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しおりを挟むルカが抗議に冒険者ギルドに出向き着いた少し前に、師匠の手紙がギルマス当人に届いたんだけど……
その様は自分は見てないけど……
見てたグラディエーヌ薬屋ご愛顧の冒険者が言うには……
手紙がギルマスの前に現れ届いた瞬間、手紙が師匠の声でがなり立て、最後真っ赤になって焼き落ちたそうな。
「俺も初めて見たけど、腰抜けそうになったぞ」というレベル。
だけど、ふと思い出したのが、某魔法学校映画。
実にアレっぽい。
冒険者が放心してる間に、血相を変えたギルマスが部屋の外に走り出したんだけど……
回復薬の保管庫の扉は、鍵と開ける権限がないと開かないように変えられていた。
というのも、1本金貨1枚以上の上級薬の在庫が合わないというどんぶり勘定が勃発してた冒険者ギルド。
商業ギルド職員が入る事で改善しようと言うことになったけど、改善しない。
その根本の商業ギルド職員が元凶であれば、良くなる筈がない。
ただ、今回、保管庫の出入りを厳しくするのに、師匠とナオトくんの師匠が手を組んでたんだ。
サブマスが土下座して頼んだ様でね。1週間ほど前の話。
いつもならルカの納品に、珍しく師匠が行くっていうんで驚いたら、そういう事情を教えられてたの。
だから……
ギルマスが保管庫に辿り着く前に、轟音が響き渡り……
警告音と共に、機械音の音声が流れた。
《メライ・ホビッタ、窃盗罪で追放処分!》
魔の森からのスタンピードなどの為に対する為のスピーカーから、轟音の説明がなされた訳だけど……
轟音の原因は、建物の破壊音でもあるので……
冒険者ギルドの地下奥からなので、大きな穴が裏の広場に開いてた。
コレを修復ってなったら、領軍への説明と共に莫大な代金が……
ギルマスが崩れ落ちた時、ルカが着いて……
『うわぁ!抗議に来たけど、遅かったのにゃ?ま、とりあえず上級回復薬の納品は一旦止めるからにゃ。またにゃ~!』
言うだけ言って、帰途についた。
ギルマスが、「ま、待って……」と手を伸ばしてたら……
早くも、領軍の衛兵が冒険者ギルドに到着し……
「詰所に来て、説明していただこうか!」と言って、立たされて行ったんだって。
ルカと来た冒険者がペラペラと話をしてくれた時、ルカが帰って来たって事で午後の売買を始めたので、店にはお客さんいっぱい居た。
ので、話はいっぺんに広がるだろうねえ。
しかし、建物を破壊して、結界の外に物理的に放り出されたって……
死んでない?
失神して意識不明は確実だけど……
そんな状態のホビッタを回収したのは、良い笑顔のウサギ獣人で……
ホビッタの罪は現行犯の窃盗罪なので、追放という軽いものだけど……
もっと重いと、ウサギ獣人さんの管理下に置かれます。
「ギルド2つを我が物顔で食い物にしてたんだから、きっと僕のところに来るよね?」
そう呟いて、ご機嫌だった。
亜空間の扉という魔道具が届くまで、あと2週間って事もあって。
領軍による捜査が、冒険者、商業、両ギルドに入った。
領主の権限から、ギルドは独立してるので、この様に捜査が入るのは異例の事なんだけど……
窃盗罪として現行犯で、結界によって追放処分となったので……
ギルマスとしても、司法に踏み込まれたくないって事もあって、止めようとした訳だけど……
商業ギルドの元職員のホビッタの前歴を知らなかった様で……
「デツイターにやられた……」とブツブツ言い続けてた。
商業ギルドのギルマスの名前だけど……
師匠に乗り込まれた商業ギルド、「2度と納品しない」と言われて、真っ青になった時の轟音。
更に、追放宣言が流れ、身動き1つせず絶句。
禊中だったところにコレだから……
ギルマスの更迭だけじゃ済まないだろうねえ。
ホビッタの前回のやらかしは、ルカによると……
商業ギルド職員の肩書きで店に来た上で搾取しようとして、あの師匠が認める筈がなく、やり込められ……
それで引いておけば良かったのに、愚かにも、あの凶暴蜜蜂の蜜ボールに目を付けた。
あの蜜ボールを手にするには、自ら水やりをしないといけないんだけど……
その事を知らず、薬屋の結界内に入れ、畑にまで来れてたので、水やりをせず世界樹に近付きながら物色したもんだから、蜜蜂さんたちに追い掛け回され……
それ以降、ホビッタは結界内の薬屋には来れず、商業ギルドは師匠から抗議されたけど、実際には未遂で終わってたので……
放逐という形で冒険者ギルドに派遣してた商業ギルド。
グラディエーヌ薬屋の回復薬を卸して貰うには、誠意をって事で焦りがあったもよう。
ホビッタに弱味を握られてたのでなければ、さっさと解雇すれば良かったのに……
確実に、2ギルドのtopの挿げ替えがされる
そう町中でも噂されるくらいに有名な不祥事となったんだけど……
なんと!ホビッタ、合法的横領?もしてた様で……
例えば、先日ピーラーを作ったナオトくん、ピーラーの作り方を商業ギルドに登録した訳。
その際、登録料の銀貨1枚を支払うんだけど……
作り方を買いに来た者が支払う銀貨10枚の取り分を決めるの。
更に、作り方を知って売る場合の契約にもサインする事になるんだけど……
どちらも、割合を決めるのはナオトくんって事になる。
ナオトくん、高校生の割にこれらの事に明るかったみたいだけど……
商業ギルド職員の中にはホビッタほどじゃなくても、ギルドの売上にしようとする者が少なからず居て……
作り方レシピの管理料だとしても、どっちも1割で充分だって!
