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魔法学
黒の陰
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研究が始まってから3か月。ゴズは一人でサウンドラ王国の書物を読んでいた。
「魔法はどう生まれたのか…。なんとなく分かってきた。自然を大切にしてきたのだな。それに惹かれた神が天からその種族に魔法を与えた。だが、自然を壊し科学の力を頼った人間にはその力が宿らなかった。俺たちみたいな国の事を指す。そしてサウンドラ王国の隣に位置する大和の国はサウンドラ国民とほぼ変わらない遺伝を持っていた…か。」
魔法術式が永遠に書かれたページをひたすらめくる。歴史学者であるゴズはもっとサウンドラ王国について調べたかった。しかしこの書物しかない。情報が少なすぎる。その書物は何百と読み返したがサウンドラ王国の生活や魔道具、食べ物などごく普通の物の情報がなかったため歴史がよく分からなかった。
「よし、明日大統領の屋敷に向かってサウンドラ王国のあった島へ行く許可を貰おう!カヤを今連れていくのは難しいし、サインはこの施設の責任者だから無理…。フィアーも空間魔法の科学を研究中…。そうだ、カノンを連れて行こう!カノンは新しい事に目がない。よし、早速呼びかけてこよう。」
ゴズはカノンのカウンセリング部屋へと足を運び、ドアをノックした。部屋の中にいたカノンは「はーい、入ってどうぞ!」と言う。そしてゴズは中へと入った。
「どうしたの、ゴズ。君が悩み事なんて珍しいね。」
「実は、サウンドラ王国のあった島に行きたいのだ。俺を含め皆はサウンドラ王国について知らなすぎる。どうかカノンの力を借りたくて…。」
その言葉にカノンは迷っていた。大統領の娘だとしてもそう簡単に許可が下りるとは思わないからだ。しかし実際にその島に行きたいという気持ちもあった。その為ゴズに一旦待つよう言い、シンに直接電話をかける。
「お父さん。私と歴史学者のゴズとともにサウンドラ王国のあった島に行きたい。理由はサウンドラ王国の歴史をもっと知りたいから。今こうして特訓している間に調査した方がいいと思うの。」
『確かにお前の言う通りだ。だが、あの島は今無法地帯。なにがあるか分からない。軍隊を編成する時間もない。そんな中お前みたいな高貴な人間を送るのはリスクが大きすぎる。』
その言葉に言葉が出なくなるカノン。すると部屋の外で聞いていたのか佐助が部屋の中に入ってきた。
「カノンさん。私と代わってくれませんか。」
「あっ、ちょっと!!」
佐助はカノンから携帯電話を取り、シンに対し「護衛の任につきたい」と言った。確かに佐助の力は異次元。セキトの精鋭部隊が佐助に挑んでも負けるだろう。しかし、佐助は隠された身。今カヤという危険な存在に加えて佐助が現れたら世界がまた混乱してしまう。その為シンは悩みに悩んだ。
「シン大統領。私が大和に捕らわれていたと世界に言いふらすのはどうでしょうか。拷問を受け、血だらけの状態で映像に映れば、各国首脳は大和の反逆者だったと認めるはずです。」
『待て、そんな事をしたら君の命が危ない。大和の生き残りは流石に世界が許さないだろう。それに加え拷問を受けるというのは精神にもダメージがくる。そんな事許可出来ない。』
これは難しい問題であった。大和は世界を混乱に巻き込む事態を引き起こしたからだ。ブルと賄賂をしていた国の人間を世界が信用出来るはずがない。そこで佐助はある事を思いつく。それは一人でブルへ攻撃をしかけるというものだった。もしブルの主力軍事施設を落とせたら佐助に対する眼差しがかわるかもしれない。
「覚悟は出来ています。もちろん死ににいくわけではありません。大和の怒りをブルにぶつけるだけです。」
『確かにそれはいい考えだと思う。しかし正体をどうやって隠す?』
「シン大統領。忍者って知っていますか?忍び。それは陰に潜み、音もなく標的を狩る種族。大和は忍者部隊がいました。私はその訓練生の指揮も担っていたのです。」
忍者というワードを聞いてハッとするシン。大和には特殊暗殺部隊がいるという事を知っていた。ただやはり一人で行かせるのは危険だと思ったシンは佐助に許可を下ろさないと伝えようとした。
その時!大統領の屋敷にけたたましい警報が鳴り響いたのだ!
