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正と負の軋轢
世界の異変
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ある日。シンは国際緊急会議に参加していた。しかし各国首脳の様子がおかしい。なぜならまるで困りごとがないような顔立ちをしているからだ。普段ならどこかの国が問題を掲げ、発言する。しかし今回はそれが全くなかった。
「皆様。どうされました?」
『あ、いえ…私の国の犯罪が無くなったのです。』
『私の国も。』
犯罪が消えた。その言葉が連鎖しているのかのごとく各国首脳が発言する。理由は一つ。カヤと佐助の力に怯えた犯罪者予備軍が手を出せなくなってしまったからだ。カヤと佐助は正義を貫く。それが故の行動により犯罪がほぼなくなった。
「なるほど…。しかし私たち、いや世界は軍の強化をしましょう。このまま文明が衰退してしまえばなにかが起きた時の備えが出来ず、滅びます。科学に満ちた世界。もし科学が暴走し、世界を大混乱に巻き込む事があれば、洒落になりません。平和。それは簡単にいくものではありません。誰かしら負の感情を持っている。その気持ちを忘れず、私たちは手を取り合い、生きていきましょう。」
シンの言葉に頷く各国首脳たち。そして会議は終了した。
・・・
「はぁ…。参ったな。あの顔を見ていると自国の事をよく見ていない。世界はまだ危険が多いというのに。」
シンは上を向き、ため息をついていた。各国のやる気のなさを感じ取ったからだ。すると一報が入る。2か月前からあの島の調査をしていた調査団が、サウンドラ王国に関する新しい書物を見つけたというもの。「本当か!」と言ったシンはすぐに調査団との通信へと入った。
『シン大統領。先ほど連絡した通り、サウンドラ王国で起きた伝染病についての書物を発見いたしました。その書物には、カヤ様と同じような症状を持った人間の姿が記されており、もしかしたらと思い連絡する事にしたのです。』
「ありがとう。今その書物の内容を読めるか?」
『はい。この病は身体的によるものではない。精神に異常をきたした人間が人生の理に絶望し、黒く染まった時に起こる症状と記されています。カヤ様も過去の事で精神崩壊を起こしたと聞きましたが、この書物は重要だと考え持ち帰り、サインさんたち調査団に調査してもらうのが一番かと思われます。』
その書物には、サウンドラ王国のあらゆる病気に関して書かれていた。しかしシンは引っかかる。精神に異常をきたすだけであのような痛々しい姿になってしまうのかと。その為、早急に持ち帰ってくるよう調査員に頼んだ。
『はい。ただちにセキトに帰還します。』
そして通信が切れた。
「未知の病気…。もし危険なものだったら誰が止める…?佐助に止められるのか?」
シンの悪い予感。それは的中していた。
・・・
その頃サインは寝ているカヤの横に座り、目覚めるのをまっていた。すると突然カヤが目を覚ましたのだ。
「はっ!カヤ!!目が覚めたんだね!!」
サインは喜ぶ。しかしカヤの様子がおかしい。起きたと同時に右半身が真っ黒に染まり、辺りをキョロキョロと見渡したのだ。
「か、カヤ…?」
サインがそう口にした瞬間。カヤはサインに無明剣を突きだしていた。
「お前は…誰だ??」
「えっ、誰ってサインだよ。魔法研究所で共に生活してきたじゃないか!」
しかしカヤは聞く耳を立てず、施設の外に出ようとした。その姿は異常だった。すると佐助が施設の入り口に立ちはだかる。
「お前。カヤ様じゃないな?」
「さ、佐助までなにを言っているんだ!カヤは寝ぼけているだけだよ!!」
そう言ったサインだったが、カヤの一撃がサインに迫る。その瞬間佐助が真剣を取りだし、受け止めた。
「サインさん!皆を連れて早くここから逃げて!!こいつはカヤ様の意思を持ってない!!」
