事故から始まる物語

maruta

文字の大きさ
上 下
16 / 88

閑話 恋愛相談をされた先輩

しおりを挟む
 後輩に恋愛相談をされた。いつの間にかまた告白をされていたらしく、そっちの人の方が好きっぽかったから後押しした形になったが良かったのかなと思いながら飛鳥と帰宅していた。

「照?どうしたの?」

「ん?何が?」

「なんか、考えてるみたいだったから」

「あー、優希に恋愛相談された。」

「え?そうなの?舞ちゃんの事好きになったの?」

「いや、別の人に告白されてそっちの人の方が好き?みたいだったよ。」

「え!?そうなんだ!?誰なんだろうね?」

「さぁ?それで答えたのは良かったけど合ってたのか不安になってた。」

「なるほどね、照に恋愛は分かんないもんね。」

「うん、なんか気持ちの整理は出来たって言っとったから大丈夫やとは思うけど。」

「そっか、ならあとは優希ちゃん次第だね。」

「うん、そうやね。」

 そう話ながら歩いていると飛鳥の家に着いたため2人で家に入る。

「「ただいま~」」

「あら、2人ともおかえりなさい。」

 そう言って出迎えてくれたのは飛鳥のお母さんだった。両親に一人暮らしを反対されて私は今飛鳥の家で一緒に住んでいた。寝る準備をして自分の部屋のベッドで携帯を見ていると飛鳥が入ってきた。

「飛鳥、どうしたの?」

「今日、一緒に寝よ?」

「え?いいけど」

「家に照が居て、いつでも会えるのっていいね。」

「そう?でも、ごめんな。」

「何が?」

「うちの家族と飛鳥の家族に付き合ってるってバラす形になって、それで一緒に住もうって言ってくれてありがとう。」

「家族にはいずれ言いたいと思ってたから大丈夫!それに私は照が海外に行くの嫌だったから言うしかないと思って言ったんだよ!」

「そっか、ありがとう!」

「うん、照は大丈夫?1人の方がいいとか・・・」

「大丈夫、1人の時間も欲しい時はあるけど今日は一緒に寝るんでしょ?」

「うん!・・・ねぇ、照大好きだよ。」

「うん、ありがとう。」

 飛鳥とベッドに入り横になりながら話していたら途中で横から寝息が聞こえてきた。私は寝息のする方を向き呟いた。

「飛鳥、ごめんな、好きって言えなくて。」

 飛鳥を起こさないように小さい声で呟いた。私は横から聞こえる寝息を聞きながら私も意識を手放した。
しおりを挟む

処理中です...