獣人世界へ、ようこそ?

ふにゃー

文字の大きさ
4 / 48

3

しおりを挟む



  女将さんのマディさんに、手厚く世話されたからか、目覚めて4日後には歩き回れるくらいになった。

  倒れてた自分を介抱してくれたお礼をしたいと言えば……

  「嫌だよ~、そのくらいは当然じゃないか」と言われはしたが……

  さすがに、あ、そうですかで済むわけにはいかないし、お金をっていうのは、今の状況の自分には出しづらい。

  婆ちゃんの薬屋を引き継いでたから、お金無い訳じゃないけど……

  今後を考えたらって事で、店の手伝いをする事にした。

  だって、女将さんの店「熊の隠れ家」って、従業員が居ないのに、隠れ家っていうだけあって、とっても美味しかったの!

  ラノベである様に、調味料は塩が基本ではあるけど、香草が使われているし、パンも天然酵母で作ってた。

  そう、アッチのラノベの記憶があって、結構、参考になってる。

  ただ、生サラダというのは、有り得ないそうだ。

  ドレッシングやマヨネーズで、チートと思ってたのに……

  何が掛かってるか、どういう状態で育ったか分からない野菜は、火を必ず入れないと、お腹を壊すのが必至みたい。

  虫の卵がついてたり、獣の排泄物が入った水で水やりされてる場合もあるので……

  だから、水も、魔道具の蛇口から出るのは大丈夫だけど、井戸からや川の水は、飲料にしてはいけないもよう……

  そう言われれば、婆ちゃんのところでも、そんな事を言われた様な覚えが……

  あー、それで畑に野菜があったのか。

  それに、そういう状況になって駆け込んで来る人への薬、作ってた気がする。

  同じ意味で、卵はコッコの養鶏がされてる様だけど、生はダメ。と知られてる。

  確かに、卵の殻に菌が付着してる場合があるから、光による除菌をして売られてたっていう記憶があるので分からない訳ではないけど……

  何で知ってるんだろ?  ここの人。

  なので、煮る焼くに関しては、試行錯誤がされてるみたい。

  乳や肉の加工品、チーズやバター、ベーコンにソーセージは存在してるので、産業革命以前のヨーロッパって感じの料理だね。

  だからか、意外と繁盛していたので、手伝う事にしたって訳。

  それが1番のお礼になりそうだったから。

  「薬師様だっていうのに、悪いねえ」とは言ってたけど……

  本当に困ってた様だったので、断られなかった。

  というのも、自分としても、薬屋を開くのであれば、店探しとか色々と用意しなくてはいけない事もあったから……

  その間、宿を取ってたら、ただでさえ多くないお金が減っていっちゃうので、win-winの関係って事で。

  まあ、働き出す前に……

  この町に移って来たと登録するとかの手続きが待ってたんだけど。



  持ってたギルドのタグは、冒険者、商業、薬師3つを兼ねるものだったので、歩き回る事に。

  この町「トワイゾ」は、フライハイト魔法大国の中では辺境にあたる。

  生まれたエスペラント王国とは友好国だったので、国境に緊迫した雰囲気はなかったけど、今後、どうなるかは分からない。

  といっても、フェラージ帝国と戦端が開かれてるリナペッタ辺りから、魔法大国との国境まではかなり離れてはいるようだけど……

  きっと、エスペラント王国は援軍を魔法大国に要請していない筈がない。

  そんな間柄だから、この町はかなり発展して大きい様で……

  覚えてなかったけど、10m強の城壁に囲まれていて、自分、ギルドタグで潜ってたみたいだった。

  まあ、薬師のギルドは出張所ではあったけど。

  商業、薬師どちらのギルドでも、回復薬ポーションの在庫はないか?と聞かれたので、あるだけ全部売り払った。

  置いておいても、栓して封蝋してあって魔法袋に入れていても、劣化して行くので。

  その売却益があっても、店を探し開いてとなれば、回復薬ポーションは高いので雀の涙ほどとは言わないけど、足りない。

  ちなみに、雀は居ないよ。

  代わりじゃないけど、朝から煩いまでに鳴いてるのが居る。

  頭が黒く、頬の辺りが黄色い、ボディは灰色で尾と羽根の先がが白い。

  可愛く見える小鳥だけど、可愛くチュンチュンじゃなく、ケーケーと鳴くんだよ。

  それも結構な声量で。

  電線がないから、町中では屋根や窓の僅かな出っ張りに居るので、寝てる窓で鳴かれると……ね。

  安眠妨害な小鳥だけど、薬屋が大概、裏庭で作る薬草に付く虫を食べてくれるので、益鳥。

  と言っても、小さな角があるので、魔物なんだけど……

  そういえば、雀の様な名前を知らないな。


  食堂ではウェイトレスとして、働いてる訳だけど……

  いずれ、宿も出来る様にって事で、建物は大きくて、自分は3階の1室を借りてる。

  形はスイスの山小屋ロッジ風で、家族用の部屋は上がる階段を変える事で、分けられてるらしい。

  マディさんが相談した地域の衛兵さんが、食べに来てたのでお礼を言ったんだけど……

  灰色の狼獣人で、人型だけど、ふわふわの耳と尻尾が付いていて、顔はキリッとしてカッコ良かった。

  そこに、衛兵の制服に、鍛えられてると分かる体躯……

  ナニソレ……アプローチするほど肉食系じゃないけど、惹かれるでしょ。

  獣型の獣人の様に、身体は大きかったけど、獣型は二足歩行して服を着た状態なので、自分的にはちょっと……

  違和感を覚えちゃって……

  で、ウェイトレスといっても、注文はほぼ一択、「今日のおすすめ」

  メニューはあるんだけど、そっちは頼むと出て来るまでに時間が掛かると、皆さん分かってるのか、「今日のおすすめでー」と頼まれる。

  ちなみに、サービスの水なんて出ない。

  大概が、ラノベ定番の「エールで!」  だ。

  ワイン煮込みが料理にあるので、ワインもあるのだけど……

  ワインといっても、アッチでいうにごりワインレベルのもの。

  漉すという1工程を入れるだけで、良いワインになるんだけど……って、これは平民用のか!

  貴族のワインとは贅を尽くした高級ワインって事ね。

  エールも、ホップとか入れてビールになったのが、高級レストランみたいなところにはあるのかもしれない。

  ちなみに、エールはなんか酒精が腑抜けた感じな上、温度も生ぬるいから、美味しそうに飲んでるけど、美味しくはない。

  冷やせば飲めそうではあるけど……

  冷凍冷蔵庫なんて高額だし、氷魔法なんてレア属性だし……

  って、そういえば、自分、使えたな。

  婆ちゃんに凄くしごかれた記憶を思い出したよ。











  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...