芋虫ファンタジア

メルト

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「ぁぁぁぁああああああ!」

薄暗い洞窟を俺は全力疾走していた。
別に漏れそうな訳でもなく、暗所恐怖症という訳でもない。
何故走っているのかと言うと……

「グルァァァァァ!」

という雄叫びをあげながら追ってくる犬型の魔物━━ハウンドドッグから逃げているからだ。
全力で逃げているにもかかわらず俺とハウンドドッグの距離は縮まる一方。
ハウンドドッグは特別足が速い魔物という訳ではない。
何故逃げ切れないのかって?

だって俺………


芋虫だもん

気がついたらハウンドドッグはもう目と鼻の先の距離にいた。
「いやだぁぁぁ!死にたくないぃぃぃ!」

直後、噛まれた。
ガブッ!ボキン!

「ほーらもう噛まれた……ん?痛くない…?」
驚いて振り返ると……
口を大きく開けて悶え苦しんでいるハウンドドッグと………

「歯だ………」

磨き抜かれた白磁のように輝く四本の牙が落ちていた。
感覚的には俺は無傷だし……
「あれ?勝てんじゃね?」
とりあえずチャンスなので天井に登ってボディプレスをきめると…

「うわぁ…グロ過ぎだろ……」

細かく描写するといろいろ不味そうなので簡単に説明すると圧力に耐え切れずハウンドドッグの内臓が口や尻から飛び出て破裂している。

「ん?」
どうやら今の戦闘(?)でレベルが上がったようだ。

━━━━━━━━
ステータス
レベル:4
名前:
種族:緑鋼蟲
クラス:旅人
筋力:18  体力:23  技量:10  速さ:11  魔力:19
スキル
《鋼鉄皮》《鋼鉄殻》《鏡面皮》《進化》
━━━━━━━━

何故か《進化》だけ字が灰色になっている。
宿に帰ったら試してみよう。


◇◇◇◇
「スキル《進化》!」

何も起こらなか━━━
「っるせぇぞ!勝手に進化してろ!」
いや、隣の部屋の人に怒られた。怖い。
何はともあれ灰色になっているスキルは使えないと考えて良いだろう。
今日はもう休んで明日はレベリングでもするか………
そして俺の意識は温かい闇に沈んでいった。

◇◇◇◇
「ここの部屋だ……」
「あぁ…決行は明日だな……」
宿の外では明らかに怪しい黒ローブの集団が不穏な会話をしていた………
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