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38 魔族の生態系
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温泉宿の朝は、静かな音がする。
湯気の向こうで誰かが桶を置く音、廊下を歩く足音、遠くで湯が落ちる「ぽちゃん」という響き。それだけで世界が成立しているみたいな静けさだ。窓の外は晴れていて、山の稜線が朝日に縁取られている。
俺は朝食の膳を見下ろして、箸を止めた。
焼き魚、味噌っぽい汁、漬物っぽいやつ。美味い。ちゃんと美味い。旅館の朝食っていうのは、こういう「正しさ」がある。
なのに、なんだろう。
この、もやもやする気持ちは。
「……味気ないな」
つい口に出したら、向かいのリリアーナ姫が顔を上げた。
「味付けが薄いのですか?」
「いや、そうじゃなくて」
俺は苦笑して、箸を持ち直す。
「ローナの飯の方が、なんていうか……生きてる感じがする」
隣のローナが、ちょっとだけ笑った。
「それ、褒めてます?」
「褒めてる。めっちゃ褒めてる」
ガルドは黙ってもぐもぐしている。旅館の朝食にも「問題ない」を出すのかと思ったら、今日は言わない。表情も少し硬い。
ローナが、湯気の向こうを見てぽつりと言った。
「妖精さんがいないと……寂しいですね」
その言葉で、膳の上が一瞬だけ静かになる。
そうだ。シルフィがいない。
「芝、げんき」「やりすぎ」「ナイス」って、勝手に採点してくれる存在がいない。
平和な朝なのに、どこか欠けている。
ガルドが低く言った。
「……ああ。問題がある」
姫が心配そうに俺を見る。
「ナオキさん」
「シルフィは治りますよね?」
「大丈夫」
俺は頷いた。
「今はエルフの家で眠ってる」
「エルフ……?」
姫とローナの目が同時に丸くなる。
俺は昨夜のことを、かいつまんで話した。森の奥の小屋、日傘の少女、古文書、そして机の上で眠る妖精シルフィ。
驚いた顔はしたけど、二人は最後にふっと息を吐いた。
「……よかった」
ローナが言う。
「まずは安心です」
姫が胸に手を当てる。
その瞬間、扉が開いた。
「アルヴェイン王国、さいこー!」
妙に元気な声。
セリウス王子が入ってきた。髪が少し濡れている。風呂上がりらしい。爽やかすぎて、朝食の干物が一瞬だけ恥ずかしくなる。
「おはようございます」
姫が礼儀正しく言う。
「おはようございます!」
王子が輝く笑顔で返す。
姫が興味津々で聞いた。
「セリウス様の国、リュミエール王国に温泉は?」
「ありません」
王子はあっさり言った。
「暖かい気候のせいか、湯に浸かる文化が薄いのです。民の多くは……シャワー派ですね」
「しゃわー……」
姫が首をかしげる。
俺は内心で思った。
(都会の人みたいなこと言うな、この王子)
廊下の向こうから、賑やかな声がする。
昨日土木をしてくれた人たちが、朝からぬくぬくしているらしい。働いて、温泉に入って、また働く。国が回る音は、案外こういうところにある。
朝食が終わり、俺たちは荷をまとめた。
ローナはガルドに弁当を手渡す。
姫は俺に弁当を手渡す。
……なんか照れる。
「今日は、王家の味です」
姫が胸を張る。
「ありがとう」
俺は笑った。
「楽しみにしてます」
馬車の外ではドランが準備していた。工具箱も当然のように積まれている。その横にゴルフバックを並べた。
「鉱物が出たらすぐ強化するぞ」
ドランが言う。
「それ、旅じゃなくて出張だよな」
俺が言うと、
「がはは! 商人は全部出張だ!」
ドランが笑う。
ガルドが短く言った。
「……行くぞ」
⸻
馬車は街道を進む。
晴れた空。穏やかな風。放牧された馬と牛。草原の波が揺れて、遠い山が青く霞む。こんな景色の中に、竜がいるなんて信じられないくらい平和だ。
ガルドは窓の外を見て言った。
「……魔族はいない」
ドランが舌打ちする。
「いねぇなぁ」
「宝石が欲しいから、今じゃ逆に魔族が出て欲しいぜ」
「その事実、民の前で言うな」
ガルドが即ツッコむ。
「いや、民だって薄々気づいてる」
ドランは平然と言った。
「魔族は厄災だが、宝石を落とす」
「旨味で生きてるやつもいる。それが事実だ」
俺は、ふーんと頷いた。
(難しい話だな)
(ゴルフだと、ボギーでも次で修正できるのに)
街道はだんだん細くなり、やがて消えた。
深い森が口を開けている。
入口も出口も分からない。鳥が鳴き、葉がかさかさ揺れて、森そのものが「入れ」と言っているようだった。
ドランが馬車を止める。
「ここから先は歩け」
「ここは開拓できねぇ」
ガルドが頷いた。
「……神聖な森だ」
ドランはゴルフバックを俺に渡した。
「城に戻ってるから、強化したかったら来い……あと」
「死ぬなよ」
「死にませんよ」
「死ぬなよ」
ガルドが被せた。
(被せるな、おまえも行くんだぞ)
ドランは馬車を返し、俺とガルドは森へ入った。
⸻
森の空気は、別の世界だった。
光が細い。木々の葉が幾重にも重なり、太陽の矢をふるい落としている。苔は湿り、根はうねり、地面は柔らかい。足を置くたび、土が息を吸う。
匂いが深い。
土と樹液と、古い木の皮と、見えない水の気配。
森が、長い時間を抱えているのが分かる。
俺は小声で言った。
「……大樹の場所、分かるのか?」
ガルドは迷いなく答えた。
「……問題ない」
「いや、それ毎回言うけどさ」
「本当に問題ないの?」
「問題ない」
断言が強い。
この人の「問題ない」は、たぶん世界基準だ。
歩きながら、俺は昨日のことを思い出した。
「魔族が木から産まれるって知ってたか?」
ガルドは首を振る。
「そのような情報はない」
「知っていたなら、国家規模で焼き払う」
「だよね」
俺は頷いた。
「さっきドランが“開拓できない”って言ってたのは?」
ガルドが低く言った。
「この森は昔から“魔女が出る”と噂だ」
「立入禁止区域」
「魔女……ルウナ」
口に出して、俺は鳥肌が立った。
(そういうことか)
なんかいろいろ、わかってきた。
俺は、ふと立ち止まった。
「ていうかさ」
「俺をこの世界に呼んだやつって誰だ? シルフィなのかな?」
ガルドが即答した。
「妖精ではない」
「え?」
「……エルネスだ」
その一言で、頭の中の景色が一気に過去へ飛ぶ。
ジム。
カップルの筋トレ。
シミュレーションゴルフ。
妖精の声。
世界がひっくり返る感覚。
城。
王様。
兵士。
魔法陣。
杖を持った魔法使い。
(あの魔法使い……エルネスだ)
「マジか!」
ガルドが続ける。
「詳しいことは、大樹の枝を採って」
「ルウナの家に戻ったら聞くんだな」
「分かった」
俺は深く息を吸った。
森は静かだった。
でも静かすぎて、逆に怖い。
音が少ないと、人は余計なものを聞き始める。
ガルドが歩みを止めた。
「……着いたぞ」
俺は目を上げた。
まだ遠い。だが、見える。
森の奥で、ひときわ大きい影が立っている。
枝が空へ伸び、葉が風を受けずに揺れている。
そこだけ、世界の時間が違うみたいだった。
「……あれが」
「大樹だ」
ガルドが言った。
その瞬間。
空が暗くなった。
「曇り?」
俺が言いかけたとき、
赤い翼が、雲の下を横切った。
ドラゴンだ。
森の上空を、ただ飛んでいる。
降りてこない。
だが、影だけで森が息を止める。
木々が揺れ、小鳥が鳴くのをやめる。
風が、冷たくなる。
俺は喉が乾いた。
(来てる)
(また)
ドラゴンは、ゆっくりと大樹の方へ近づいていく。
ガルドが小さく言った。
「……見られている」
俺は拳を握った。
芝の上なら、距離は測れる。
風も読める。
再現性もある。
でも、森の中で——
大樹の前で——
距離が、意味を変える気がした。
ドラゴンの影が、木々の上を滑っていく。
