無明剣零

青鳥翔

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正と負の軋轢

魔導戦士爆発

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 「この前ブルは完全に破壊されたわけだけど、ここである問題が発生したんだ。それは大量の放射能がその地に残り続ける事になったという問題。カヤと佐助のあの行動を否定しないけど、国を鎮めた事であの地は不毛と化した。しかし風でこっちにも飛んでくるかもしれない。だから僕がその地に向かうよ。…ん?大丈夫かって?そりゃ大丈夫さ。僕は酸性物質の除去に携わっていたから。必ず戻るよ。」

 サインは皆に対し行ってくると言った後、調査団と共にブルのあった場所に向かう。

 「さてと、今回はまずいな…。」

 防護服を着て、飛行機に乗る調査団たち。皆怯えていた。しかし、このままだと世界が危険に晒される。その為、調査団は覚悟を決めブルのあった場所へと向かい、最東端へと辿り着く。

 その地は予想通り、木も草も動物もいなかった。しかし科学の進歩したこの世界には放射能だけを除去するバキュームがあった。全ての調査員はそれを持ち少しずつ、放射能を除去する事となる。

 「サインさん。こんな場所に人はいるのでしょうか?」

 「いないと思う。ただ一つ気がかりなんだ。魔道具を心臓に埋め込んで魔導戦士になったという話。もし壁や結界を張る魔道具を持つ人間がいたら、生きているかもしれない。皆気を引き締めて行こう。」

 正直サインも不安でいっぱいであった。あの軍事国家が簡単に陥落するはずがないと。カヤが呼び寄せた核爆弾から逃げた者もいるかもしれない。万が一の為に地下シェルターがあったかもしれない。そんな考えが頭をよぎる。

 今回の調査は3か月程度を想定している。東から西までの距離は500キロメートルほど。除去が済めばもうその地に行く事だって可能。ただそれだけを信じ進んでいった。

・・・

 そして何事もなく3か月が過ぎ、島の放射能は全て取り除き安心する調査団。しかし次の瞬間。サインの後ろの方で悲鳴が聞こえたのだ。それは魔道具を体に埋め込んだ人間、いや魔導戦士だった。なぜ今!?と焦る調査団。ブルにはもう文明は残っていない。それなのに魔導戦士が生きていたからだ。すると魔導戦士の一人が口にする。

 「呪いだ…。助けてくれ……。」

 そう言いながら近づいてくる魔導戦士たち。その姿に心を痛めた調査団は近くに寄るが次の瞬間魔法が暴発し、調査団の何人かがその場に力尽きた。そう、今は亡きザイヤは魔導戦士に戦闘の心を植えつけた上でシェルターで生活させていた。そして来るべき時に、外部の人間を見つけたら即刻排除するよう命じていたのだ。まるで機械に命令を送るように。

 そしてその手はサインの腹を貫いた。

 「か、カヤ…。さ、佐助……。み………。」

 そしてサインの灯火は消えた。その映像は世界中に送られる。それに絶望する人々。魔導戦士は攻撃したくなかった。でも矛を収める事が出来なかった。そして最悪の事態が発生してしまう。魔導戦士は空を飛び、各国を滅ぼしにかかったのだ。

 その情報は魔法研究所にいるカヤたちにも届いた。

 「う、嘘でしょ…?あの姿はサイン…さん。」

 食事中だった皆は全員箸を落とす。それほど衝撃なものだった。次の瞬間カヤの体が震えだす。また負の感情が溢れそうになったのだ。すると佐助はカヤの首を叩き、カヤを気絶させる。

 「皆さん。私は、いや私たちはとんでもない事をしてしまいました。この魔導戦士を倒せるのは私とカヤ様だけ。これから世界各地を巡り、全ての魔導戦士を滅します。」

 ゴズたちは止めようとする。しかし、佐助はカヤを抱えたまま施設をあとにした。

 ・・・

 数時間後。カヤは目を覚ます。その視界の先には、雷の跡を体中に刻んでいる佐助がいた。

 「いますぐにサインを助けに行かなきゃ!!」

 カヤは急いで向かおうとする。すると佐助は首を横に振った。

 「今は世界を助けるのが、優先です。サインさんは世界の平和を願っていた。その気持ちを踏みにじるのはいけません。私たちのやる事はただ魔導戦士の撲滅。それだけです。」

 「そ…そんな……。」

 カヤは絶望する。しかし、その間も中継で町が破壊されている光景が映しだされていた。それは地獄そのもの。皆がどんどん倒れていく。その時ある人が声をあげていた。「カヤ様。佐助様。助けて下さい。」と。

 その瞬間カヤの気持ちは一つに定まった。佐助の手を引っ張りその場に出現し、無明剣で魔導戦士の心臓を貫いたのだ。

 「もう心配しないで。こいつらは罪人だから。」

 カヤの姿を見た民衆は祈りを捧げた。この時佐助は普段のカヤではないと直感した。しかしどんどんやってくる魔導戦士に対抗する為、刀を抜きだす。

 「カヤ様……。」

 「……。」

 そして二人は75万人もいる魔導戦士の撲滅を開始した。
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