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しおりを挟む各種回復薬ポーション500本ずつが、完成したのはやはり5日後だった。
やはり、ポーション瓶を作るのにも、時間が掛かったんで。
魔法袋に入れて、商業ギルドに持っていけば……
とてもにこやかなギルド職員に迎えられ、あの家は自分の持ち物になった。
だけでなく、「出来れば、定期的にお願いします」と定期売買の契約をお願いされた。
今回程の至急のものではないので、頷いて契約したんだ。
ちなみに、週に100本ずつってもの。
このくらいなら、魔力がギリギリになる事もなく、余裕を持って作れる。
だけど、砂が随分と目減りしたので、手に入れないといけない。
ギルドで買うって事も出来るんだけど……
この町周辺の薬草分布も見ておきたいので、自分で行くかな?
と思ったので、冒険者ギルドの資料室に行こうか。
ちなみに、自分と言うかリーナが強いって訳じゃないけど、元々、猫の獣人なので、ナーフ向きなのよ。
婆ちゃんに育てられたから薬師になったけど、得意な魔法が水、風とか闇なの。
夜目が利くので夜の行動が得意だとか、風を使って地形など探索するとか、犬系ほどじゃないけど匂いにも敏感なので。
けど、婆ちゃんの薬草畑の育成をしてて、土が上手になった。
水も得意な方だったけど、畑の水やりで更に上手くなって、氷が使える様になったんだ。
婆ちゃんのシゴキもあったけど。
だけど、強そうな火とか雷、便利な光なんかは皆無。
コンロや灯りは魔道具を使ってるけど、浄化が出来る光が良いなあ。
一応、風で掃除は出来るけど、除菌までは出来ないからね。
光の浄化は除菌まで出来るので、欲しいところだけど……
光は闇の反対属性だからねえ。
だけど……光を扱う獣人って居るのかな?
同じ猫系でも、獅子とかなら火が使えるみたいだけど。
なので、戦うのではなく、採集とかに行くのなら、1人でも可能なの。
この町の冒険者ギルドに足を踏み入れるのは初めて。
移動の登録に各ギルドを回らなきゃと思ってたのに、商業ギルドで手続きすれば、他のギルドには連絡は回るそうだったので。
そりゃ、ギルドの雰囲気や細かい情報などはギルドに行ってみない事には分からないけど。
で、ラノベでは定番の冒険者ギルドだけど、来た時間が昼の鐘が鳴る少し前なので、ギルドに居たのは数える程だった。
なので、冒険者に絡まれる様な事もなく、大概、資料室がある2階にあがった。
冒険者ギルドの外観も中も、ラノベで描かれてるのとほぼ同じ。
すえた臭いまではしないけど、皮と男臭さがするので、綺麗好きの猫系の獣人と鼻が利く犬系獣人には嫌がられてるけど。
ちなみに、冒険者になるには種族は問われないので、色々居るので、荒くれ者=獣人って訳でもない。
今も、魔術師系は足元まですっぽりのフード付きマントを着込んでるので種族は分からないけど、革鎧を着て喋ってる数人の男は人族。
着てる装備から初心者ではなくベテランのもよう。
この時間に居るのは、依頼終わりか依頼を取れず溢れた者で荒れてるかだけど……
待ち合わせっていう事もあるか。
とりあえず、絡まれない様に、今は気配を抑えては居るよ。
しかし、まあ、商業ギルドの方は、シャンデリアと絨毯に、超高級の置型時計が置かれた応接室の様な場所があるので……
随分と冒険者ギルドとの差があるねえ。
ちなみに、2階の資料室は冒険者であれば誰でも使用可能ではあるけど……
小さい町のギルド出張所や緊急事態が起こってない限り、資料室に人は常駐してる。
本は貴重なので、貸出してないので持ち出し禁止は当然なんだけど、持ち出して売る様な輩が居たので、常駐する様になったみたい。
本を汚さない様に、飲み物も食べ物も持ち込み禁止だけど……
入室使用料を取られる事はない。
それに、どの書架にあるか聞けば、教えてくれるので、依頼を受けるのであれば、事前に下調べしておくのが、正しい冒険者の心得だ。
特に、地理感がないのであれば、尚更。
婆ちゃんが持っていて、置いて来てしまった本と同じ物があって、少しホッとしたけど、一応、一通りは読んではいる。
この周辺の地図と魔物生息分布以外に、薬草などの分布を調べて写した後は、ギルド所有で読んだ事の無い本に目を通してた。
そうすれば、外は日は傾いていた。
気付いたのは、階下がザワつく声がし始めて。
絡まれるのも面倒なので、本を閉じて、帰るのに支度を始めたら……
「資料だけを読みに来たのなら、今度からこちらから来なさい」
そう言って、冒険者ギルドの裏庭から来れる階段を教えてくれた。
今日の当番は女性職員だったけど、男性の時もあるそうだけど。
「ありがとうございます」
お礼を言って、家に戻って来たんだけど……
冒険者ギルドの裏庭というか、広場は広かった。
解体と倉庫がある建物以外にも、大きな建物がある間にあった。
ギルドの建物だとは分かってるけど、何の建物だろう?って、ふと興味を覚えたんだ。
でも、匂いが籠らない様に開けられてる解体場所から、血の匂いがして来たことで、覗き込まずに家に向かった。
ちょうど時間的に、冒険者たちが帰って来ていて、魔物の解体を頼んだんだとは予測は着いてた。
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