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第4章 学園卒業しました!同時に結婚しました

絶対に帰るんだから!

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  魔道具テントの件は、帝国が我が国から買う方針で落ち着いたんだけど……

  さすがに、帝国に着いて早くも3ヶ月が経った。

  その間にも、王都周辺のダンジョン5つを周り終わった。

  けど、まだ勇者は見付かっていない。

  勇者の剣の護衛は、とうに帝国に移っていて手が離れている。

  これ以上、ヴィルジーク様と騎士様達は留めおけないところまで来ている。

  だけど、帝国は、自由な冒険者である自分を留め置きたい様で……

  依頼を出そうとしてる。

  これでも譲歩してきたと思ってるので……

  「ヴィルジーク様、一旦、帰国すると伝えてください。自分は別ルートで帰ります」

  そう言えば、血相を変えたけど、帝国の時間稼ぎにはヴィルジーク様と騎士様達も、苛立ち始めてる。

  「さすがに、ソルにヴィルジーク様は乗れないでしょ」

  自分はブレンダに乗って、移動は出来るし、転移も可能なんだもん。

  それこそ、ヴィルジーク様1人なら、転移出来る最大距離のアゼリア王国に飛ぶけど……

  不服だって顔で唸るヴィルジーク様だったけど、さすがに報告なしで、帝国を離れる事は出来ないのはわかってる。

  「確かに、全員一緒に帰途につかなくても良いだろ」

  目が座ったヴィルジーク様、鼻息荒く言い切った。

  「とりあえず、ライラ、依頼は受けないんだな?」

  再度確認されたので、頷いた。

  「自由な冒険者ですから」

  そう言えば、「分かった」と了解してくれた。

  「準備は出来ているので、明日、伝える」

  動き始めるとなると、迅速だなと思いながら、頷いた。


  「フォーセルダ経由で帰国します」

  ヴィルジーク様と騎士様達にだけ告げて……

  自分だけで、帝都に買い物に出掛けた。

  ヴィルジーク様達が、アゼリア王国に抜けるまで、時間稼ぎをするつもりでいる。

  合流するのでは?と懸念され、見送ると称し、帝国の騎士がアゼリア王国との際まで着いて来るのも、予想してる。

  色々と見て回った後、ホテルには戻らなかった。

  だって、ヴィルジーク様達が、王宮からそのまま出立して行くのを、買い物途中で見送ったから。

  それに、買い物で出る時に、荷物は残してないから。

  ただ、帝国の影の者の気配があるんだよねえ。

  という事で……

  先日、帝都の北西にある上級ダンジョンの間引きで行ったので、西門の外のマーカーはOK!

  帝国の諜報部隊との鬼ごっこ開始!

  転移が使えるのか、魔力マーカーを覚えて追い掛けて来れるのか、試させて貰おうじゃないの!

  ちなみに、自分に付いてる影は今は1つ。

  ヴィルジーク様達の魔力も覚えてるから、アゼリア王国に入ったら、離脱するつもり。

  索敵魔法でじゃなく、マーカーの方なので、距離は関係ないの。

  で、先日入った上級ダンジョンに、ソロで潜るの!

  レイトル達の鬱憤がかなり溜まってるんでね。

  帝国に色々と知れると不味いので、全力で狩りをさせてないんでね。



  自分とヴィルジーク様達と向かう方向が反対だったとしても、動き出したからだろうねえ。

  影が1つから3つになった。
  
  ヴィルジーク様達に、最悪の場合、捕らえる為か、付いてる騎士、丸々一個隊いる。

  約20名ね。

  そんな人数を連れてるから、まず4日じゃ無理。

  ヴィルジーク様達が急ぎたくても1週間かなあ?

  自分は今、先日来た上級ダンジョンの前。

  「ヴィブラビの羽根」って名が付いてるダンジョンNo81のフィールド系で、意外と浅い18階層。

  羽根というだけあって、断崖絶壁が多く見受けられ、飛行型の魔物が多かった。

  ただ、是非とも採集したかった物がたくさんあって……

  間引き優先だった為、悔しく思ってたので、来ました!

  少し私情が入ってるけど、自由な冒険者なんだから、良いのよ!

  自分がダンジョンの中に入って、影も付いてきたけど、人数が1人減って2人に。

  きっと報告に行ったんだろうね。

  その間にも、自分はブレンダに乗って、入って直ぐにある踊り場の崖を飛び降りた。

  先日来た時は、崖に張り付いた様な道を、慎重に歩いて行ったんだ。

  凄く面倒だった。

  足を滑らせたら、落下する様な道なんだよ!

  まあ、自分は浮遊魔法も使えるから大丈夫だけど……

  その崖に張り付く様に生えてた虹色の花は、超レア物!

  エリクサーに必須の虹花!

  他にも、色々と最上級の薬に使うの!

  断崖絶壁の環境だけに、谷からの霧と太陽光の角度で、頻繁に虹が出てる様で……

  外の環境であれば、虹が消えると消える虹花が、ここでは消えない様でね。

  採集しに行くのを必死に我慢したんだから!


  影が必死に追い掛けてる中、崖に張り付いて虹花を採集し終えれば、次の花に飛ぶを繰り返した。

  だって、虹が現れる崖に咲くんだから、太陽の角度が変わる度に、左に右に飛ぶ。

  途中で現れるハーピーは、ソルが退治。

  ちなみに、2階層には行かないよ!

  影は、行くだろうと思ったのか、待ってる様だけど。

  この虹花が目当てなんだから!

  それに、2階層、ロック鳥で、先日いっぱい狩ったから、要らないし……

  採集も、イベルダやブレンダ達夫婦を好きにさせたので、崖に生ってた蔓状のアケビぽく見えた紫色の楕円形の実をたくさん取ってきてた。

  大きさもラグビーボールと同じくらいだった。

  ただ、鑑定してビックリしたのが、メロンだとー!?

  あ、そうそう、このメロン採集の際に、イベルダ念願のお嫁さんを見付けたんだよ!

  でも、ヴァインタミアじゃないんだけどねえ。

  ヴァインタミアよりも戦闘的なラリックタミアで、白い毛の先が銀色です。

  そのお嫁さんの名は「ミュル」

  召喚獣の小屋の中に生ってる果物に夢中で、イベルダ念願のお嫁さんなのに、スルーされてる。

  それで3階層も、霧の多い崖のフィールドだったので、そこまでにして帝都に帰還したので、4階層より下には行ってないんだ。

  そう、2階層に行かずとも、4階層には行けるんですよ。


  虹花を採集するのも、日が傾き暮れてきたので、止めて、4階層の踊り場に転移。

  影が1つ消え、1つが2階層に降りて来てるのを感じながら、4階層に踏み入れた。

  ら……

  また断崖絶壁なんだけど、雲海が広がる中に、浮島?それとも山の頂上?

  中国の雲南省ぽい風景の階層だった。

  霊薬草が生えていそうだけど、その前に、日が暮れて来てるから、小屋を。と思った事で……

  ブレンダに乗って、雲の様な霧に覆われつつある島の1つに飛んだ。

  影だから、魔力探査で見付けられはするだろうけど、来れないでしょ。ふふ。

  小屋を出して、ブレンダとソルを中に入れた。

  結界と目眩しを掛けてから、自分も中に入った。

  んだけど……

  中に入ったら、超不機嫌なレイトルが居たんだけどね。

  一応、先日の上級ダンジョンだとは言ったんだよ!

  レイトル、何度か足を滑らせかけた苦手ダンジョンだけに。


  ちなみに、召喚獣の小屋、亜空間なだけに、魔力は微かにしか感じられ無いんだよ~。
  



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