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本編 学園中等部編
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しおりを挟む「エイル、大丈夫かしら?」
「治療して貰ったから問題ない。ルーカス殿下、余りお気になさらないで下さい」
「エイルの言う通りです、殿下。剣を扱っているのです。事故があるのは珍しいことではございません」
「そうですよ、ルーカス殿下。それに焦って攻撃したエイルのせいでもあるのよ?」
「ああ。凄く反省している」
アレイル達はルーカスを気遣う様な表情でそう言う。
しかし、ルーカスの表情は暗いまま変わらない。
「本当にごめんね、エイル」
あれはないよ。エイルの事を殺そうとするなんて……。
ルーカスが素の口調で言った為、アレイル達は少しだけ焦った。お昼休憩に出たとは言え、観客席にはまだ疎らに人がいる。
「ルーク、いくらノアちゃん達がでかいからって、結界は張らなければ皆に見えちゃうよ?」
ウィル兄さん……。
ウィリアムが4人の元にやって来て、そう言いながら結界を張った。
ウィリアムだけでなく、エドワードとソフィア、それから3人の側近達。アシェル、エルヴィス、ヨハン、クロエも一緒のようだ。
アシェルとエルヴィスはルーカスの口調に静かに驚いた表情になる。
結界が張られると、ソフィアがルーカスを抱きしめる。
「ルー、アレイルは大丈夫よ。顔色も悪くないもの。私は貴方の方が心配よ」
「けれど……」
「まったく。アレイル達も側近でしたら、ルーの事を抱きしめて慰める位してください!」
ソフィアがアレイルの方を向いて、少し怒ったようにそう言うと、アレイル達はどうすれば良いのか悩んだ。
「本当に君達3人はルークに対して凄く礼儀を重んじるね。どうせ今もルークを抱きしめるなんて失礼だ。なんて思っているのでしょう?」
どうやら3人はウィリアムに図星をつかれたようだ。
「もう……。じゃあルーからアレイルに抱きついておいで」
そう言ってソフィアはルーカスをアレイルの方に押し出した。ルーカスは一瞬困惑したが、ゆっくりとアレイルの方に歩いて行く。
そしてアレイルの前に来ると立ち止まって両手を広げた。
アレイルは少し不思議に思った。するとルーカスは両腕を広げながら言う。
「エイル、屈んで……?」
「は、はい」
アレイルは慌ててかがみ込む。そしてルーカスはアレイルの首に腕を回してぎゅっと抱きついた。
「ごめんね、エイル。君を慰めないといけないのに、僕が慰められている……」
「いえ、私は本当に大丈夫ですよ。傷も治して頂きましたので」
アレイルはそう言ってルーカスに抱きつき返した。
その傍ら、ルーカス達の後ろではカオスが生まれている。
「見ましたか、お兄様? 両手を広げて屈んでって!」
「うちの子はほんとに可愛いね。可愛さの余り胸が苦しくなったよ」
ソフィアとウィリアムが興奮して話している。その後ろでは、状況を飲み込めないアシェルとエルヴィスが困惑顔だ。
「あいつらいるけど良いのかよ?」
ラルフがアシェルとエルヴィスの前でルーカスが素を出していることを心配し、エドワードに尋ねる。
アシェルとエルヴィスも自分達のことを言っていることに気付いた様だ。エドワードの方に耳を傾けた。
「構わない。いざとなれば……」
エドワードの真顔の言葉に一瞬の沈黙が流れる。
「……いや、怖えーよ!!」
「絶対に口外致しません!!」
「私もです!」
アシェルとエルヴィスは慌てて誓った。
するとエドワード達の所にリヴァイがやって来た。
「エドワード様、皆で昼食を取られるのでしたら、食事を買って参ります」
「そうだな。控え室を使わせてもらおう。アドルフ、お前も着いていけ」
「ああ」
2人だけではこの人数分を持てないため、ヨハンやクロエ、エルヴィス達も手伝う事になった。
「ノアちゃん、さては逃げる気だな~?」
メーリンの言葉にアシェルやエルヴィス達は不思議そうにする。しかしリヴァイやエドワードはメーリンの言いたいことが分かったようだ。
リヴァイは黙り込んだ。
「図星か」
「ノアちゃんも混ざって来ればいいのに~。それとも、自分が混ざってもエイルがルーちゃんと抱き合っているのは見たくないのか~?」
メーリンはリヴァイをからかう様にそう言った。するとリヴァイは不機嫌さを隠そうとせずに言う。
「……嫉妬はするが空気は読む」
「ふっ、ならば私はルーカスの頭でも撫でてくるとしよう」
「エドワード様……。お好きにして下さい」
エドワードのからかいにリヴァイはそう言って食事を買いに行く。その後をアドルフ達が追いかけていく。
「家族にまで嫉妬するのかよ」
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