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22:プレゼントを君に(3)
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「いや、石田さんたちがやってあげて」
「はーい、承りましたー。それではどうしましょう? 彼氏様のお好みはポニーテイル? サイドテール? ワンサイドアップ? ツーサイドアップ? ルーズサイドテール? リクエストがあればどうぞ!」
「えーと……なんか呪文みたいでよくわからないから、とりあえず全部やって見せて」
「とりあえずで全部っておかしくない?」
沙良はツッコんだが、歩美は乗り気らしく「はーい」と返事し、沙良の背後に回って髪を梳き始めた。
「最初は定番のポニーテイルから行きますか」
「次はリボンでツインテールとかどう?」
「あー、『あざと可愛い』やつね。いいんじゃない、面白そう。にいんちょっていっつも無難な髪型しかしてないからさ、ここらでいっちょイメージ革命しようぜ!」
「誰キャラ!? いやいや、リボンでツインテールとか! 小学生じゃないんだから!」
「いいじゃん、記念記念」
「なんの!?」
「不破くんもにいんちょのあざとい姿、見たいよね?」
「見たい」
「ついでに写真も?」
「撮る」
「ええ!?」
「あはは、正直だねえ! いいよ、ツーショットでばっちり撮ってあげる。ほら、彼氏の希望なんだから観念しなさい。隠したリボン出して」
「えええ……本気で?」
和気藹々と弄繰り回され、最終的に沙良の髪型は顔の両横の髪を残し、サイドで一本にまとめたサイドテールに決まった。
「……なんというか、私じゃないみたい。髪型一つで印象はがらりと変わるものなのね」
歩美から渡された手鏡で自分の姿を確認し、沙良は呟いた。
右側頭部に添えられた赤いシュシュは大輪の花のように華やかだ。
軽く首を振ると、右側頭部のサイドテールもゆらゆら揺れた。
「似合ってるよ、にいんちょ。良かったら手が治るまで、あたしが朝、髪をまとめてあげようか?」
「いいの? ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。せっかく彼氏にもらったんだから毎日つけたいでしょ? いやー、ほんとに良かったねー、色々と」
歩美の言い方には含みがあった。
カップルになれて良かったね、と言いたいらしいが、残念ながら自分は偽彼女なのだ。
(……残念ながら?)
胸中に浮かんだ言葉に戸惑いつつも、沙良は空気を読んで笑い、髪を弄ってくれた他の皆にもお礼を言った。
「不破、お客さん」
皆が解散し、予鈴まで思い思いに過ごしていたとき、自分の席に戻っていた秀司がクラスメイトに呼ばれた。
教室の前方の扉の陰に隠れるようにして立っているのは二組の横溝亜弥だ。
秀司が偽彼女役の候補としても挙げていた、Fカップの美少女である。
確か彼女はダンス部で、生徒会の副会長でもあったはずだ。
(秀司に何の用事なんだろ)
まさかまた告白かと心に波が立ったが、その波はすぐに消えた。
(大丈夫よ。秀司はどんな美少女の告白であろうと受け入れる気がない。私が偽彼女なんだから)
気にせず堂々としていればいいのだと自分に言い聞かせ、沙良は一時限目の予習を始めた。
「はーい、承りましたー。それではどうしましょう? 彼氏様のお好みはポニーテイル? サイドテール? ワンサイドアップ? ツーサイドアップ? ルーズサイドテール? リクエストがあればどうぞ!」
「えーと……なんか呪文みたいでよくわからないから、とりあえず全部やって見せて」
「とりあえずで全部っておかしくない?」
沙良はツッコんだが、歩美は乗り気らしく「はーい」と返事し、沙良の背後に回って髪を梳き始めた。
「最初は定番のポニーテイルから行きますか」
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「誰キャラ!? いやいや、リボンでツインテールとか! 小学生じゃないんだから!」
「いいじゃん、記念記念」
「なんの!?」
「不破くんもにいんちょのあざとい姿、見たいよね?」
「見たい」
「ついでに写真も?」
「撮る」
「ええ!?」
「あはは、正直だねえ! いいよ、ツーショットでばっちり撮ってあげる。ほら、彼氏の希望なんだから観念しなさい。隠したリボン出して」
「えええ……本気で?」
和気藹々と弄繰り回され、最終的に沙良の髪型は顔の両横の髪を残し、サイドで一本にまとめたサイドテールに決まった。
「……なんというか、私じゃないみたい。髪型一つで印象はがらりと変わるものなのね」
歩美から渡された手鏡で自分の姿を確認し、沙良は呟いた。
右側頭部に添えられた赤いシュシュは大輪の花のように華やかだ。
軽く首を振ると、右側頭部のサイドテールもゆらゆら揺れた。
「似合ってるよ、にいんちょ。良かったら手が治るまで、あたしが朝、髪をまとめてあげようか?」
「いいの? ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。せっかく彼氏にもらったんだから毎日つけたいでしょ? いやー、ほんとに良かったねー、色々と」
歩美の言い方には含みがあった。
カップルになれて良かったね、と言いたいらしいが、残念ながら自分は偽彼女なのだ。
(……残念ながら?)
胸中に浮かんだ言葉に戸惑いつつも、沙良は空気を読んで笑い、髪を弄ってくれた他の皆にもお礼を言った。
「不破、お客さん」
皆が解散し、予鈴まで思い思いに過ごしていたとき、自分の席に戻っていた秀司がクラスメイトに呼ばれた。
教室の前方の扉の陰に隠れるようにして立っているのは二組の横溝亜弥だ。
秀司が偽彼女役の候補としても挙げていた、Fカップの美少女である。
確か彼女はダンス部で、生徒会の副会長でもあったはずだ。
(秀司に何の用事なんだろ)
まさかまた告白かと心に波が立ったが、その波はすぐに消えた。
(大丈夫よ。秀司はどんな美少女の告白であろうと受け入れる気がない。私が偽彼女なんだから)
気にせず堂々としていればいいのだと自分に言い聞かせ、沙良は一時限目の予習を始めた。
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