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第一幕

嘘。偽りないように狂わしい夜を。

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彼岸花が死んだ。



なぜだか分からない。
一瞬暗くなったからだ。

皆、返り血がついている。

「彼岸花が、、大変だよー。。」

みんな、絶望的に満ちた顔をする。


「おひょー、、誰がやったんだよ」

「わ、わたしでは、、ないです。」

「私も違うっ。」


皆否定する。当たり前だ。


すると。


bbbっ。ビービーーービビーーッッ。


目の前にあった仏像が照らされた。


「いらっしゃいませ。
どうぞ、悔いなきよう、楽しんでいってください。」


「.......。」
4人は言葉を失った。


「現在。この外には、出れません。」
この一言で、彼岸花が死んだのに加えさらなる苦しみを覚えた。
家族にも会えない。
この血生臭い部屋でずっといることになると思うと吐き気がした。

「そして、この中には、彼岸花を殺した人が居ます。どうぞ、探し出して、目の前の賽銭箱にお入れ下さい。

ただし、見つからなければ、全員強制でお納めします。どうぞ、よろしくお願いします。」


話の内容は、分かるが現実逃避したいような内容であった。賽銭箱に入れられるとどうなるのかも言っていない。
そんな、自分から入れる気もしない。

「それと、見つけ出したら、外に出られるようにします。
そして、世界を変えられる願いをひとつ叶えましょう。1人だけですがね。」


1人。
ここで分かったことがある。
そう。
生き残れるのは1人である。

どっちにしろ。
皆、賽銭箱行きか。1人だけ生き残るしか選択肢はなかった。


「怖いんだよー。」

「おひょー。死にたくない。」

「や、やだ。」

「こんなのっ。無理っ。」


「それでは、今夜の24:00までにお決め下さい。どうぞごゆっくり。」


「に、に、24:00まで?」

「後、4時間っ。」

「死ぬなんて嫌なんだよー。」

「おひょー。でも、死ぬとは限らない。」


「ってかさ。誰が殺したのか穿けばいいだけなんだよー。」

「で、でもさ。どちらにしろ。1人しか外出れないんだよ??」

黙った。しかし、彼女達はイライラしていた。
視野には、もう、彼岸花は入っていなかった。


「うぜぇっ。大体、あんたはどうなんだよ?ねぇ、桜。」

「私違うんだよー。」

「おひょー。そうだよ。だいたいそう言うあんたが怪しいんだよ。
なんで、自分は違う前提なの?どんだけ疑うの?」

「ま、まぁ。そんなにピリピリしないの。」

「そろそろ時間でございます。
お納めくださいませ。」


鳥肌が立った。
初めて、血の気が引いた。
その頃には、床には、彼岸花の血で浸っていた。

彼女達は、そんなのも気にせず討論している。

「桜でいいじゃんっ。」

「た、確かに。怪しい。」

「おひょー。そうだね。」

「なんでなんだよー。信じてよ。ねぇ。」


「お納めください。」

「ねぇ。なんでなんだよー。
理由ないんだよー。」

3人は、桜を抱えた。
そして、正面の賽銭箱まで無理やり引っ張った。

そして、入れて、蓋を閉じた。
悲鳴がする。
聞こえる。
聞きたくない。

色んな音がする。
生きていないだろう。

なんで。こうなるのだろうか。
友情とは、こんなに浅はかなものなのか。


「桜様。お納め感謝致します。」

「次は、1時間後にお願い致します。」

「.......。」
声が出なくなった。
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