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世界の異変
各国首脳の悩み
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「おはよう、カヤ。今日は朝早くから会議だ。昨日言った通りよろしく頼む。」
「おはようございます。緊張しますが私自身の意見を伝えます!」
そして会議の席へと着いた二人はネットワークを通じて各国首脳と対談する事となった。
・・・
『シン大統領。そちらの紫髪の少女は…?』
首脳たちは見知らぬ少女に興味を示す。カヤは少し緊張していたが、シンがその手を握っていてくれた。
「この少女はサウンドラ王国王女のカヤ・サウンドラです。彼女は我が国の調査団が見つけたたった一人の魔導士である事。そして彼女があの真っ平な大地を生成し、大和とサウンドラ王国を完全に消し去ってしまいました。」
『待ってくれシン大統領。その子は危険じゃないのか?』
会議がざわつく。カヤは不安でいっぱいだったが、シンにとっては想定内の事だと感じていた。
「落ち着いてください。私たち人間は魔法というものを知らなかった。しかし今回の事件は魔法を全世界に広めるきっかけとなったのです。我が国が責任を持ちこの子を匿い、魔術の研究を致します。」
『シン大統領。貴方はいつもそうやって先陣を切っている。それは素晴らしく我が国も真似したい。だが、今回ばかりは納得出来ない。そんな危険な娘は今すぐに処刑するべきだ!』
『そうだ、そうだ!!怪しげな呪いを引き出す種族を人間だと認めない!!』
各国首脳は全員同じ意見だった。するとカヤが口にした。
「軍事国家ブル。あの国は私たちサウンドラ王国の魔道具を武器に変換し、襲ってきた。この写真を見てください。これは調査団が現地で撮ったものです。魔法を溜めこんだ戦闘機が撃った痕跡です。こんな危険なものを創ってしまったブルを止めるには私が立ち向かうしかありません。魔道具を勝手に武器に利用されてしまったのは私たちサウンドラ王国の責任です。ですので、大国セキトでの魔法研究をさせてください。どうかお願いします!」
カヤは嘘偽りなく真実を伝えた。しかしその言葉は首脳たちを怒らせるものとなってしまった。
『魔道具?そんな怪しげな物をブルに渡しただと?それなら尚更処刑すべきだ!!あの国は何度も連合国に牙をむいてきた。それはシン大統領。貴方の国も同じであろう!!そこの少女を信じるというのか?』
「はい。信じます。彼女は魔法を使って我が国の調査団を救ってくれた。この剣で。カヤ、無明剣を出してくれないか?」
『な、なにを言っている…。』
シンの隣で詠唱を始めるカヤに恐怖を抱く首脳たち。こちらまで攻撃してくるのではないかと震えが止まらなくなった。そしてカヤの持つ無明剣を見た首脳たちはその得体のしれない剣に叫ぶ。
「これが彼女の魔法だ。彼女を失ったらブルに対抗できる国はなくなる。核兵器を大量に生産している国だ。今こそ魔法を研究するべきだと思わないか?」
『そ、それは…。』
「もし協力したくないのであればこの連合からセキトは抜ける。その覚悟は出来ている。」
まさかの発言に首脳たちは驚く。カヤも驚いていた。今セキトが連合から抜けたら大国が付いているという肩書きがなくなり、世界中が混乱するだろう。それを恐れた各国は待ってくれと言った。
『魔法…。その怪しげな術を信じたくない。だが、ブルが脅威である事に変わりない。もし可能であれば我が国、イズに来てくれないか?その娘の活躍する姿を見たら考えがまとまる。常に危険と隣り合わせの我が国イズが認めれば、他の国の信頼も期待できるだろう。』
その発言にハッとする首脳たち。確かにイズは昔から他国の侵略を受けてきた。それに加え、奴隷制度がいまだになくならない国であった。そのため、もしイズが安心できる国になるのであれば全ての国がカヤの事を認めるだろう。カヤの事を心配するシンだったが、カヤは真剣な顔をしながらマイクに語りかける。
「シン大統領。私、その国に行きます!ですが各国の皆さん。1年の猶予をください。私の魔法では、まだ人を救う事が出来ない。さらに恐怖を植えつけてしまいます。ですので魔法の研究をしたいのです。どうかよろしくお願いします。」
