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第1章
宰相
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「少年じゃねえよ! だから馴れ馴れしかったのか! 俺は『ヒトの少年』じゃなくて『ドワーフの長老』だ。頭が高え!」
「ハハーッ」
あっ、咄嗟に土下座をしてしまった。「頭が高い」なんて言うから反射的にこの体勢になってしまったじゃないか。
お辞儀じゃ最敬礼をしたとしても俺の方が頭が高いからね! あんまり下げると前屈になる。ふふ…笑っちゃダメだ。
「はぁ…お前、ドワーフを知らねえなんざ信じらんねえな。町に行けば必ず、山奥にすらひとりはいるってのに…どんな田舎から来たんだよ」
「あはは…」
ジトッとした視線を向けられて咄嗟に笑って誤魔化したら余計に怪しまれた。
しまった。さっきの質問が大丈夫だったから油断したな。これ以上変に誤魔化すよりも、ここはある程度正直に言ってしまった方がいいだろうか。
「俺、てっきりドワーフってもっと筋肉がムキムキでハンマーを担いでると思ってたんだよ。だから七尾…サンがドワーフだって気づかなかったんだ」
「そりゃドワーフじゃなくてドワーフ族だろ。あいつらはドワーフを名乗っちゃいるが俺らとは別モンだ。魔術と呪術くらい違うな」
「喩えがわからないよ…」
ドワーフ?ドワーフ族?何が違うの…
ところ変わって、ただいま自由人宰相さんの仕事部屋その2(正確には執務室というらしい)に向かい中。
仕事部屋その1ってどこなんだろう。
本来なら必要な煩雑な手続きなんかは、七尾サンがさっき呼ばれていったときについでにやってくれたらしい。ありがたや。
帰ってくるのが遅かったのはそのせいだったんだとか。「必要以上に手間取った」と言っていたけれど、一国の宰相さんに会うならいろいろと面倒なことがあるんだろう。
むしろ、この短時間に許可が出たことが驚きだ。エラい人ってもっと腰が重いと思ってたよ。
七尾サンのことについてもいろいろと聞いてみた。
子ども扱いするなとプンスカする姿はどうみても拗ねている小学生なのに、実際の年齢は人間でいうと700歳をとうに超えているらしい。「どういう計算なのか」とか「人間で700歳ってとっくに寿命迎えてるよね」とか、聞きたいことはたくさんあるけれど、とりあえずゼロふたつ多くない?
あまりにプンスカするので出来心でお爺ちゃん扱いをしてみたらちょっと嬉しそうだった。どうやら普段からよく子ども扱いされているらしくて、年長者(年長さんじゃなかったんだね!)として接してもらえるならお爺ちゃん扱いでもいいらしい。
あまりに不憫でこっそり目頭を押さえたのは七尾サンには内緒だ。
閑話休題。
とうとう俺を拾ったという宰相さんに会えるのかと思うとドキドキしてきた。マッチョかな?マッチョじゃないのかな?
「宰相さんってどんな人なのかなぁ。俺、拾ってもらったときは気絶してたみたいでさ、全然覚えてないんだ。マッチョだったりヒゲが生えてたりするのかな?」
すごく気になったので隣を歩く七尾サンに声をかけてみたら、「ヴィー様はなぁ…」と、遠い目になった。
哀愁漂ってるね。人のいない夕方の海辺を幻視するよ。
「見た目は筋肉質でもジジイでもなく普通なんだが性格がなぁ…。できれば関わらないのが一番なんだが…まあ、お前はもう無理だな。諦めろ」
「やめて! そんな憐れむような目でこっちをみないで! ものすごく不安になるから!」
「こちら側へようこそ。先輩として歓迎するぜ」
「いやだ。絶対ロクなことじゃないだろう! なあ! 目を逸らさないで!」
「着いたぞ。ここだ」
廊下でやいのやいのと言っているうちに目的地に到着していた。
タイミングからみて話をぶった切られた気がするけど気のせいかな。気のせいだよな。
ここまで来る間、誰一人として廊下ですれ違わなかった。誰もいないのか? 石壁だからか広いからか、人の気配が全く感じられない。まさかこの広い城に数人しかいないなんてことはないと思うんだけど。