空は青いままだ。
なのに森は、暗かった。
俺は、息を吐いた。
「……シルフィ」
心の中で呼んだ。
「絶対に助けるからな」
大樹は、何も答えなかった。
ただ、そこに立っている。
◇
空は青いのに、胸の奥がずっと冷たい。
大樹は目の前にある。
なのに、そこへ向かうたび、森の音が一段落ちる。小鳥が鳴くのをやめ、小動物が葉の裏に消え、風さえ慎重になる。まるで世界が「近づくな」と言っている。
赤い翼が、空を横切った。
ドラゴンだ。
雲の下をゆっくり旋回している。降りてこない。襲ってもこない。距離を取って、ただ見ている。見られているという感覚だけが、皮膚の内側に刺さる。
「……行くぞ、ナオキ」
ガルドの声は低い。
「ああ」
俺たちは木の影を選び、岩陰を渡り、根の盛り上がりに身を沈めて移動した。枝が折れる音ひとつで、終わる気がする。足音を殺すたびに、自分の心臓がやたらうるさい。
大樹に近づくにつれて、匂いが変わった。
土の匂いが薄れていく。代わりに、鉱物の匂い。冷たい石の匂い。水気があるのに乾いている、矛盾した匂いだ。
そして、見えた。
魔族を産む木。
幹は黒い。黒いのに、光を返す。
まるで黒いダイヤモンドだ。表面を無数の水晶が覆っている。石英の結晶が幹の皮膚のようにきらきらと並び、太陽の角度で色を変える。
美しい。
腹が立つほど美しい。
葉は、ハート型だった。
人が好意を象徴にする形を、木が当たり前のように纏っている。しかも整いすぎている。自然の“ゆらぎ”がない。
「……美しいな」
俺が思わず言うと、
「……ああ」
ガルドも短く頷いた。
その声が、少しだけ震えていた。
幹の上のほうに、黒い実がついているのが見えた。小さいのも、大きいのもある。小さいのはただぶら下がっているだけだ。だが、大きいのは違った。
どく、どく。
鼓動している。
実が呼吸しているみたいに、脈を打って膨らむ。木の外側にあるのに、臓器みたいに動いている。しかも、規則正しい。人の心臓より落ち着いていて、逆に気持ちが悪い。
(……産まれるのか)
喉が渇いた。
空にいるドラゴンは、まだ降りてこない。距離を取ったまま、翼の影だけが木の根元を横切っていく。
俺は息を吸って、吐いた。
シルフィを救うんだ。
机の上で眠っているあいつの羽を、もう一度光らせたい。
あいつが「芝、げんき」って言って、俺の一打を勝手に採点して、意味不明なことを言って、勝手に笑ってくれる日常を取り戻したい。
俺は大樹に近づき、ハート型の葉がついた枝に手を伸ばした。
硬い。
指が滑る。爪が立たない。木というより鉱物だ。結晶の皮膜が、刃物みたいに冷たい。
「……折れない」
俺が言う。
ガルドが同じ枝に手をかけた。右手ではなく、左手だ。力を込める。だが、枝は微動だにしない。
「……硬すぎる」
俺は焦りかけた。
そのとき、ふっと、耳の奥で声がした気がした。
風の残像みたいな、短い断定。
――ナオキ。
――打つ。
幻聴かもしれない。
でも、その言い方は、確かにシルフィだった。
「……そうだな」
俺は、笑った。
冷静になれ。
俺は、普通にゴルフするだけだ。
大樹を折る必要はない。必要なのは枝一本。距離と角度さえ合えば、それでいい。
俺がバッグに手を伸ばした、そのとき。
「ナオキ……問題が起きた」
ガルドが言った。
「ん?」
大樹の上で、鼓動する実が揺れている。
一つ。二つ。三つ。
どく、どく、どく。
鼓動が速くなる。心臓が焦っているみたいに。
落ちた。
黒い実が地面に転がる。ころころと、卵みたいに。
ひびが入った。
細い亀裂が走り、次の瞬間、内側から押し開かれる。
割れた。
湿った音がした。
中身は赤くない。血の色じゃない。黒い。鉱物の泥みたいなものが、ぬるりと出てくる。
そして、立ち上がった。
魔族。
小さい。だが、形が“人”に似ていない。昆虫に近い。頭が尖り、四肢が細く、関節が多い。目はなく、口だけが裂けている。そこに牙が並んでいる。
怖い。
でも、目が離せない。
三体の魔族は、産まれた瞬間から目的地を知っているみたいに動いた。会話も確認もしない。ただ、嗅ぐように、探るように、森の中を進む。
「魔族たちの動きが気になる……」
ガルドが俺に問いかける。
「枝は?」
「……ああ」
俺は頷いた。
「俺に考えがある」
「ナオキ、俺のまねか?」
ガルドがぼそっと言った。
こんな場面で、少しだけ笑ってしまった。
俺たちは魔族の後を追った。木の影から影へ。足音を殺して。息を詰めて。
三体の魔族は、岩場で止まった。
爪を立てる。
ガリガリと岩を削る音。
牙で噛み砕く。
バリ、と小さな破片が飛ぶ。
(……掘ってる)
こいつらの爪と牙は、動物を殺すための形じゃない。
人間を憎むための形でもない。
鉱物を掘るためだ。
岩の割れ目から、きらりと光るものが出てきた。宝石だ。鉱物だ。魔族はそれを口に入れ、噛み砕き、飲み込む。
ガルドが、震えた。
握っている拳が小さく揺れる。怒りではない。気づきだ。
「……魔族は」
ガルドが言った。
「鉱物を探しに、城へ来ていたのか……」
「え?」
「城には宝石がある」
ガルドは静かに続けた。
「王家の宝物庫」
「商人の蔵」
「戦利品の保管庫」
言葉が繋がっていく。
ジグソーパズルのピースが、音もなくはまっていく感覚。
俺は息を呑んだ。
(魔族は、憎しみで攻めてきたんじゃない)
(資源で、寄ってきただけだ)
そのときだった。
風圧。
地面が揺れた。
空が暗くなる。
ドラゴンが降りてきた。
赤い鱗が森の影を裂き、翼が木々を押し潰す。音が遅れて耳に届く。存在が重い。世界の重さが変わる。
ドラゴンは魔族を食った。
一体。
バリ、と宝石ごと噛み砕く。
二体。
牙と爪と鉱物が一緒に消える。
三体目は、逃げた。
ドラゴンは追わない。
あえて逃がしたように見えた。
ドラゴンは翼を打ち、また空へ戻っていく。赤い影が遠ざかる。森が、ようやく息を吸う。
俺は肩で呼吸した。
「……なぜ見逃した」
ガルドが答える前に、三体目の魔族が動いた。
宝石を食っている。
そして、移動する。
大樹の方角へ。
俺たちは追う。
魔族は大樹の根元まで戻り、吐き出した。
ごろり、と宝石が地面に落ちる。
それは餌じゃない。排泄でもない。
供物みたいだった。
宝石は土に沈み、結晶の根に吸われるように消えていく。大樹の結晶が、わずかに光った気がした。
理解した。
魔族は宝石を掘り、食い、運び、吐く。
大樹はそれを養分にする。
ドラゴンは魔族を食って宝石を得る。
だからドラゴンは大樹を壊さない。
だから魔族を絶滅させない。
宝石を食べたいから。
宝石を生み出す循環を守りたいから。
生態系だ。
ひどく美しくて、ひどく怖い。
俺とガルドは目を合わせた。
「……魔族のことが理解できたな」
ガルドが言う。
「したくないけど、した」
俺は正直に言った。
そして、目的を思い出す。
枝だ。
俺は戻る。大樹の枝を見上げる。ハート型の葉。
「壊さない」
俺は小さく言った。
「必要な分だけ取る」
ゴルフバッグからアイアンを出す。
金属球を落とす。土が軽く鳴る。
素振りをひとつ。
「……80歩」
ガルドが言った。
「やや東」
「あの枝がいい」
「わかった」
俺は構える。
肩の力を抜く。
枝のしなりを信じる。
振る。
カキィン。
乾いた音が森に響いた。
球が飛ぶ。黒い結晶の光を切って飛ぶ。
見事、枝に当たった。
硬いもの同士がぶつかる音がして、枝が折れた。
ハート型の葉をつけたまま、立派な枝が落ちてくる。
俺は駆け寄って拾った。
重い。冷たい。美しい。
これなら、妖精を救える。
「ルウナの家に戻ろう」
ガルドが言った。
「ああ」
俺はゴルフバッグを担ぐ。
ガルドは枝を抱える。
背後で、大樹は変わらず立っていた。
魔族の循環も、ドラゴンの影も、消えてはいない。
