獣人世界へ、ようこそ?

ふにゃー

文字の大きさ
8 / 48

7

しおりを挟む




  各種回復薬ポーション500本ずつが、完成したのはやはり5日後だった。

  やはり、ポーション瓶を作るのにも、時間が掛かったんで。

  魔法袋に入れて、商業ギルドに持っていけば……

  とてもにこやかなギルド職員に迎えられ、あの家は自分の持ち物になった。

  だけでなく、「出来れば、定期的にお願いします」と定期売買の契約をお願いされた。

  今回程の至急のものではないので、頷いて契約したんだ。

  ちなみに、週に100本ずつってもの。

  このくらいなら、魔力がギリギリになる事もなく、余裕を持って作れる。

  だけど、砂が随分と目減りしたので、手に入れないといけない。

  ギルドで買うって事も出来るんだけど……

  この町周辺の薬草分布も見ておきたいので、自分で行くかな?

  と思ったので、冒険者ギルドの資料室に行こうか。

  ちなみに、自分と言うかリーナが強いって訳じゃないけど、元々、猫の獣人なので、ナーフ向きなのよ。

  婆ちゃんに育てられたから薬師になったけど、得意な魔法が水、風とか闇なの。

  夜目が利くので夜の行動が得意だとか、風を使って地形など探索するとか、犬系ほどじゃないけど匂いにも敏感なので。

  けど、婆ちゃんの薬草畑の育成をしてて、土が上手になった。

  水も得意な方だったけど、畑の水やりで更に上手くなって、氷が使える様になったんだ。

  婆ちゃんのシゴキもあったけど。

  だけど、強そうな火とか雷、便利な光なんかは皆無。

  コンロや灯りは魔道具を使ってるけど、浄化が出来る光が良いなあ。

  一応、風で掃除は出来るけど、除菌までは出来ないからね。

  光の浄化は除菌まで出来るので、欲しいところだけど……

  光は闇の反対属性だからねえ。

  だけど……光を扱う獣人って居るのかな?

  同じ猫系でも、獅子とかなら火が使えるみたいだけど。

  なので、戦うのではなく、採集とかに行くのなら、1人でも可能なの。



  この町の冒険者ギルドに足を踏み入れるのは初めて。

  移動の登録に各ギルドを回らなきゃと思ってたのに、商業ギルドで手続きすれば、他のギルドには連絡は回るそうだったので。

  そりゃ、ギルドの雰囲気や細かい情報などはギルドに行ってみない事には分からないけど。

  で、ラノベでは定番の冒険者ギルドだけど、来た時間が昼の鐘が鳴る少し前なので、ギルドに居たのは数える程だった。

  なので、冒険者に絡まれる様な事もなく、大概、資料室がある2階にあがった。

  冒険者ギルドの外観も中も、ラノベで描かれてるのとほぼ同じ。

  すえた臭いまではしないけど、皮と男臭さがするので、綺麗好きの猫系の獣人と鼻が利く犬系獣人には嫌がられてるけど。

  ちなみに、冒険者になるには種族は問われないので、色々居るので、荒くれ者=獣人って訳でもない。

  今も、魔術師系は足元まですっぽりのフード付きマントを着込んでるので種族は分からないけど、革鎧を着て喋ってる数人の男は人族。

  着てる装備から初心者ではなくベテランのもよう。

  この時間に居るのは、依頼終わりか依頼を取れず溢れた者で荒れてるかだけど……

  待ち合わせっていう事もあるか。

  とりあえず、絡まれない様に、今は気配を抑えては居るよ。

  しかし、まあ、商業ギルドの方は、シャンデリアと絨毯に、超高級の置型時計が置かれた応接室の様な場所があるので……

  随分と冒険者ギルドとの差があるねえ。

  ちなみに、2階の資料室は冒険者であれば誰でも使用可能ではあるけど……

  小さい町のギルド出張所や緊急事態が起こってない限り、資料室に人は常駐してる。

  本は貴重なので、貸出してないので持ち出し禁止は当然なんだけど、持ち出して売る様な輩が居たので、常駐する様になったみたい。

  本を汚さない様に、飲み物も食べ物も持ち込み禁止だけど……

  入室使用料を取られる事はない。

  それに、どの書架にあるか聞けば、教えてくれるので、依頼を受けるのであれば、事前に下調べしておくのが、正しい冒険者の心得だ。

  特に、地理感がないのであれば、尚更。


  婆ちゃんが持っていて、置いて来てしまった本と同じ物があって、少しホッとしたけど、一応、一通りは読んではいる。

  この周辺の地図と魔物生息分布以外に、薬草などの分布を調べて写した後は、ギルド所有で読んだ事の無い本に目を通してた。

  そうすれば、外は日は傾いていた。

  気付いたのは、階下がザワつく声がし始めて。

  絡まれるのも面倒なので、本を閉じて、帰るのに支度を始めたら……

  「資料だけを読みに来たのなら、今度からこちらから来なさい」

  そう言って、冒険者ギルドの裏庭から来れる階段を教えてくれた。

  今日の当番は女性職員だったけど、男性の時もあるそうだけど。

  「ありがとうございます」

  お礼を言って、家に戻って来たんだけど……

  冒険者ギルドの裏庭というか、広場は広かった。

  解体と倉庫がある建物以外にも、大きな建物がある間にあった。

  ギルドの建物だとは分かってるけど、何の建物だろう?って、ふと興味を覚えたんだ。

  でも、匂いが籠らない様に開けられてる解体場所から、血の匂いがして来たことで、覗き込まずに家に向かった。

  ちょうど時間的に、冒険者たちが帰って来ていて、魔物の解体を頼んだんだとは予測は着いてた。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...