「これは…国際緊急会議の知らせだ!そこの君、ただちに会議の用意をしろ!!」
シンはカノンの事を無視し、電話のスイッチを消すのを忘れたまますぐに会議の席へと座った。
・・・
『各国から突然消えた人達の行方を調べる事に成功しました!!場所はかつてサウンドラ王国及び大和のあった島です!!今あの場所は無法地帯。ブルが軍事基地を作っていてもおかしくないと思い、この島を徹底的に衛星を使い調べましたが、これは確かにブルの国旗です!!最新鋭の戦闘機に戦車…。未知のミサイルまであります!!』
とある国の調査員が各国首脳に伝える。そこには手錠をかけられた何百人もの拉致被害者がいた。するとそこにいたブルの一人が衛星に気づき声を張り上げる。
『お前ら、こいつらは今から奴隷になる。もし逆らえばもうこいつらの命はない。攻撃を仕掛けようものならこの大陸間弾道ミサイルが全ての国に降り注ぐ!!逃げ道はないぞ。全ての愚かな国どもよ。我らブルに降伏しろ!!』
これはもはや誰も救えない。そう思った時だった。黒い衣を被った男と小さな子供が突然その男の背後に現れたのだ。
「魔法はどう生まれたのか…。なんとなく分かってきた。自然を大切にしてきたのだな。それに惹かれた神が天からその種族に魔法を与えた。だが、自然を壊し科学の力を頼った人間にはその力が宿らなかった。俺たちみたいな国の事を指す。そしてサウンドラ王国の隣に位置する大和の国はサウンドラ国民とほぼ変わらない遺伝を持っていた…か。」
魔法術式が永遠に書かれたページをひたすらめくる。歴史学者であるゴズはもっとサウンドラ王国について調べたかった。しかしこの書物しかない。情報が少なすぎる。その書物は何百と読み返したがサウンドラ王国の生活や魔道具、食べ物などごく普通の物の情報がなかったため歴史がよく分からなかった。
「よし、明日大統領の屋敷に向かってサウンドラ王国のあった島へ行く許可を貰おう!カヤを今連れていくのは難しいし、サインはこの施設の責任者だから無理…。フィアーも空間魔法の科学を研究中…。そうだ、カノンを連れて行こう!カノンは新しい事に目がない。よし、早速呼びかけてこよう。」
ゴズはカノンのカウンセリング部屋へと足を運び、ドアをノックした。部屋の中にいたカノンは「はーい、入ってどうぞ!」と言う。そしてゴズは中へと入った。
「どうしたの、ゴズ。君が悩み事なんて珍しいね。」
「実は、サウンドラ王国のあった島に行きたいのだ。俺を含め皆はサウンドラ王国について知らなすぎる。どうかカノンの力を借りたくて…。」
その言葉にカノンは迷っていた。大統領の娘だとしてもそう簡単に許可が下りるとは思わないからだ。しかし実際にその島に行きたいという気持ちもあった。その為ゴズに一旦待つよう言い、シンに直接電話をかける。
「お父さん。私と歴史学者のゴズとともにサウンドラ王国のあった島に行きたい。理由はサウンドラ王国の歴史をもっと知りたいから。今こうして特訓している間に調査した方がいいと思うの。」
『確かにお前の言う通りだ。だが、あの島は今無法地帯。なにがあるか分からない。軍隊を編成する時間もない。そんな中お前みたいな高貴な人間を送るのはリスクが大きすぎる。』
その言葉に言葉が出なくなるカノン。すると部屋の外で聞いていたのか佐助が部屋の中に入ってきた。
「カノンさん。私と代わってくれませんか。」
「あっ、ちょっと!!」
佐助はカノンから携帯電話を取り、シンに対し「護衛の任につきたい」と言った。確かに佐助の力は異次元。セキトの精鋭部隊が佐助に挑んでも負けるだろう。しかし、佐助は隠された身。今カヤという危険な存在に加えて佐助が現れたら世界がまた混乱してしまう。その為シンは悩みに悩んだ。
「シン大統領。私が大和に捕らわれていたと世界に言いふらすのはどうでしょうか。拷問を受け、血だらけの状態で映像に映れば、各国首脳は大和の反逆者だったと認めるはずです。」
『待て、そんな事をしたら君の命が危ない。大和の生き残りは流石に世界が許さないだろう。それに加え拷問を受けるというのは精神にもダメージがくる。そんな事許可出来ない。』
これは難しい問題であった。大和は世界を混乱に巻き込む事態を引き起こしたからだ。ブルと賄賂をしていた国の人間を世界が信用出来るはずがない。そこで佐助はある事を思いつく。それは一人でブルへ攻撃をしかけるというものだった。もしブルの主力軍事施設を落とせたら佐助に対する眼差しがかわるかもしれない。
「覚悟は出来ています。もちろん死ににいくわけではありません。大和の怒りをブルにぶつけるだけです。」
『確かにそれはいい考えだと思う。しかし正体をどうやって隠す?』
「シン大統領。忍者って知っていますか?忍び。それは陰に潜み、音もなく標的を狩る種族。大和は忍者部隊がいました。私はその訓練生の指揮も担っていたのです。」
忍者というワードを聞いてハッとするシン。大和には特殊暗殺部隊がいるという事を知っていた。ただやはり一人で行かせるのは危険だと思ったシンは佐助に許可を下ろさないと伝えようとした。
その時!大統領の屋敷にけたたましい警報が鳴り響いたのだ!
「これは…国際緊急会議の知らせだ!そこの君、ただちに会議の用意をしろ!!」
シンはカノンの事を無視し、電話のスイッチを消すのを忘れたまますぐに会議の席へと座った。
・・・
『各国から突然消えた人達の行方を調べる事に成功しました!!場所はかつてサウンドラ王国及び大和のあった島です!!今あの場所は無法地帯。ブルが軍事基地を作っていてもおかしくないと思い、この島を徹底的に衛星を使い調べましたが、これは確かにブルの国旗です!!最新鋭の戦闘機に戦車…。未知のミサイルまであります!!』
とある国の調査員が各国首脳に伝える。そこには手錠をかけられた何百人もの拉致被害者がいた。するとそこにいたブルの一人が衛星に気づき声を張り上げる。
『お前ら、こいつらは今から奴隷になる。もし逆らえばもうこいつらの命はない。攻撃を仕掛けようものならこの大陸間弾道ミサイルが全ての国に降り注ぐ!!逃げ道はないぞ。全ての愚かな国どもよ。我らブルに降伏しろ!!』
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