カヤは頭を下げる。1年。それはとても短い時間であった。その間にブルが攻めてくるのではないかと恐怖に膨れ上がる。しかし、カヤの真剣な表情を見て首脳たちは確信した。彼女は嘘をついていないという事に。だからこそ、セキトを信じる事にした。
『シン大統領、ならびにカヤ・サウンドラ。私たちはセキトを信じます。もし嘘だったらセキトの立場が危うくなる事を覚悟してください。』
「分かりました。必ず約束を守ります。この赤いペガサスの名において。」
そして国際緊急会議は終了した。
・・・
「シン大統領。赤いペガサスってなんでしょうか?」
「あぁ、言っていなかったね。この国は遥か昔、全てを破壊するドラゴンがいた。その脅威は町を破壊するまでに至り、この国の象徴であった自然公園が消え失せたのだ。しかし、その劫火から翼の生えた馬が出現した。それは自然を壊したドラゴンに対する怒りというべきか。その馬は頭に生えたつのをドラゴンに突き刺し、天へと昇っていった。それが赤く染まった星となり、それを見た人間はこう言った。「赤い馬が翔んでいった!この国を救ってくれたんだ!」と。それ以降この国では赤い馬を神として祀り、今に至る。この話は神話であるから実話ではないが、他の国ではこの国の事を「赤翔」と呼んでいる。」
「なるほど…。昨日の夜空を見たら赤く輝く星が目に入りましたがそんな逸話があったのですね。」
カヤはこの国のあちこちにある赤い馬の像に疑問を抱いていたが、そういう理由だったのかと理解した。
「逆に私から質問なのだが、サウンドラ王国には神話があったのか?」
「私の国には神話がありません。魔法自体が神話のようなものでしたから。火、水、風、土の四つの属性からなる魔術が空から国民に与えられ、私達王族は空間にちなんだ魔法が宿っていました。私のお父様は音の魔法でした。」
「なるほど…。中々興味深い。もし魔法研究が進み、カヤが色んな魔法を扱えるようになったらぜひ見せてくれ。」
「はい!」
会議が終わり、1年の猶予を貰ったカヤ。数日後カヤの為に広大な草原に魔法研究施設が建設される事が決まり、調査団とカノンとカヤはそこで魔法を研究する事となった。
「おはようございます。緊張しますが私自身の意見を伝えます!」
そして会議の席へと着いた二人はネットワークを通じて各国首脳と対談する事となった。
・・・
『シン大統領。そちらの紫髪の少女は…?』
首脳たちは見知らぬ少女に興味を示す。カヤは少し緊張していたが、シンがその手を握っていてくれた。
「この少女はサウンドラ王国王女のカヤ・サウンドラです。彼女は我が国の調査団が見つけたたった一人の魔導士である事。そして彼女があの真っ平な大地を生成し、大和とサウンドラ王国を完全に消し去ってしまいました。」
『待ってくれシン大統領。その子は危険じゃないのか?』
会議がざわつく。カヤは不安でいっぱいだったが、シンにとっては想定内の事だと感じていた。
「落ち着いてください。私たち人間は魔法というものを知らなかった。しかし今回の事件は魔法を全世界に広めるきっかけとなったのです。我が国が責任を持ちこの子を匿い、魔術の研究を致します。」
『シン大統領。貴方はいつもそうやって先陣を切っている。それは素晴らしく我が国も真似したい。だが、今回ばかりは納得出来ない。そんな危険な娘は今すぐに処刑するべきだ!』
『そうだ、そうだ!!怪しげな呪いを引き出す種族を人間だと認めない!!』
各国首脳は全員同じ意見だった。するとカヤが口にした。
「軍事国家ブル。あの国は私たちサウンドラ王国の魔道具を武器に変換し、襲ってきた。この写真を見てください。これは調査団が現地で撮ったものです。魔法を溜めこんだ戦闘機が撃った痕跡です。こんな危険なものを創ってしまったブルを止めるには私が立ち向かうしかありません。魔道具を勝手に武器に利用されてしまったのは私たちサウンドラ王国の責任です。ですので、大国セキトでの魔法研究をさせてください。どうかお願いします!」
カヤは嘘偽りなく真実を伝えた。しかしその言葉は首脳たちを怒らせるものとなってしまった。