それを永続的じゃないけど、50年なんて永続と同意義だよ!
ずーっと、商業ギルドにせしめられてるなんて!
ホビッタの場合は、更に、自身に入る様にしてた様で……
アッチでも、契約の類は小さい字で書いてあるものほど重要ってくらい、隅まで読んでから書類にサインだから……
識字率も学も低いこの世界では、ずる賢いのが楽に生きてるの!
まあ、自分も賢く生きなきゃいけないんだけど!
半ば騙してサインさせてるので、気付いていない契約者が多い。
気付いていない=抗議されないって事なので、長年続いてた。
図に乗った上、もっと多く手にしたくなり、サブマスになろうとしたけど……
サブマスはギルマスの片腕の様な者なので、面倒臭そうだったので諦めたそうだ。
ちなみに、師匠を侮った訳じゃなく、同郷だから許されると思ってた様で……
そうエルフだったのよ、メライ・ホビッタ……
ただ、85歳っていう若僧だって。
けどね、師匠、エルフじゃなくハイエルフなのよ。
3000年近く生きるっていう……
1000年前後が寿命のエルフよりも長命なの。
だから、老人姿の師匠って……幾つにゃ?
その師匠に、不老不死だって言われた妖精のチェンジリング猫の自分は……
思わず遠い目になるにゃよ。
亜空間の扉、ウサギさんのところに届いたかな?
そんな事を考える頃まで、メライ・ホビッタが付けた両ギルドへの傷は消えてなかった。
というのも、両ギルドの統括が今、帝国にあったので……
挿げ替えの首がことごとく魔王国に入る結界に阻まれて、未だ空席になってるから……
で、メライ・ホビッタは今……
自分が呟いた事で作ってみたという自白剤を練りこんだ蝋燭の被験者になってます。
ウサギさんが薬屋に来て、彼女が管轄下に来たとわざわざ報告に。
その時に、自白剤=液体と分かられてるので、飲まないんだよねえと、ウサギさんにボヤかれて……
ラノベの中で使われてたなあと思い出したの。
ほら、尋問する場所って、逃げられない様に窓もない暗い場所でするのが定説じゃない。
圧迫感や追い詰められてる様に感じる様に、更に灯りは蝋燭。
これのヤバい版が、暗殺の毒入りの蝋燭なんだけど……
魔王国は勿論、エスペラント王国でも灯りは魔石による魔灯になってるから、使えない代物と化したんだけど……
自白剤入り蝋燭で、思い付けるんだから、毒入りも知っていそうだよウサギさん。
ただ、尋問官も、気化した自白剤を吸っちゃうから、どうするんだろ?
しかし、ウサギさんって、そういうものも作れちゃうほどなんだねえ。
凄いね、優秀なんだ。
そう思ってたんだ。
けど、治癒の医療所が阿鼻叫喚状態になってるとは……
一発で出来上がるなんて無理だよねえ……
更に、自白剤入りができるなら、麻酔剤入りが出来ないか?とウサギさんが考えた事で悪化。
自白剤入りは、当人に気付かせない内に効いてる状態にしたい事もあって、副作用も考えなくていい少量からの実践だったのに……
麻酔は基準値調べからだし、副作用の調べも未だ……
副作用の加減で配合率を変え、安全に使える麻酔薬にするのが先なのに……
何故、蝋燭?!って、誰もが思い……
ウサギさん、砦の長官スヴェンに「ディビット!」と怒鳴られてた。
ウィルからの報告で、ウサギさんが暴走したと知られてた。
自白剤入りの蝋燭は、使い方は要注意だけど、非常に有効な代物になったので、褒められてたのに……
そして、魔道具士が持って来たという亜空間の扉の所持を、条件付きにされた。
魔力登録と展開は、別の者とするっていう……
高額な金額も払ってるので、「ま、待って!お願い!」と土下座して頼んだんだけど……
「お前が突っ走らないとは限らない!念の為だ」
自身が夢中になると、約束出来ないので、床の上で体育座りして黄昏てたウサギさんだった。
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