46 / 47
エピローグ
エピローグ「外なる神」
しおりを挟む「これがこの世界で生きとし生けるものの選んだ選択か」
空の遥か彼方、星々が廻り、燦々と輝く空間で何者かが話をしていた。
「ええ、まさかあの星に降り立った邪神の存在を消し去るなんて…想像もしなかったわ」
得体のしれない〝何か〟は驚く仕草を見せる。
「シュブ=ニグラス。いささか軽率な結果ではないか?」
「あの数の邪神を送り込むのに我がどれだけ苦労したか。お主にはわかるまいな」
北に鎮座するそれは、透き通る髪をした少女を前に苦言を呈す。
「これもまた可能性の一つだったという話。あなたには感性というものがないから、わからないかもしれないわね。ヨグ=ソトース」
少女の形をしたそれは周りに鎮座する存在に問いかけた。
「ウボ=サスラ。アザトース。あなたたちはこの結末悪くないと思うでしょう?」
無数にいるそれらの中でも南と東に鎮座していた何かへと話の矛先を向ける。
「〝神〟という、自身の範疇ではどうすることもできない大いなる存在。それに反旗を翻し、ましてや必要としないという生態系は…我々にとって脅威に成り得る可能性がありますな」
「しかし…これはこれで愉快ですな」
ウボ=サスラと呼ばれる存在が高らかに笑う。
「脅威…?…フッ、笑わせるな。たかが数匹の邪神を始末したところで宙を支配する御身に手が届くはずがないことを貴様も知っているのだろう?」
アザトースと呼ばれる存在が顎に手を当て、嘲笑する。
「待て待て、アザトース殿。脅威といっても我輩からしてみれば、小さな恒星が隕石と化し、落下してくる程度ですぞ。この話は可能性の話でしょう?であれば、彼らの可能性はゼロではないということを申したかったのです」
「はぁ…まったくあなたたちは真面目に事を成す気があるのかしら」
「全ては私が思い描いたシナリオ通りよ。唯一誤算があったとすれば…、私があの星を観測するために置いておいた〝希望を紡ぐ木〟が干渉を受け、私自身が呼び寄せられてしまったことくらいかしら」
シュブ=ニグラスは感嘆をこぼす。
「かの星にシュブ=ニグラスが呼び出されたこと。それが運命を分けるターニングポイントとなっていたとするならば、この結果は貴様の失態でもあるわけだ」
ヨグ=ソトースは相対する少女を覗き込む。
まるでブラックホールのようなその目を動じることなく正面から見つめ返すシュブ=ニグラスは全員に告げる。
「この星の進化はまだまだこれからよ。ここからさらに面白くなるわ」
「よかろう。今は貴様という同胞を信じ、経過を観測することにしてやる」
ヨグ=ソトースは元の位置へと戻り、矛を収めた。
「話は終わりだ」
「引き続き各自の世界を観察せよ。いつか生まれる真なる神の器を探して…」
空間が歪み、辺りは一面の闇へと還る。
残ったのは黒々とした無音の空間とどこまでも続く光の宙だけだった。
0
あなたにおすすめの小説
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる
書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。
鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。
だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。
その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。
俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。
ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。
なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる