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第一章 王国編
第五話「突然の訪問」
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アルナス大森林での依頼を終えた五人は、いつもと同じようにギルドを訪れていた。
するとそこに、ギルドの受付嬢が慌てた様子で走ってくる。
「そこの冒険者の方々、少しお話いいでしょうか!」
一行はギルド二階のテーブルに通され、受付嬢はジュドたちを引き留めた理由を説明し始める。
「C級冒険者パーティーとお見受けして一つ依頼を引き受けてくださらないでしょうか?」
慌ただしい様子の受付嬢は深呼吸をして、息を整える。
「確かにオレたちはC級冒険者だが…何かあったのか?」
ジュドは依頼の状況を尋ねる。
「現在、王国の交易先である地底都市ラースにて派遣されたC級冒険者の方々が行方を眩ませている、といった事件が起こっております。C級の中でも皆様の活躍はギルドの耳にも入っており、今回は依頼難易度が格上げされたことを踏まえて直接の調査のご依頼をしたく、お話に参った次第です」
受付嬢は五人に告げる。
「オレたちはつい最近C級に昇格したばかりなんだが、同じC級冒険者が失踪しているのに大丈夫なのか?」
他の同級帯と比べてD級の時に依頼数をこなしているといえ、行方不明の冒険者と同じ等級である。
そんなオレたちが力になれるのか?
そんな疑問を抱いたジュドは自分たちが請け負える依頼なのか聞き返す。
「皆様は現在C級ですが、五人パーティーということ、さらに先日のアルナス大森林での一件でB級相当の実力があるとギルドは判断いたしました。ギルドに在籍している冒険者の中でもB級、A級冒険者の皆様は現在活発化している〝呼び声〟の討伐で出払っており、頂点であるS級冒険者の皆様も石化の森の異変調査など高難易度の依頼で手が離せない状況です。人手が不足している今、何とか依頼を引き受けてはもらえないでしょうか?」
そういえばいつもよりギルドに活気がない。
周りにいる冒険者の数も目に見えるほど少なくなっているようだった。
冒険者は王国にとって貴重な人材。これ以上の被害を出すまいとギルドの職員も焦りを感じているのだろう。
ジュドはこの依頼を引き受けるか悩んでいた。
「地底都市まではワシが案内しよう」
そんな中、モーリスが案内を買って出る。
「幸いにも前回の依頼で受けた軽傷も魔術で完治しているわ。行ってみてもいいんじゃない?」
システィ、ルシア、ダグラスも依頼を受けることに賛同しているようだ。
「形はどうであれ、冒険者は全員仲間だ。その依頼、引き受けるよ。これから地底都市に向かう」
「ありがとうございます…。詳しい依頼内容は地底都市で説明されるそうなので、検問の方に〝王国より依頼を受けました〟とお伝えください」
安心した受付嬢はそう言うと一礼し、急ぎ一階へと戻っていった。
モーリス曰く、地底都市ラースへはヴェルトリア王国から獣車で丸一日ほどかかる距離らしく、街道を通るよりもウェスティーナ領を直進するほうが早く着くようだ。
地底都市ラースは四大都市と呼ばれる都市の一つで、旧神と呼ばれる太古の神が統治している場所だと言う。
都市全体が地上ではなく地下に創られており、鉱石類や武具の交易で有名らしく、商人ならば一度は足を運んだ方がいいと言われているほどだそうだ。
ドワーフやその他の亜人たちが日々鉱石採掘や武具作成を行っているようで、商店区画と神殿区画に分かれている街は非常に賑やかな空間が広がっているらしい。
「何が起こっているのかわからない部分も多いが、行こう!」
物資を補充したジュドたちは獣車の準備を完了させ、ヴェルトリア王国を出発したのであった。
するとそこに、ギルドの受付嬢が慌てた様子で走ってくる。
「そこの冒険者の方々、少しお話いいでしょうか!」
一行はギルド二階のテーブルに通され、受付嬢はジュドたちを引き留めた理由を説明し始める。
「C級冒険者パーティーとお見受けして一つ依頼を引き受けてくださらないでしょうか?」
慌ただしい様子の受付嬢は深呼吸をして、息を整える。
「確かにオレたちはC級冒険者だが…何かあったのか?」
ジュドは依頼の状況を尋ねる。
「現在、王国の交易先である地底都市ラースにて派遣されたC級冒険者の方々が行方を眩ませている、といった事件が起こっております。C級の中でも皆様の活躍はギルドの耳にも入っており、今回は依頼難易度が格上げされたことを踏まえて直接の調査のご依頼をしたく、お話に参った次第です」
受付嬢は五人に告げる。
「オレたちはつい最近C級に昇格したばかりなんだが、同じC級冒険者が失踪しているのに大丈夫なのか?」
他の同級帯と比べてD級の時に依頼数をこなしているといえ、行方不明の冒険者と同じ等級である。
そんなオレたちが力になれるのか?
そんな疑問を抱いたジュドは自分たちが請け負える依頼なのか聞き返す。
「皆様は現在C級ですが、五人パーティーということ、さらに先日のアルナス大森林での一件でB級相当の実力があるとギルドは判断いたしました。ギルドに在籍している冒険者の中でもB級、A級冒険者の皆様は現在活発化している〝呼び声〟の討伐で出払っており、頂点であるS級冒険者の皆様も石化の森の異変調査など高難易度の依頼で手が離せない状況です。人手が不足している今、何とか依頼を引き受けてはもらえないでしょうか?」
そういえばいつもよりギルドに活気がない。
周りにいる冒険者の数も目に見えるほど少なくなっているようだった。
冒険者は王国にとって貴重な人材。これ以上の被害を出すまいとギルドの職員も焦りを感じているのだろう。
ジュドはこの依頼を引き受けるか悩んでいた。
「地底都市まではワシが案内しよう」
そんな中、モーリスが案内を買って出る。
「幸いにも前回の依頼で受けた軽傷も魔術で完治しているわ。行ってみてもいいんじゃない?」
システィ、ルシア、ダグラスも依頼を受けることに賛同しているようだ。
「形はどうであれ、冒険者は全員仲間だ。その依頼、引き受けるよ。これから地底都市に向かう」
「ありがとうございます…。詳しい依頼内容は地底都市で説明されるそうなので、検問の方に〝王国より依頼を受けました〟とお伝えください」
安心した受付嬢はそう言うと一礼し、急ぎ一階へと戻っていった。
モーリス曰く、地底都市ラースへはヴェルトリア王国から獣車で丸一日ほどかかる距離らしく、街道を通るよりもウェスティーナ領を直進するほうが早く着くようだ。
地底都市ラースは四大都市と呼ばれる都市の一つで、旧神と呼ばれる太古の神が統治している場所だと言う。
都市全体が地上ではなく地下に創られており、鉱石類や武具の交易で有名らしく、商人ならば一度は足を運んだ方がいいと言われているほどだそうだ。
ドワーフやその他の亜人たちが日々鉱石採掘や武具作成を行っているようで、商店区画と神殿区画に分かれている街は非常に賑やかな空間が広がっているらしい。
「何が起こっているのかわからない部分も多いが、行こう!」
物資を補充したジュドたちは獣車の準備を完了させ、ヴェルトリア王国を出発したのであった。
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