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本編 幼少期
92
ルーカスとモニカは、屋台で食事をとった後、夕食の食材を買い馬車に戻って来た。
「ここからはジュードとラシャドが馬車を引くの」
「小さい村がいくつかあるからそれを越えると森に入るよ」
「ああ」
それから村を2つ越えて森に入り、数刻進むと馬車が止まった。
「テオ様、日も傾いて来ているので今日はここで野営をします」
「ラシャドと焚き火用の薪を拾ってくるから少し待っててくれ」
ジュードとラシャドが扉を開けて言うと、そのまま薪を拾いに行った。
「ノエル、リンダ、食事の用意を手伝ってくれ」
「分かった」
「ええ」
「モニカ、見える辺りに馬を繋いでこい」
「承知致しました」
ルーカス達が馬車を降りると、モニカは馬を繋ぎ止めに行った。
ルーカス達は少し開けた所で食事の準備に取り掛かる。
ルーカスは亜空間から買ってきた食材と調理器具や食器を出した。
「凄い。噂で聞いてたけど、本当に封印の魔法で収納しているんだ」
イヴァンが封印の魔法に関心を示していると、直ぐにモニカが戻って来た。
「まず水で手を洗え、その後モニカとリンダで手分けして野菜を切ってくれ。ノエルは肉を切ってくれ」
「畏まりました」
「分かったわ」
3人は魔法で水を出し、手を洗って作業を始めた。
ルーカスも手を洗った後、大きめの鍋に水を出す。
「ただいま戻りました」
「何処で薪を焚くんだ?」
「ここだ」
ジュード達が薪拾いから戻ってきた。ジュードが薪を組んで置き、火の魔法で薪を焚いた。その上に、ルーカスが鍋を置いてお湯を沸かす。
「野菜と肉を切れたら鍋の中に入れてくれ」
「承知致しました」
ジュード達も手伝い、夕食の準備を続けていく。
「出来たな。食べるぞ」
ルーカスとモニカが全員分のスープとサラダ、パンをお皿に配膳していった。
「何してるんだ? 早く座れ」
「……俺達も食っていいのか?」
ジュード達は、当たり前のように自分達の分まで配膳していくルーカス達に驚いた様子だ。
冒険者に護衛を頼む貴族は基本、たいした能力が無いくせにプライドが高い下級貴族達が殆どだ。ジュード達が相手をしてきた者達も平民を奴隷の様に扱う、そういう貴族しかいなかった。
「当たり前だ。そなたらが作ったものだろ」
一方ルーカスは、この世界に来てからは皇族や常識のある上位貴族達としか関わってこなかった為、そういった振る舞いをする者達がいる事を知らない。
その為、ルーカスは何故そんな事を聞いてくるのか分からないと言った様子で言った。
「ルーカス殿下は、貴女方が知っている貴族とは違います。なので変に構える必要はありません。無礼を働けば私が見逃しませんが」
「あ、ああ、そうみたいだ。肝に銘じておく」
ジュード達が座り、食事を始めた。
そうだ、リンダに宿の事を聞かないと。
「リンダ、トリー村に宿を取ってるんだが、3部屋しか取っていない。モニカと同室で構わないか? 他の3人はもう1つの部屋で同室になるんだが」
「えっ、俺達の分まで宿を取ってくれたの?」
「ありがとうございます」
「私は良いけれど、レノ様は私と同室でいいの?」
「勿論です。仲間とはいえ、女性が殿方と同室は良くありませんので」
「ならば決まりだな。ジュード、私は馬の所へ行ってくる。食事を終えたら川へ案内してくれ。モニカ達は片付けを頼む」
「畏まりました」
「それは良いんだが、もう食べないのか?」
「ああ。もう満腹だ」
そう言うとルーカスは2頭の馬の所へ食事をさせに行く。少し経つと、ジュードがやってきた。2人は馬を連れて川まで行く。
「水を飲ませたり、食事をさせたりなんか俺達に言えば良いのに」
「ん? だから手伝ってもらってるだろ?」
ジュードの言う、言えば良いは命令しろという意味だったが、ルーカスは手伝いという意味にとらえた。その事にジュードはルーカスは変わった貴族だと思った。
「それに水浴びもしたかったから丁度いい」
「なら、レノ様を呼んでくる」
「いや、私は湯浴みも1人でしている」
「そうなのか? じゃあ俺が馬を繋いでから見張りをする」
「ああ。少し離れた位置で待っててくれ」
ジュードは少し離れた所で馬を繋いで見張りをする。
ルーカスは髪のリボンを解き、服を脱いで上下肌着の状態になる。そして、川に入って水浴びをする。
肌着を着ているから、近付かれても傷は見えないよね。彼等は父様に信用されるに値する人達だし、今日会ってみて僕も信用できそうだと思ったから、素のままで話しても良いかもしれないな。
お茶会には何度か参加するから、次回からも護衛を頼みたいし、受けてくれるようなら、ざっくりと計画の事も話そうかな。
ルーカスは※一盞茶程水浴びをして、川からあがる。
あっ、タオルを忘れてしまった。
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※一盞茶…約15分程
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初めての投稿です。
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※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。