24 / 37
3章
今、闇の訪れを知る
しおりを挟む
潮水ヶ原高校での初めての授業が始まった。普通ならワクワクするのだけれど、色んなことがありすぎて心が揺らいでるオレにとっては、うっと惜しくて無駄な時間としか思えなかった。
「起立」
「気をつけ」
「礼」
とお決まりの号令を耳にしその通りにする。
立つ意味が分からない。だいたいなんで先生に毎時間敬意を払わなければならないんだ。
やりたいことでは無い。この小さな高校で1学年1クラスずつでその1クラスに10人しかいない。その全校生徒30人だって嫌でも言われるがままにやる。その意味がわからなかった。そんなことを誰かに言ったら捻くれ者と言われるだろう。
でも、先生に脅されている訳でもないのに何故...
脅される?
佳奈と確信はないが早見も花暮から脅されいたようだ。
これは、俺の父さんとも同じだったりするんじゃないか?でも、父さんが花暮の言葉で怯えるはずがない。そんなことあったら花暮の父さんに言うはずだ。仕事上の立場が違えども、同じ仕事場で関わりもあったから言えるはずだ。
でもなんか他に...
そうだ。ニュースを見た時に海志田さんに冷増家を調べてもらうように連絡したんだった。やはり、色々と考えると花暮の父さんもなんか怪しい気がしてならない。
そう思っていたら、あっという間に一限の現代社会が終わっていた。ただ聞くだけの授業だったおかげで注意もされず、左隣で寝ている早見よりはマシだった。
「次なんの教科だっけ?」
俺が右隣に居る佳奈に聞く。
「数2だよ。ずっと、ぼーっとしてたけど大丈夫?あと3時間あるよ?」
そう心配に溢れた顔で顔を近づけて顔色を伺ってくる。
「あれ、あと3時間だっけ。」
「この学校は夏休み近くなると3日前から4時間授業なんだよ?」
そうか、それを忘れていた。
この学校は、夏休み前の3日間は4時間授業でお昼を食べずに帰宅するらしい。
それから俺はちゃんと授業を受けた。
3限目は、生物
4限目は、現代文
先生が黙々と物語を音読しているときだった。
「タキシードに着替え、自分の娘に決めポーズをする俺。46歳になるがカッコよすぎる。めちゃめちゃ決まっているぜ。12歳の娘ベイビーは皮肉そうな顔をしてるが気にしねぇ。ねぇパパ...」
プルルルル、!!
先生の音読の声しか聞こえない静かな教室に響き渡る俺のスマホの音。
スマホをちらっと見ると…
海志田さんからだった。
すぐに顔を上げ先生に言った。
「すみません。大事な電話なので出させていただきます。」
そうして、外に出る時、女の先生は何事?とあたふたしていた。
教室を出て、声が聞かれないようにとトイレに行く。電話マークを右にスライドして耳にスマホを当てる。
「はい、橋渡です。」
「お久しぶりです。早速ですが冷増家について調べたことを話させて頂きたいと思います。」
「お願いします。」
「まず以前、冷増家には誰もいなくて連絡が取れないと以前お伝えしました。しかし前、父の冷増藩周がテレビに出てましたよね?それは凄くややこしい話になりますが …」
そう言い話し出した。
冷増 花暮の家は、2年前に両親が別居していて、ほぼ離婚と言っても過言ではありませんでした。母親は浮気をし他の男と新婚生活をしているようでした。別居は普通、父親の藩周の元で花暮が育つはずでしたが母親の方で勝手に引き取られてしまったそうです。そのまま、離婚すればいいのですが、娘の花暮が高校生活で苗字がいきなり変わってしまったらいじめとかにあってしまうのではと心配し、離婚を拒否していたそうです。
そう話した。
冷増家は、藩周と花暮、母親、新しい夫で別れて別居をしていたという事か。
浮気を藩周は、されたのか。
何故かそこが引っかかる。
花暮も俺と佳奈の恋愛を引き金に嫌がらせをしてきた。
恋愛ここに共通点がある。
あくまで推測だが、海志田さんに伝えた。
「もしかしたら、藩周は、同じ恋愛の悲しみを感じている花暮に共謀しているのでは?」
「確かに、花暮だけでは出来ないことが沢山ある。例え、同じ高校生が何人いるとしても考えられない事件の数々。これは、もっと調べる必要がある。だが...」
ここで今までどんどん出てきた言葉が止まる。
「居場所が分からないんだ。」
その時絶望した。
「今調べてい段階だが何も掴めていない。」
今はだ。大丈夫。きっとそう言い聞かせるしか無かった。
-------------------
「花暮、そろそろ行くか。」
「はい。お父さん。」
「起立」
「気をつけ」
「礼」
とお決まりの号令を耳にしその通りにする。
立つ意味が分からない。だいたいなんで先生に毎時間敬意を払わなければならないんだ。
やりたいことでは無い。この小さな高校で1学年1クラスずつでその1クラスに10人しかいない。その全校生徒30人だって嫌でも言われるがままにやる。その意味がわからなかった。そんなことを誰かに言ったら捻くれ者と言われるだろう。
でも、先生に脅されている訳でもないのに何故...