でも今は、それでいい。
俺たちは大樹から離れた。
「今行くよ、シルフィ!」
湯気の向こうで誰かが桶を置く音、廊下を歩く足音、遠くで湯が落ちる「ぽちゃん」という響き。それだけで世界が成立しているみたいな静けさだ。窓の外は晴れていて、山の稜線が朝日に縁取られている。
俺は朝食の膳を見下ろして、箸を止めた。
焼き魚、味噌っぽい汁、漬物っぽいやつ。美味い。ちゃんと美味い。旅館の朝食っていうのは、こういう「正しさ」がある。
なのに、なんだろう。
この、もやもやする気持ちは。
「……味気ないな」
つい口に出したら、向かいのリリアーナ姫が顔を上げた。
「味付けが薄いのですか?」
「いや、そうじゃなくて」
俺は苦笑して、箸を持ち直す。
「ローナの飯の方が、なんていうか……生きてる感じがする」
隣のローナが、ちょっとだけ笑った。
「それ、褒めてます?」
「褒めてる。めっちゃ褒めてる」
ガルドは黙ってもぐもぐしている。旅館の朝食にも「問題ない」を出すのかと思ったら、今日は言わない。表情も少し硬い。
ローナが、湯気の向こうを見てぽつりと言った。
「妖精さんがいないと……寂しいですね」
その言葉で、膳の上が一瞬だけ静かになる。
そうだ。シルフィがいない。
「芝、げんき」「やりすぎ」「ナイス」って、勝手に採点してくれる存在がいない。
平和な朝なのに、どこか欠けている。
ガルドが低く言った。
「……ああ。問題がある」
姫が心配そうに俺を見る。
「ナオキさん」
「シルフィは治りますよね?」
「大丈夫」
俺は頷いた。
「今はエルフの家で眠ってる」
「エルフ……?」
姫とローナの目が同時に丸くなる。
俺は昨夜のことを、かいつまんで話した。森の奥の小屋、日傘の少女、古文書、そして机の上で眠る妖精シルフィ。
驚いた顔はしたけど、二人は最後にふっと息を吐いた。
「……よかった」
ローナが言う。
「まずは安心です」
姫が胸に手を当てる。
その瞬間、扉が開いた。
「アルヴェイン王国、さいこー!」
妙に元気な声。
セリウス王子が入ってきた。髪が少し濡れている。風呂上がりらしい。爽やかすぎて、朝食の干物が一瞬だけ恥ずかしくなる。
「おはようございます」
姫が礼儀正しく言う。
「おはようございます!」
王子が輝く笑顔で返す。
姫が興味津々で聞いた。
「セリウス様の国、リュミエール王国に温泉は?」
「ありません」
王子はあっさり言った。
「暖かい気候のせいか、湯に浸かる文化が薄いのです。民の多くは……シャワー派ですね」
「しゃわー……」
姫が首をかしげる。
俺は内心で思った。
(都会の人みたいなこと言うな、この王子)
廊下の向こうから、賑やかな声がする。
昨日土木をしてくれた人たちが、朝からぬくぬくしているらしい。働いて、温泉に入って、また働く。国が回る音は、案外こういうところにある。
朝食が終わり、俺たちは荷をまとめた。
ローナはガルドに弁当を手渡す。
姫は俺に弁当を手渡す。
……なんか照れる。
「今日は、王家の味です」
姫が胸を張る。
「ありがとう」
俺は笑った。
「楽しみにしてます」
馬車の外ではドランが準備していた。工具箱も当然のように積まれている。その横にゴルフバックを並べた。
「鉱物が出たらすぐ強化するぞ」
ドランが言う。
「それ、旅じゃなくて出張だよな」
俺が言うと、
「がはは! 商人は全部出張だ!」
ドランが笑う。
ガルドが短く言った。
「……行くぞ」
⸻
馬車は街道を進む。
晴れた空。穏やかな風。放牧された馬と牛。草原の波が揺れて、遠い山が青く霞む。こんな景色の中に、竜がいるなんて信じられないくらい平和だ。
ガルドは窓の外を見て言った。
「……魔族はいない」
ドランが舌打ちする。
「いねぇなぁ」
「宝石が欲しいから、今じゃ逆に魔族が出て欲しいぜ」
「その事実、民の前で言うな」
ガルドが即ツッコむ。
「いや、民だって薄々気づいてる」