宰相さんの部屋のドアは俺のいた部屋のドアの比ではないくらい装飾が豪華だ。隣近所の部屋のドアとも違うから、いかにも「特別です」といった趣だ。迷路の奥で見た門みたい。
口を開けたままぼんやりとデカいドアを眺めていたら、七尾サンに脇に押し退けられた。荒いなぁ。
コンコン
「入るぜ」
「ちょ、ちょっと、勝手に入っていいの? し、失礼しまーす…」
七尾サンが返事を聞かずに入っていってしまった。恐る恐る着いていくと、部屋の中には宰相さんらしき人影はなく、その景色は廊下のものと全く違っていた。
最奥にある窓以外の壁には天井まで達する本棚が設置されている。窓の上と下の壁にも本棚だ。本棚に開いている穴から窓が見えている状態なのか。絶対織田メイドじゃないか。
全ての本棚は大小様々、統一感のない本で埋まっている。
壁以外にも広い室内には本の詰まった本棚が背中合わせでたくさんあり、さながら図書館のような様相を呈していた。
「うわぁ…」
「相変わらず足の踏み場もねぇな」
床にまで溢れかえっている本のせいで飴色の木の床がほとんど見えなくなっている。
足場の確保のために本を四苦八苦しながら移動させている俺を尻目に、七尾サンが「よっと」と言いながら小さな足を活かして本と本の隙間をヒョコヒョコ歩いていく。
急いでついていこうと焦ったところで本を崩してしまった。
雪崩れる本で自然の脅威をダイナマイトに表すなんちゃってゲイジュツとして現場保存しちゃダメかな。駄目だよな。知ってた。
わたわたと本を積みなおしている間に、七尾サンは窓の近くにある一際大きな本の山の向こうに行ってしまった。もしかしてあれは執務机という物なのか。
「やっぱり! またかあの野郎!」
執務机(暫定)の裏から青筋をたてて出てくると、手に握ってぐしゃぐしゃになった紙を床、の上の本に叩きつけた。
動きは激しいのに手紙が軽いからパサッと軽い音が出ただけだった。
「どうしたの? 宰相さんは?」
「あの野郎、脱走しやがった…! 机の上に置き手紙だけ残して本人はドロンだ! なにが『バルぽんへ☆』だ。仕事どうすんだ!」
「うがー!」と叫びながら地団駄を踏んでいる姿はまるでおもちゃ屋の前の子どもだ。
やっぱりあれは執務机だったのか。
「これがその手紙なの? あれ?」
本の上に放置されている手紙の皺を伸ばしたら、見えていた封筒の後ろにもう1つ封筒があった。
2通を見比べると表書きが違っていた。片方には「バルぽんへ☆」もう片方には「あっきーへ☆」と書かれている。なるほどこれを見たのか。
バルぽんは七尾サンのことだろう。巴嬢達も「バルちゃん」と呼んでいたからな。
愛称が「バル」なのは酒場と関係があったりするのかな。ドワーフだから酒好きだったりするのだろうか。それとも酒好きはドワーフ族なのか。聞いたら藪蛇になりそうだから放置しようそうしよう。
「こっちの『あっきー』ってのは誰だろう。七尾サンは知ってる?」
「はぁ、はぁ……ああん? 『あっきー』か…いや、知らねえな。少なくともこの城に常駐してるやつにゃいねえよ」
息切れするほど叫んだおかげで、もうスッキリした様子の七尾サン。切り替え早いね。尊敬します。
「んなことより俺はすることがあるからな。…未処理の山が丸まま残ってんじゃねえか。いやなに、こんなんいつも通りだ。いつも通り……ははっ」
諦めの境地だったようだ。
独り言からの空笑いが広い部屋に虚しく響く。七尾サンの苦労人臭の原因が垣間見えた瞬間だった。
「じゃあこっちの手紙は宰相さんの机に戻しておこうか」
「ん? 手紙ぁお前の分じゃねえのか。ヴィー様、よく適当なアダ名をつけやがるからまたぞろ勝手につけたんだろうよ。『あっきー』ならまだマシな方なんじゃねえか?」
なんで「あっきー」なんだろう? パッとみたら愛称名前をもじった愛称っぽいよな。宰相さんは俺の名前を知らないはずだから、名前由来じゃないのは確かだけど…。
バルぽん以外のアダ名ってどんなのなのかな。
「むむ。じゃあ、これは俺宛かな。開けて呼んじゃうよ?」
「勝手にしろ。ほら、行った行った」
「えっ、うわあっ。ちょっと、俺ひとりにされたら迷子になるんだけど! ねえ! ぐえっ、へぶっ」
追い出されそうになって抵抗したものの、背中に跳び蹴りを食らってまろび出ましたまる。ほんと容赦ないよね。
「為せば成るさ」
「ならないよ! あああー…」
無情にも目の前でドアが閉まった。
閉まる直前に「断捨離だァ…」と言うゲス顔を見た気がするけど気のせいだよね。
「ハハーッ」
あっ、咄嗟に土下座をしてしまった。「頭が高い」なんて言うから反射的にこの体勢になってしまったじゃないか。
お辞儀じゃ最敬礼をしたとしても俺の方が頭が高いからね! あんまり下げると前屈になる。ふふ…笑っちゃダメだ。
「はぁ…お前、ドワーフを知らねえなんざ信じらんねえな。町に行けば必ず、山奥にすらひとりはいるってのに…どんな田舎から来たんだよ」
「あはは…」
ジトッとした視線を向けられて咄嗟に笑って誤魔化したら余計に怪しまれた。
しまった。さっきの質問が大丈夫だったから油断したな。これ以上変に誤魔化すよりも、ここはある程度正直に言ってしまった方がいいだろうか。
「俺、てっきりドワーフってもっと筋肉がムキムキでハンマーを担いでると思ってたんだよ。だから七尾…サンがドワーフだって気づかなかったんだ」
「そりゃドワーフじゃなくてドワーフ族だろ。あいつらはドワーフを名乗っちゃいるが俺らとは別モンだ。魔術と呪術くらい違うな」
「喩えがわからないよ…」
ドワーフ?ドワーフ族?何が違うの…
ところ変わって、ただいま自由人宰相さんの仕事部屋その2(正確には執務室というらしい)に向かい中。
仕事部屋その1ってどこなんだろう。
本来なら必要な煩雑な手続きなんかは、七尾サンがさっき呼ばれていったときについでにやってくれたらしい。ありがたや。
帰ってくるのが遅かったのはそのせいだったんだとか。「必要以上に手間取った」と言っていたけれど、一国の宰相さんに会うならいろいろと面倒なことがあるんだろう。
むしろ、この短時間に許可が出たことが驚きだ。エラい人ってもっと腰が重いと思ってたよ。
七尾サンのことについてもいろいろと聞いてみた。
子ども扱いするなとプンスカする姿はどうみても拗ねている小学生なのに、実際の年齢は人間でいうと700歳をとうに超えているらしい。「どういう計算なのか」とか「人間で700歳ってとっくに寿命迎えてるよね」とか、聞きたいことはたくさんあるけれど、とりあえずゼロふたつ多くない?
あまりにプンスカするので出来心でお爺ちゃん扱いをしてみたらちょっと嬉しそうだった。どうやら普段からよく子ども扱いされているらしくて、年長者(年長さんじゃなかったんだね!)として接してもらえるならお爺ちゃん扱いでもいいらしい。
あまりに不憫でこっそり目頭を押さえたのは七尾サンには内緒だ。
閑話休題。
とうとう俺を拾ったという宰相さんに会えるのかと思うとドキドキしてきた。マッチョかな?マッチョじゃないのかな?
「宰相さんってどんな人なのかなぁ。俺、拾ってもらったときは気絶してたみたいでさ、全然覚えてないんだ。マッチョだったりヒゲが生えてたりするのかな?」
すごく気になったので隣を歩く七尾サンに声をかけてみたら、「ヴィー様はなぁ…」と、遠い目になった。
哀愁漂ってるね。人のいない夕方の海辺を幻視するよ。
「見た目は筋肉質でもジジイでもなく普通なんだが性格がなぁ…。できれば関わらないのが一番なんだが…まあ、お前はもう無理だな。諦めろ」
「やめて! そんな憐れむような目でこっちをみないで! ものすごく不安になるから!」
「こちら側へようこそ。先輩として歓迎するぜ」
「いやだ。絶対ロクなことじゃないだろう! なあ! 目を逸らさないで!」
「着いたぞ。ここだ」
廊下でやいのやいのと言っているうちに目的地に到着していた。
タイミングからみて話をぶった切られた気がするけど気のせいかな。気のせいだよな。
ここまで来る間、誰一人として廊下ですれ違わなかった。誰もいないのか? 石壁だからか広いからか、人の気配が全く感じられない。まさかこの広い城に数人しかいないなんてことはないと思うんだけど。
宰相さんの部屋のドアは俺のいた部屋のドアの比ではないくらい装飾が豪華だ。隣近所の部屋のドアとも違うから、いかにも「特別です」といった趣だ。迷路の奥で見た門みたい。
口を開けたままぼんやりとデカいドアを眺めていたら、七尾サンに脇に押し退けられた。荒いなぁ。