脅される?
佳奈と確信はないが早見も花暮から脅されいたようだ。
これは、俺の父さんとも同じだったりするんじゃないか?でも、父さんが花暮の言葉で怯えるはずがない。そんなことあったら花暮の父さんに言うはずだ。仕事上の立場が違えども、同じ仕事場で関わりもあったから言えるはずだ。
でもなんか他に...
そうだ。ニュースを見た時に海志田さんに冷増家を調べてもらうように連絡したんだった。やはり、色々と考えると花暮の父さんもなんか怪しい気がしてならない。
そう思っていたら、あっという間に一限の現代社会が終わっていた。ただ聞くだけの授業だったおかげで注意もされず、左隣で寝ている早見よりはマシだった。
「次なんの教科だっけ?」
俺が右隣に居る佳奈に聞く。
「数2だよ。ずっと、ぼーっとしてたけど大丈夫?あと3時間あるよ?」
そう心配に溢れた顔で顔を近づけて顔色を伺ってくる。
「あれ、あと3時間だっけ。」
「この学校は夏休み近くなると3日前から4時間授業なんだよ?」
そうか、それを忘れていた。
この学校は、夏休み前の3日間は4時間授業でお昼を食べずに帰宅するらしい。
それから俺はちゃんと授業を受けた。
3限目は、生物
4限目は、現代文
先生が黙々と物語を音読しているときだった。
「タキシードに着替え、自分の娘に決めポーズをする俺。46歳になるがカッコよすぎる。めちゃめちゃ決まっているぜ。12歳の娘ベイビーは皮肉そうな顔をしてるが気にしねぇ。ねぇパパ...」
プルルルル、!!
先生の音読の声しか聞こえない静かな教室に響き渡る俺のスマホの音。
スマホをちらっと見ると…
海志田さんからだった。
すぐに顔を上げ先生に言った。
「すみません。大事な電話なので出させていただきます。」
そうして、外に出る時、女の先生は何事?とあたふたしていた。
教室を出て、声が聞かれないようにとトイレに行く。電話マークを右にスライドして耳にスマホを当てる。
「はい、橋渡です。」
「お久しぶりです。早速ですが冷増家について調べたことを話させて頂きたいと思います。」
「お願いします。」
「まず以前、冷増家には誰もいなくて連絡が取れないと以前お伝えしました。しかし前、父の冷増藩周がテレビに出てましたよね?それは凄くややこしい話になりますが …」
そう言い話し出した。
冷増 花暮の家は、2年前に両親が別居していて、ほぼ離婚と言っても過言ではありませんでした。母親は浮気をし他の男と新婚生活をしているようでした。別居は普通、父親の藩周の元で花暮が育つはずでしたが母親の方で勝手に引き取られてしまったそうです。そのまま、離婚すればいいのですが、娘の花暮が高校生活で苗字がいきなり変わってしまったらいじめとかにあってしまうのではと心配し、離婚を拒否していたそうです。
そう話した。
冷増家は、藩周と花暮、母親、新しい夫で別れて別居をしていたという事か。
浮気を藩周は、されたのか。
何故かそこが引っかかる。
花暮も俺と佳奈の恋愛を引き金に嫌がらせをしてきた。
恋愛ここに共通点がある。
あくまで推測だが、海志田さんに伝えた。
「もしかしたら、藩周は、同じ恋愛の悲しみを感じている花暮に共謀しているのでは?」
「確かに、花暮だけでは出来ないことが沢山ある。例え、同じ高校生が何人いるとしても考えられない事件の数々。これは、もっと調べる必要がある。だが...」
ここで今までどんどん出てきた言葉が止まる。
「居場所が分からないんだ。」
その時絶望した。
「今調べてい段階だが何も掴めていない。」
今はだ。大丈夫。きっとそう言い聞かせるしか無かった。
-------------------
「花暮、そろそろ行くか。」
「はい。お父さん。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる