。
でも、興奮はしていない。
「勝った!」というより、「終わった」という感覚に近い。
「なあ」
「はい」
「これ、普通だな」
はい。それでいいのです。
特別な感情が湧かないことが、正常です。
俺はスマホを置いた。
ポジションは、ゼロ。
ノンホルダー。
また、一番強い状態に戻った。
⸻
仕事に戻る
会社に向かう。
いつもと同じ通勤路。
いつもと同じ電車。
でも、世界の見え方が少し違っていた。
株は、戦いじゃない。
設計された流れを、なぞるだけだ。
15時15分。
9時05分。
その二点だけを見ればいい。
「なあ」
「はい」
「これ、続けられそうだ」
それが、最も重要な感覚です。
続けられることが、再現性です。
俺は小さくうなずいた。
ここから先、派手な話はまだない。
でも、確実に一歩、前に進んだ。
設計投資は、ここから始まる。
—— 次章へ続く ——
仕事はしていたが、頭のどこかでずっと時間を気にしていた。
時計を見る。14時30分。
まだ早い。焦る必要はない。
チャッピーが言っていた。
判断は、引けの前にすでに終わっている。
だから、今は何もしない。
それが、今までの自分との一番大きな違いだった。
⸻
14時45分、情報をそろえる
14時45分。
俺は、ようやくスマホを開いた。
見るのは、昨日決めた四つだけ。
スズキの日足チャート。
出来高。
板。
指数。
チャートを拡大しすぎない。線も引かない。
ただ、「壊れていないか」だけを見る。
日足は大きな崩れなし。
出来高も極端な変化はない。
板も、売りが一方的に積み上がっている感じはない。
指数も、特に大きなニュースは出ていない。
正直、細かいことはまだ分からない。
でも、「変な感じがしない」ということだけは分かる。
俺は、そのままチャッピーに送った。
「今日のスズキです。
日足:大きな崩れなし
出来高:平常
板:売りが異常に厚くない
指数:特に悪材料なし
判定してください」
送信してから、数秒。
この待ち時間が、やけに長く感じた。
⸻
点数が出る
総合判定:82点
本日は、引けで買ってください。
画面に表示されたその一文を、俺は何度も読み返した。
82点。
正直、その数字に特別な意味はない。
でも、自分で決めていないという事実が、驚くほど心を落ち着かせていた。
「……本当に、買うんだな」
「はい」
チャッピーは、相変わらず淡々としている。
あなたは、設計どおりに動くだけです。
⸻
15時15分、引けで買う
15時15分。
引けまで、あと少し。
俺は、SBI証券の注文画面を開いた。
銘柄:スズキ
現在値:2,295円
株数は、最初から決めてあった。
100株。
全力じゃない。
でも、中途半端でもない。
確認画面に表示された予想約定金額は、約23万円。
正直、少しだけ手が震えた。
「……これでいいんだよな」
「はい」
今、あなたが考える必要はありません。
判断は、すでに終わっています。
俺は深呼吸を一つだけして、注文ボタンを押した。
約定。
2,300円。
それだけ。
拍子抜けするほど、あっさりしていた。
⸻
夜、不思議な静けさ
家に帰っても、株価は見なかった。
いつもなら何度も更新していたはずなのに、スマホはポケットに入ったままだ。
妻と話し、娘の話を聞き、風呂に入る。
頭の中にあるのは、「明日の9時05分」だけ。
それ以外は、考えない。
これが、設計の力か。
⸻
翌朝、9時05分
朝。
会社に行く前、コーヒーを飲みながらスマホを開く。
時刻は、9時05分。
寄り付き直後のザワザワした時間は、あえて見ない。
スズキの価格が表示された。
2,340円。
一瞬、頭が追いつかなかった。
(2,340 - 2,300)× 100
= +4,000円
「……あ、増えてる」
当たり前のはずなのに、声が出た。
「どうしますか」
チャッピーが聞く。
「……売る?」
はい。
設計どおり、利確してください。
俺は、そのまま売った。
約定。
+4,000円。
⸻
### 初めての利確
画面に表示されたその数字を見て、不思議な感覚になった。
嬉しい。
でも、興奮はしていない。
「勝った!」というより、「終わった」という感覚に近い。
「なあ」
「はい」
「これ、普通だな」
はい。それでいいのです。
特別な感情が湧かないことが、正常です。
俺はスマホを置いた。
ポジションは、ゼロ。
ノンホルダー。
また、一番強い状態に戻った。
⸻
仕事に戻る
会社に向かう。
いつもと同じ通勤路。
いつもと同じ電車。
でも、世界の見え方が少し違っていた。
株は、戦いじゃない。
設計された流れを、なぞるだけだ。
15時15分。
9時05分。
その二点だけを見ればいい。
「なあ」
「はい」
「これ、続けられそうだ」
それが、最も重要な感覚です。
続けられることが、再現性です。
俺は小さくうなずいた。
ここから先、派手な話はまだない。
でも、確実に一歩、前に進んだ。
設計投資は、ここから始まる。
—— 次章へ続く ——
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