荒れ果てた僕の心

大黒鷲

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3章

今、闇の訪れを知る

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潮水ヶ原高校での初めての授業が始まった。普通ならワクワクするのだけれど、色んなことがありすぎて心が揺らいでるオレにとっては、うっと惜しくて無駄な時間としか思えなかった。

「起立」

「気をつけ」

「礼」

とお決まりの号令を耳にしその通りにする。
立つ意味が分からない。だいたいなんで先生に毎時間敬意を払わなければならないんだ。
やりたいことでは無い。この小さな高校で1学年1クラスずつでその1クラスに10人しかいない。その全校生徒30人だって嫌でも言われるがままにやる。その意味がわからなかった。そんなことを誰かに言ったら捻くれ者と言われるだろう。
でも、先生に脅されている訳でもないのに何故...


佳奈と確信はないが早見も花暮から脅されいたようだ。
これは、俺の父さんとも同じだったりするんじゃないか?でも、父さんが花暮の言葉で怯えるはずがない。そんなことあったら花暮の父さんに言うはずだ。仕事上の立場が違えども、同じ仕事場で関わりもあったから言えるはずだ。

でもなんか他に...
そうだ。ニュースを見た時に海志田さんに冷増家を調べてもらうように連絡したんだった。やはり、色々と考えると花暮の父さんもなんか怪しい気がしてならない。


そう思っていたら、あっという間に一限の現代社会が終わっていた。ただ聞くだけの授業だったおかげで注意もされず、左隣で寝ている早見よりはマシだった。

「次なんの教科だっけ?」
俺が右隣に居る佳奈に聞く。

「数2だよ。ずっと、ぼーっとしてたけど大丈夫?あと3時間あるよ?」
そう心配に溢れた顔で顔を近づけて顔色を伺ってくる。

「あれ、あと3時間だっけ。」

「この学校は夏休み近くなると3日前から4時間授業なんだよ?」

そうか、それを忘れていた。
この学校は、夏休み前の3日間は4時間授業でお昼を食べずに帰宅するらしい。

それから俺はちゃんと授業を受けた。
3限目は、生物
4限目は、現代文

先生が黙々と物語を音読しているときだった。
「タキシードに着替え、自分の娘に決めポーズをする俺。46歳になるがカッコよすぎる。めちゃめちゃ決まっているぜ。12歳の娘ベイビーは皮肉そうな顔をしてるが気にしねぇ。ねぇパパ...」

プルルルル、!!

先生の音読の声しか聞こえない静かな教室に響き渡る俺のスマホの音。
スマホをちらっと見ると…
さんからだった。
すぐに顔を上げ先生に言った。

「すみません。大事な電話なので出させていただきます。」
そうして、外に出る時、女の先生は何事?とあたふたしていた。


教室を出て、声が聞かれないようにとトイレに行く。電話マークを右にスライドして耳にスマホを当てる。

「はい、橋渡です。」

「お久しぶりです。早速ですが冷増家について調べたことを話させて頂きたいと思います。」

「お願いします。」

「まず以前、冷増家には誰もいなくて連絡が取れないと以前お伝えしました。しかし前、父の冷増藩周がテレビに出てましたよね?それは凄くややこしい話になりますが …」

そう言い話し出した。

冷増 花暮の家は、2年前に両親が別居していて、ほぼ離婚と言っても過言ではありませんでした。母親は浮気をし他の男と新婚生活をしているようでした。別居は普通、父親の藩周の元で花暮が育つはずでしたが母親の方で勝手に引き取られてしまったそうです。そのまま、離婚すればいいのですが、娘の花暮が高校生活で苗字がいきなり変わってしまったらいじめとかにあってしまうのではと心配し、離婚を拒否していたそうです。


そう話した。
冷増家は、藩周と花暮、母親、新しい夫で別れて別居をしていたという事か。
浮気を藩周は、されたのか。
何故かそこが引っかかる。
花暮も俺と佳奈の恋愛を引き金に嫌がらせをしてきた。

ここに共通点がある。

あくまで推測だが、海志田さんに伝えた。

「もしかしたら、藩周は、同じ恋愛の悲しみを感じている花暮に共謀しているのでは?」

「確かに、花暮だけでは出来ないことが沢山ある。例え、同じ高校生が何人いるとしても考えられない事件の数々。これは、もっと調べる必要がある。だが...」

ここで今までどんどん出てきた言葉が止まる。

「居場所が分からないんだ。」

その時絶望した。

「今調べてい段階だが何も掴めていない。」

はだ。大丈夫。きっとそう言い聞かせるしか無かった。




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「花暮、そろそろ行くか。」

「はい。お父さん。」
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