芋虫ファンタジア

メルト

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スキル

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目が覚めると、宿が燃えていた。

「え?」

天井が崩れて火の粉をモロに浴びた。

「熱っ!」

早く脱出しないとヤバい!
焼けてモロくなった壁をタックルで破壊して宿から出ると、まさに闇の教団といった風貌の集団が宿に杖を向けていた。

「フハハハハ!邪悪な魔物を焼き払ってやれ!」

豪華な服装の人がなんか言ってる。
てか、宿にいた魔物って俺だけじゃね?
こっそり逃げようとしたら教団の人とガッツリ目が合った。
「いたぞ!逃がすな!」
ヤバいよこれどうしよう。

「天に昇りし炎の御霊よ、我が前に立ち塞がる狼藉者を焼き払え。炎星魔法〈火炎球ファイアボール〉」

詠唱に呼応して炎の球が飛んできた。
どうにか防御しないとヤバそう。
でも、どうしよう。

あ、そういえばスキル試してなかったな。
心の中で俺はニヤリと笑ってこう叫んだ。

「スキル《鋼鉄皮》!」

すると、俺の表皮が新芽を思わせる萌葱色から光を反射して輝く鋼色に変化した。
これなら耐えられるかもしれない。

ボンッ

「ぁぁぁぁああああああ!」
ぜんぜん耐えられなかった。
熱い!ヤバいマジで死ぬかもしれない。

「━━〈火炎球ファイアボール〉!」

ボヒュッ

「す、スキル《鋼鉄殻》!」
すると、焼け爛れた体を鋼を思わせる甲殻が覆った。
これで無理ならもう死ぬしかないか……

ボンッ

痛みは……ない
甲殻が所々赤熱しているが、それだけだ。

「何で俺の魔法が効かねぇんだよおい!」
教団の人になんか言われたが、正直俺もちょっと困惑しているから答えない。

だが、これならどうにかなるかもしれない。
しかし、俺の考えは甘かった。
  火炎球ファイアボールを十発くらい食らったら甲殻が弾けとんだ。

「……え?」

ボヒュッ

「ちょ……待っ━━」

ボンッ

「ぁぁぁぁああああああ!熱いいいいいい!」
もう一回使わなきゃマジで死ぬ!
「スキル《鋼鉄殻》!」

ピコーン
変な音とともに56という数字が現れた。
もちろんスキルは発動していない。

もしかして……クールタイム?

どうしよう教団の人達詠唱終わってるよ。
てか、凄い早口じゃん。
あぁ…もう飛んできた………

もうダメ元だ!
試してないラストのスキル使うしかねぇ!

「スキル《鏡面皮》!」

赤熱していた俺の表皮が今度は周囲の景色を映すという生物としては不安な色彩に変化した。
そして━━

ボンッ

目を閉じて最後の時を待っていた俺はあまりの静けさに目を開き━━━

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