佐助は今までに感じた事のない悪寒に襲われる。一瞬でも気を抜いたら命がないと。その為、本気を出した。しかしカヤは感覚を研ぎ澄ませている佐助を簡単に蹴り飛ばした。その衝撃は凄まじく、コンクリートで出来た施設に穴を空けるほど強力なものでがれきに埋もれた佐助は口から血を噴く。
「ど、どうやら…。本気で斬らないといけないみたいですね…!!」
その瞬間佐助の波動が強力に練られた。それは今までに経験のした事のないほど強力な電気を血流に巡らせ、大地が割れる程に。そして波動を纏った刀がぶつかり合う。その瞬間衝撃波が辺り一帯を包み、黒の光が世界各地で観測された。それはセキトの首都ホースでもはっきりと見えるものだった。
「なんだあれは…。終焉の光…。」
シンは唖然とし、ただ立って見ている事しか出来なかった。すると一報が届く。
『シン大統領!!先程の書物の内容に続きがありました!!精神が崩壊した者は黒い光を半身に纏い、大地を抉りとると。そしてそれを破壊するには大和刀を持った人物。つまり佐助様に黒のコアを破壊してもらわなければなりません!!』
「なに!?そのコアはどこにある!!」
『体の中心。心臓の手前にあります!!書物を見ると、コアは視認出来る場所にありますが、相当な腕を持っていないと暴走した魔導士に倒されます!!』
心臓の手前。つまり心臓に到達せずに正確な太刀筋でコアを破壊しなければカヤの命はないという事だ。そしてそのコアは佐助にも見えていた。どす黒く歪んだ色をしているコア。それがカヤの胸の中心に現れていた。
『なるほど。そのコアを破壊しなければならないと。しかしこの斬撃の速さ。とてもコアに辿りつけない…』
佐助はカヤの力に押されつつあった。四方八方から撃ちこまれる斬撃を避けるのに精いっぱい。限界を超えた動きを見せるカヤに防戦一方だった。迷いのない斬撃が佐助の顔に迫る。
「さ、佐助さん…。た、助けて……!」
暴走しているカヤの体から発せられる声。それは苦しみもだえていた。それを感じ取った佐助は、必殺技を出す事を決め、間合いから離れ、居合の構えをしだす。
「カヤ様。私が貴方を止めます!!」
その瞬間佐助の周りの波動が凝縮し、刀身の先に集まった。
「皆様。どうされました?」
『あ、いえ…私の国の犯罪が無くなったのです。』
『私の国も。』
犯罪が消えた。その言葉が連鎖しているのかのごとく各国首脳が発言する。理由は一つ。カヤと佐助の力に怯えた犯罪者予備軍が手を出せなくなってしまったからだ。カヤと佐助は正義を貫く。それが故の行動により犯罪がほぼなくなった。
「なるほど…。しかし私たち、いや世界は軍の強化をしましょう。このまま文明が衰退してしまえばなにかが起きた時の備えが出来ず、滅びます。科学に満ちた世界。もし科学が暴走し、世界を大混乱に巻き込む事があれば、洒落になりません。平和。それは簡単にいくものではありません。誰かしら負の感情を持っている。その気持ちを忘れず、私たちは手を取り合い、生きていきましょう。」
シンの言葉に頷く各国首脳たち。そして会議は終了した。
・・・
「はぁ…。参ったな。あの顔を見ていると自国の事をよく見ていない。世界はまだ危険が多いというのに。」
シンは上を向き、ため息をついていた。各国のやる気のなさを感じ取ったからだ。すると一報が入る。2か月前からあの島の調査をしていた調査団が、サウンドラ王国に関する新しい書物を見つけたというもの。「本当か!」と言ったシンはすぐに調査団との通信へと入った。
『シン大統領。先ほど連絡した通り、サウンドラ王国で起きた伝染病についての書物を発見いたしました。その書物には、カヤ様と同じような症状を持った人間の姿が記されており、もしかしたらと思い連絡する事にしたのです。』
「ありがとう。今その書物の内容を読めるか?」
『はい。この病は身体的によるものではない。精神に異常をきたした人間が人生の理に絶望し、黒く染まった時に起こる症状と記されています。カヤ様も過去の事で精神崩壊を起こしたと聞きましたが、この書物は重要だと考え持ち帰り、サインさんたち調査団に調査してもらうのが一番かと思われます。』