ドランは平然と言った。
「魔族は厄災だが、宝石を落とす」
「旨味で生きてるやつもいる。それが事実だ」
俺は、ふーんと頷いた。
(難しい話だな)
(ゴルフだと、ボギーでも次で修正できるのに)
街道はだんだん細くなり、やがて消えた。
深い森が口を開けている。
入口も出口も分からない。鳥が鳴き、葉がかさかさ揺れて、森そのものが「入れ」と言っているようだった。
ドランが馬車を止める。
「ここから先は歩け」
「ここは開拓できねぇ」
ガルドが頷いた。
「……神聖な森だ」
ドランはゴルフバックを俺に渡した。
「城に戻ってるから、強化したかったら来い……あと」
「死ぬなよ」
「死にませんよ」
「死ぬなよ」
ガルドが被せた。
(被せるな、おまえも行くんだぞ)
ドランは馬車を返し、俺とガルドは森へ入った。
⸻
森の空気は、別の世界だった。
光が細い。木々の葉が幾重にも重なり、太陽の矢をふるい落としている。苔は湿り、根はうねり、地面は柔らかい。足を置くたび、土が息を吸う。
匂いが深い。
土と樹液と、古い木の皮と、見えない水の気配。
森が、長い時間を抱えているのが分かる。
俺は小声で言った。
「……大樹の場所、分かるのか?」
ガルドは迷いなく答えた。
「……問題ない」
「いや、それ毎回言うけどさ」
「本当に問題ないの?」
「問題ない」
断言が強い。
この人の「問題ない」は、たぶん世界基準だ。
歩きながら、俺は昨日のことを思い出した。
「魔族が木から産まれるって知ってたか?」
ガルドは首を振る。
「そのような情報はない」
「知っていたなら、国家規模で焼き払う」
「だよね」
俺は頷いた。
「さっきドランが“開拓できない”って言ってたのは?」
ガルドが低く言った。
「この森は昔から“魔女が出る”と噂だ」
「立入禁止区域」
「魔女……ルウナ」
口に出して、俺は鳥肌が立った。
(そういうことか)
なんかいろいろ、わかってきた。
俺は、ふと立ち止まった。
「ていうかさ」
「俺をこの世界に呼んだやつって誰だ? シルフィなのかな?」
ガルドが即答した。
「妖精ではない」
「え?」
「……エルネスだ」
その一言で、頭の中の景色が一気に過去へ飛ぶ。
ジム。
カップルの筋トレ。
シミュレーションゴルフ。
妖精の声。
世界がひっくり返る感覚。
城。
王様。
兵士。
魔法陣。
杖を持った魔法使い。
(あの魔法使い……エルネスだ)
「マジか!」
ガルドが続ける。
「詳しいことは、大樹の枝を採って」
「ルウナの家に戻ったら聞くんだな」
「分かった」
俺は深く息を吸った。
森は静かだった。
でも静かすぎて、逆に怖い。
音が少ないと、人は余計なものを聞き始める。
ガルドが歩みを止めた。
「……着いたぞ」
俺は目を上げた。
まだ遠い。だが、見える。
森の奥で、ひときわ大きい影が立っている。
枝が空へ伸び、葉が風を受けずに揺れている。
そこだけ、世界の時間が違うみたいだった。
「……あれが」
「大樹だ」
ガルドが言った。
その瞬間。
空が暗くなった。
「曇り?」
俺が言いかけたとき、
赤い翼が、雲の下を横切った。
ドラゴンだ。
森の上空を、ただ飛んでいる。
降りてこない。
だが、影だけで森が息を止める。
木々が揺れ、小鳥が鳴くのをやめる。
風が、冷たくなる。
俺は喉が乾いた。
(来てる)
(また)
ドラゴンは、ゆっくりと大樹の方へ近づいていく。
ガルドが小さく言った。
「……見られている」
俺は拳を握った。
芝の上なら、距離は測れる。
風も読める。
再現性もある。
でも、森の中で——
大樹の前で——
距離が、意味を変える気がした。
ドラゴンの影が、木々の上を滑っていく。
空は青いままだ。
なのに森は、暗かった。
俺は、息を吐いた。
「……シルフィ」
心の中で呼んだ。
「絶対に助けるからな」
大樹は、何も答えなかった。
ただ、そこに立っている。
◇