コンコン
「入るぜ」
「ちょ、ちょっと、勝手に入っていいの? し、失礼しまーす…」
七尾サンが返事を聞かずに入っていってしまった。恐る恐る着いていくと、部屋の中には宰相さんらしき人影はなく、その景色は廊下のものと全く違っていた。
最奥にある窓以外の壁には天井まで達する本棚が設置されている。窓の上と下の壁にも本棚だ。本棚に開いている穴から窓が見えている状態なのか。絶対織田メイドじゃないか。
全ての本棚は大小様々、統一感のない本で埋まっている。
壁以外にも広い室内には本の詰まった本棚が背中合わせでたくさんあり、さながら図書館のような様相を呈していた。
「うわぁ…」
「相変わらず足の踏み場もねぇな」
床にまで溢れかえっている本のせいで飴色の木の床がほとんど見えなくなっている。
足場の確保のために本を四苦八苦しながら移動させている俺を尻目に、七尾サンが「よっと」と言いながら小さな足を活かして本と本の隙間をヒョコヒョコ歩いていく。
急いでついていこうと焦ったところで本を崩してしまった。
雪崩れる本で自然の脅威をダイナマイトに表すなんちゃってゲイジュツとして現場保存しちゃダメかな。駄目だよな。知ってた。
わたわたと本を積みなおしている間に、七尾サンは窓の近くにある一際大きな本の山の向こうに行ってしまった。もしかしてあれは執務机という物なのか。
「やっぱり! またかあの野郎!」
執務机(暫定)の裏から青筋をたてて出てくると、手に握ってぐしゃぐしゃになった紙を床、の上の本に叩きつけた。
動きは激しいのに手紙が軽いからパサッと軽い音が出ただけだった。
「どうしたの? 宰相さんは?」
「あの野郎、脱走しやがった…! 机の上に置き手紙だけ残して本人はドロンだ! なにが『バルぽんへ☆』だ。仕事どうすんだ!」
「うがー!」と叫びながら地団駄を踏んでいる姿はまるでおもちゃ屋の前の子どもだ。
やっぱりあれは執務机だったのか。
「これがその手紙なの? あれ?」
本の上に放置されている手紙の皺を伸ばしたら、見えていた封筒の後ろにもう1つ封筒があった。
2通を見比べると表書きが違っていた。片方には「バルぽんへ☆」もう片方には「あっきーへ☆」と書かれている。なるほどこれを見たのか。
バルぽんは七尾サンのことだろう。巴嬢達も「バルちゃん」と呼んでいたからな。
愛称が「バル」なのは酒場と関係があったりするのかな。ドワーフだから酒好きだったりするのだろうか。それとも酒好きはドワーフ族なのか。聞いたら藪蛇になりそうだから放置しようそうしよう。
「こっちの『あっきー』ってのは誰だろう。七尾サンは知ってる?」
「はぁ、はぁ……ああん? 『あっきー』か…いや、知らねえな。少なくともこの城に常駐してるやつにゃいねえよ」
息切れするほど叫んだおかげで、もうスッキリした様子の七尾サン。切り替え早いね。尊敬します。
「んなことより俺はすることがあるからな。…未処理の山が丸まま残ってんじゃねえか。いやなに、こんなんいつも通りだ。いつも通り……ははっ」
諦めの境地だったようだ。
独り言からの空笑いが広い部屋に虚しく響く。七尾サンの苦労人臭の原因が垣間見えた瞬間だった。
「じゃあこっちの手紙は宰相さんの机に戻しておこうか」
「ん? 手紙ぁお前の分じゃねえのか。ヴィー様、よく適当なアダ名をつけやがるからまたぞろ勝手につけたんだろうよ。『あっきー』ならまだマシな方なんじゃねえか?」
なんで「あっきー」なんだろう? パッとみたら愛称名前をもじった愛称っぽいよな。宰相さんは俺の名前を知らないはずだから、名前由来じゃないのは確かだけど…。
バルぽん以外のアダ名ってどんなのなのかな。
「むむ。じゃあ、これは俺宛かな。開けて呼んじゃうよ?」
「勝手にしろ。ほら、行った行った」
「えっ、うわあっ。ちょっと、俺ひとりにされたら迷子になるんだけど! ねえ! ぐえっ、へぶっ」
追い出されそうになって抵抗したものの、背中に跳び蹴りを食らってまろび出ましたまる。ほんと容赦ないよね。
「為せば成るさ」
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