『魔道具?そんな怪しげな物をブルに渡しただと?それなら尚更処刑すべきだ!!あの国は何度も連合国に牙をむいてきた。それはシン大統領。貴方の国も同じであろう!!そこの少女を信じるというのか?』
「はい。信じます。彼女は魔法を使って我が国の調査団を救ってくれた。この剣で。カヤ、無明剣を出してくれないか?」
『な、なにを言っている…。』
シンの隣で詠唱を始めるカヤに恐怖を抱く首脳たち。こちらまで攻撃してくるのではないかと震えが止まらなくなった。そしてカヤの持つ無明剣を見た首脳たちはその得体のしれない剣に叫ぶ。
「これが彼女の魔法だ。彼女を失ったらブルに対抗できる国はなくなる。核兵器を大量に生産している国だ。今こそ魔法を研究するべきだと思わないか?」
『そ、それは…。』
「もし協力したくないのであればこの連合からセキトは抜ける。その覚悟は出来ている。」
まさかの発言に首脳たちは驚く。カヤも驚いていた。今セキトが連合から抜けたら大国が付いているという肩書きがなくなり、世界中が混乱するだろう。それを恐れた各国は待ってくれと言った。
『魔法…。その怪しげな術を信じたくない。だが、ブルが脅威である事に変わりない。もし可能であれば我が国、イズに来てくれないか?その娘の活躍する姿を見たら考えがまとまる。常に危険と隣り合わせの我が国イズが認めれば、他の国の信頼も期待できるだろう。』
その発言にハッとする首脳たち。確かにイズは昔から他国の侵略を受けてきた。それに加え、奴隷制度がいまだになくならない国であった。そのため、もしイズが安心できる国になるのであれば全ての国がカヤの事を認めるだろう。カヤの事を心配するシンだったが、カヤは真剣な顔をしながらマイクに語りかける。
「シン大統領。私、その国に行きます!ですが各国の皆さん。1年の猶予をください。私の魔法では、まだ人を救う事が出来ない。さらに恐怖を植えつけてしまいます。ですので魔法の研究をしたいのです。どうかよろしくお願いします。」
カヤは頭を下げる。1年。それはとても短い時間であった。その間にブルが攻めてくるのではないかと恐怖に膨れ上がる。しかし、カヤの真剣な表情を見て首脳たちは確信した。彼女は嘘をついていないという事に。だからこそ、セキトを信じる事にした。
『シン大統領、ならびにカヤ・サウンドラ。私たちはセキトを信じます。もし嘘だったらセキトの立場が危うくなる事を覚悟してください。』
「分かりました。必ず約束を守ります。この赤いペガサスの名において。」
そして国際緊急会議は終了した。
・・・
「シン大統領。赤いペガサスってなんでしょうか?」
「あぁ、言っていなかったね。この国は遥か昔、全てを破壊するドラゴンがいた。その脅威は町を破壊するまでに至り、この国の象徴であった自然公園が消え失せたのだ。しかし、その劫火から翼の生えた馬が出現した。それは自然を壊したドラゴンに対する怒りというべきか。その馬は頭に生えたつのをドラゴンに突き刺し、天へと昇っていった。それが赤く染まった星となり、それを見た人間はこう言った。「赤い馬が翔んでいった!この国を救ってくれたんだ!」と。それ以降この国では赤い馬を神として祀り、今に至る。この話は神話であるから実話ではないが、他の国ではこの国の事を「赤翔」と呼んでいる。」
「なるほど…。昨日の夜空を見たら赤く輝く星が目に入りましたがそんな逸話があったのですね。」
カヤはこの国のあちこちにある赤い馬の像に疑問を抱いていたが、そういう理由だったのかと理解した。
「逆に私から質問なのだが、サウンドラ王国には神話があったのか?」
「私の国には神話がありません。魔法自体が神話のようなものでしたから。火、水、風、土の四つの属性からなる魔術が空から国民に与えられ、私達王族は空間にちなんだ魔法が宿っていました。私のお父様は音の魔法でした。」
「なるほど…。中々興味深い。もし魔法研究が進み、カヤが色んな魔法を扱えるようになったらぜひ見せてくれ。」
「はい!」
会議が終わり、1年の猶予を貰ったカヤ。数日後カヤの為に広大な草原に魔法研究施設が建設される事が決まり、調査団とカノンとカヤはそこで魔法を研究する事となった。
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