空は青いのに、胸の奥がずっと冷たい。
大樹は目の前にある。
なのに、そこへ向かうたび、森の音が一段落ちる。小鳥が鳴くのをやめ、小動物が葉の裏に消え、風さえ慎重になる。まるで世界が「近づくな」と言っている。
赤い翼が、空を横切った。
ドラゴンだ。
雲の下をゆっくり旋回している。降りてこない。襲ってもこない。距離を取って、ただ見ている。見られているという感覚だけが、皮膚の内側に刺さる。
「……行くぞ、ナオキ」
ガルドの声は低い。
「ああ」
俺たちは木の影を選び、岩陰を渡り、根の盛り上がりに身を沈めて移動した。枝が折れる音ひとつで、終わる気がする。足音を殺すたびに、自分の心臓がやたらうるさい。
大樹に近づくにつれて、匂いが変わった。
土の匂いが薄れていく。代わりに、鉱物の匂い。冷たい石の匂い。水気があるのに乾いている、矛盾した匂いだ。
そして、見えた。
魔族を産む木。
幹は黒い。黒いのに、光を返す。
まるで黒いダイヤモンドだ。表面を無数の水晶が覆っている。石英の結晶が幹の皮膚のようにきらきらと並び、太陽の角度で色を変える。
美しい。
腹が立つほど美しい。
葉は、ハート型だった。
人が好意を象徴にする形を、木が当たり前のように纏っている。しかも整いすぎている。自然の“ゆらぎ”がない。
「……美しいな」
俺が思わず言うと、
「……ああ」
ガルドも短く頷いた。
その声が、少しだけ震えていた。
幹の上のほうに、黒い実がついているのが見えた。小さいのも、大きいのもある。小さいのはただぶら下がっているだけだ。だが、大きいのは違った。
どく、どく。
鼓動している。
実が呼吸しているみたいに、脈を打って膨らむ。木の外側にあるのに、臓器みたいに動いている。しかも、規則正しい。人の心臓より落ち着いていて、逆に気持ちが悪い。
(……産まれるのか)
喉が渇いた。
空にいるドラゴンは、まだ降りてこない。距離を取ったまま、翼の影だけが木の根元を横切っていく。
俺は息を吸って、吐いた。
シルフィを救うんだ。
机の上で眠っているあいつの羽を、もう一度光らせたい。
あいつが「芝、げんき」って言って、俺の一打を勝手に採点して、意味不明なことを言って、勝手に笑ってくれる日常を取り戻したい。
俺は大樹に近づき、ハート型の葉がついた枝に手を伸ばした。
硬い。
指が滑る。爪が立たない。木というより鉱物だ。結晶の皮膜が、刃物みたいに冷たい。
「……折れない」
俺が言う。
ガルドが同じ枝に手をかけた。右手ではなく、左手だ。力を込める。だが、枝は微動だにしない。
「……硬すぎる」
俺は焦りかけた。
そのとき、ふっと、耳の奥で声がした気がした。
風の残像みたいな、短い断定。
――ナオキ。
――打つ。
幻聴かもしれない。
でも、その言い方は、確かにシルフィだった。
「……そうだな」
俺は、笑った。
冷静になれ。
俺は、普通にゴルフするだけだ。
大樹を折る必要はない。必要なのは枝一本。距離と角度さえ合えば、それでいい。
俺がバッグに手を伸ばした、そのとき。
「ナオキ……問題が起きた」
ガルドが言った。
「ん?」
大樹の上で、鼓動する実が揺れている。
一つ。二つ。三つ。
どく、どく、どく。
鼓動が速くなる。心臓が焦っているみたいに。
落ちた。
黒い実が地面に転がる。ころころと、卵みたいに。
ひびが入った。
細い亀裂が走り、次の瞬間、内側から押し開かれる。
割れた。
湿った音がした。
中身は赤くない。血の色じゃない。黒い。鉱物の泥みたいなものが、ぬるりと出てくる。
そして、立ち上がった。
魔族。
小さい。だが、形が“人”に似ていない。昆虫に近い。頭が尖り、四肢が細く、関節が多い。目はなく、口だけが裂けている。そこに牙が並んでいる。
怖い。
でも、目が離せない。
三体の魔族は、産まれた瞬間から目的地を知っているみたいに動いた。会話も確認もしない。ただ、嗅ぐように、探るように、森の中を進む。
「魔族たちの動きが気になる……」
ガルドが俺に問いかける。
「枝は?」
「……ああ」
俺は頷いた。
「俺に考えがある」
「ナオキ、俺のまねか?」
ガルドがぼそっと言った。
こんな場面で、少しだけ笑ってしまった。
俺たちは魔族の後を追った。木の影から影へ。足音を殺して。息を詰めて。
三体の魔族は、岩場で止まった。
爪を立てる。
ガリガリと岩を削る音。
牙で噛み砕く。
バリ、と小さな破片が飛ぶ。
(……掘ってる)
こいつらの爪と牙は、動物を殺すための形じゃない。
人間を憎むための形でもない。
鉱物を掘るためだ。
岩の割れ目から、きらりと光るものが出てきた。宝石だ。鉱物だ。魔族はそれを口に入れ、噛み砕き、飲み込む。
ガルドが、震えた。
握っている拳が小さく揺れる。怒りではない。気づきだ。
「……魔族は」
ガルドが言った。
「鉱物を探しに、城へ来ていたのか……」
「え?」
「城には宝石がある」
ガルドは静かに続けた。
「王家の宝物庫」
「商人の蔵」
「戦利品の保管庫」
言葉が繋がっていく。
ジグソーパズルのピースが、音もなくはまっていく感覚。
俺は息を呑んだ。
(魔族は、憎しみで攻めてきたんじゃない)
(資源で、寄ってきただけだ)
そのときだった。
風圧。
地面が揺れた。
空が暗くなる。
ドラゴンが降りてきた。
赤い鱗が森の影を裂き、翼が木々を押し潰す。音が遅れて耳に届く。存在が重い。世界の重さが変わる。
ドラゴンは魔族を食った。
一体。
バリ、と宝石ごと噛み砕く。
二体。
牙と爪と鉱物が一緒に消える。
三体目は、逃げた。
ドラゴンは追わない。
あえて逃がしたように見えた。
ドラゴンは翼を打ち、また空へ戻っていく。赤い影が遠ざかる。森が、ようやく息を吸う。
俺は肩で呼吸した。
「……なぜ見逃した」
ガルドが答える前に、三体目の魔族が動いた。
宝石を食っている。
そして、移動する。
大樹の方角へ。
俺たちは追う。
魔族は大樹の根元まで戻り、吐き出した。
ごろり、と宝石が地面に落ちる。
それは餌じゃない。排泄でもない。
供物みたいだった。
宝石は土に沈み、結晶の根に吸われるように消えていく。大樹の結晶が、わずかに光った気がした。
理解した。
魔族は宝石を掘り、食い、運び、吐く。
大樹はそれを養分にする。
ドラゴンは魔族を食って宝石を得る。
だからドラゴンは大樹を壊さない。
だから魔族を絶滅させない。
宝石を食べたいから。
宝石を生み出す循環を守りたいから。
生態系だ。
ひどく美しくて、ひどく怖い。
俺とガルドは目を合わせた。
「……魔族のことが理解できたな」
ガルドが言う。
「したくないけど、した」
俺は正直に言った。
そして、目的を思い出す。
枝だ。
俺は戻る。大樹の枝を見上げる。ハート型の葉。
「壊さない」
俺は小さく言った。
「必要な分だけ取る」
ゴルフバッグからアイアンを出す。
金属球を落とす。土が軽く鳴る。
素振りをひとつ。
「……80歩」
ガルドが言った。
「やや東」
「あの枝がいい」
「わかった」
俺は構える。
肩の力を抜く。
枝のしなりを信じる。
振る。
カキィン。
乾いた音が森に響いた。
球が飛ぶ。黒い結晶の光を切って飛ぶ。
見事、枝に当たった。
硬いもの同士がぶつかる音がして、枝が折れた。
ハート型の葉をつけたまま、立派な枝が落ちてくる。
俺は駆け寄って拾った。
重い。冷たい。美しい。
これなら、妖精を救える。
「ルウナの家に戻ろう」
ガルドが言った。
「ああ」
俺はゴルフバッグを担ぐ。
ガルドは枝を抱える。
背後で、大樹は変わらず立っていた。
魔族の循環も、ドラゴンの影も、消えてはいない。
でも今は、それでいい。
俺たちは大樹から離れた。
「今行くよ、シルフィ!」
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