その書物には、サウンドラ王国のあらゆる病気に関して書かれていた。しかしシンは引っかかる。精神に異常をきたすだけであのような痛々しい姿になってしまうのかと。その為、早急に持ち帰ってくるよう調査員に頼んだ。
『はい。ただちにセキトに帰還します。』
そして通信が切れた。
「未知の病気…。もし危険なものだったら誰が止める…?佐助に止められるのか?」
シンの悪い予感。それは的中していた。
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その頃サインは寝ているカヤの横に座り、目覚めるのをまっていた。すると突然カヤが目を覚ましたのだ。
「はっ!カヤ!!目が覚めたんだね!!」
サインは喜ぶ。しかしカヤの様子がおかしい。起きたと同時に右半身が真っ黒に染まり、辺りをキョロキョロと見渡したのだ。
「か、カヤ…?」
サインがそう口にした瞬間。カヤはサインに無明剣を突きだしていた。
「お前は…誰だ??」
「えっ、誰ってサインだよ。魔法研究所で共に生活してきたじゃないか!」
しかしカヤは聞く耳を立てず、施設の外に出ようとした。その姿は異常だった。すると佐助が施設の入り口に立ちはだかる。
「お前。カヤ様じゃないな?」
「さ、佐助までなにを言っているんだ!カヤは寝ぼけているだけだよ!!」
そう言ったサインだったが、カヤの一撃がサインに迫る。その瞬間佐助が真剣を取りだし、受け止めた。
「サインさん!皆を連れて早くここから逃げて!!こいつはカヤ様の意思を持ってない!!」
佐助は今までに感じた事のない悪寒に襲われる。一瞬でも気を抜いたら命がないと。その為、本気を出した。しかしカヤは感覚を研ぎ澄ませている佐助を簡単に蹴り飛ばした。その衝撃は凄まじく、コンクリートで出来た施設に穴を空けるほど強力なものでがれきに埋もれた佐助は口から血を噴く。
「ど、どうやら…。本気で斬らないといけないみたいですね…!!」
その瞬間佐助の波動が強力に練られた。それは今までに経験のした事のないほど強力な電気を血流に巡らせ、大地が割れる程に。そして波動を纏った刀がぶつかり合う。その瞬間衝撃波が辺り一帯を包み、黒の光が世界各地で観測された。それはセキトの首都ホースでもはっきりと見えるものだった。
「なんだあれは…。終焉の光…。」
シンは唖然とし、ただ立って見ている事しか出来なかった。すると一報が届く。
『シン大統領!!先程の書物の内容に続きがありました!!精神が崩壊した者は黒い光を半身に纏い、大地を抉りとると。そしてそれを破壊するには大和刀を持った人物。つまり佐助様に黒のコアを破壊してもらわなければなりません!!』
「なに!?そのコアはどこにある!!」
『体の中心。心臓の手前にあります!!書物を見ると、コアは視認出来る場所にありますが、相当な腕を持っていないと暴走した魔導士に倒されます!!』
心臓の手前。つまり心臓に到達せずに正確な太刀筋でコアを破壊しなければカヤの命はないという事だ。そしてそのコアは佐助にも見えていた。どす黒く歪んだ色をしているコア。それがカヤの胸の中心に現れていた。
『なるほど。そのコアを破壊しなければならないと。しかしこの斬撃の速さ。とてもコアに辿りつけない…』
佐助はカヤの力に押されつつあった。四方八方から撃ちこまれる斬撃を避けるのに精いっぱい。限界を超えた動きを見せるカヤに防戦一方だった。迷いのない斬撃が佐助の顔に迫る。
「さ、佐助さん…。た、助けて……!」
暴走しているカヤの体から発せられる声。それは苦しみもだえていた。それを感じ取った佐助は、必殺技を出す事を決め、間合いから離れ、居合の構えをしだす。
「カヤ様。私が貴方を止めます!!」
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