幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ

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“好きな子いじめちゃう奴“

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コレは、僕の勘違いの話です。


「お前の上履き隠してやったぞ!」


「返してよぉ...!」

泣きながら小学校のゴミ箱漁って、やっと見つかって、その頃にはもう夕方で帰ったのが遅くて親に心配されたのを覚えています。


「何があったの?なんでも姉ちゃんが聞いたるから」


眼鏡をクイクイッとして、俺の髪を撫でてくれているのは4つ上の姉ちゃん。

その日は姉ちゃんのひみつの部屋に行って泣きつきました...ひみつの部屋というのは、納戸の事で、その頃姉ちゃんは中学生2年生で納戸に漫画を多く置いていました。

その漫画をこっそり見た事あったけど...男同士が...えっと、なんか気持ち悪くて、ここじゃ言えないです。


「ちぃちゃんに...いじめられたぁ...」

「ちぃちゃん...千透星くんの事?何されたの?」

靴を隠されたと言ったら姉ちゃんは若干引いていたが、何か思いついたようにアレな漫画の棚からゴソゴソと何かを取り出す。

「ちょい!ヒロ、このページみてみ、」

「......へ?何これ?」

姉が開いた漫画のページは、小学生の男の子2人が遊んでいるシーンだった。

「この右の男の子ね、次のページで左の男の子に何すると思う?」

「えぇ~...?」

その、前にお姉ちゃんの漫画を勝手に見た時は男の子同士で...あの、その、色々やってたので、その漫画を思い出して顔を赤くしたり青くしていたら、姉ちゃんに頭をはたかれました。

「...ほれ、見てみ?」

姉ちゃんは漫画の次のページを開いてくれました。

『おまえの上履き、ねーかんな!』

『返してよぉ...!』

それは、今の僕のような、右の男の子が左の男の子の上履きをゴミ箱に隠して遊んでいました。


「へっ...?えぇっ...!?なんでぇ!?」


僕はそのページに衝撃を受けました。
前のページまで一緒に遊んでいたのに、どうして?
...僕とちぃちゃんも、3年生の頃まで一緒に遊んでいたのに、どうして?

そう、重ねてしまったら、どうしても悲しかったです。

黙りこくって、悲しい表情をする僕を姉ちゃんは気づいていたのか、次は僕の頭を撫でて、

「右の男の子が千透星くんだとすると、左の男の子はヒロだな、」

「...何が言いたいの?」

僕は頬を膨らませ、ちょっとムキになって返しました。
すると、姉ちゃんはふっと笑って


「右の子は、左の子の事好きなんだよ?」


「...そっ...そんなわけ!」


そう言うと、姉ちゃんはその漫画の次巻を棚から持ってきて、あるページを引いて僕に見せてきました。
そのページは、ハッキリと右の男の子が左の男の子に『好きだ、』と顔を赤くして伝えていたのです。

「えっ...えぇ!?なんでいじめちゃうの!!」

姉ちゃんにそう聞くと、少し困ったように考えるような素振りをした後、僕の方を指さして言いました。

「それは...多分、いやズバリッ...!」


「好きだからよ!!」


「すき...!」


そう言われた時
うん?理由になってるか?と考えましたが、姉ちゃんに「好きに理由なんてないのよ!」と言われてハッとしました。



ちぃちゃんは!!


僕のことが好きなんだッ!!!



稲妻が走り、ビビンと来ました!!

もう、そこからは早いです。

翌日から、僕はちぃちゃんが僕をいじめる度にニヤケ面が隠せませんでした。

それでキモイって言われたって...

だって...

なんてったって...

ちぃちゃんは僕が好きだからっ...!!

ちぃちゃんは中学生になっても僕をいじめました。
中学生になってちぃちゃんは周りに人が増えて、逆に僕は周りに人がいなくなりました。

これもちぃちゃんの策略!?
ちぃちゃんは僕を手のひらで転がしてると思い込んでて...

「へへっ...」

「げぇっ...お前、パシられてるのになんで笑ってんだよ、気色悪ぃ」

「ふふっ...何でもない。」

ちぃちゃんが僕をいじめるほど、あぁコイツ、俺のこと好きなんだなって思って!

可愛いじゃん?
まぁ、ちょっとくらい遊んでやっててもいいけど...?

くらいの気持ちでいました。



今思うと、僕は相当気持ちが悪いです。







「今までごめん...」


「え...」


いつも通りの毎日のはずでした。
高校に入ってから毎日のように、昼になったら、俺からちぃちゃんの方に出向いて今日は何を購買で買ってくるかメモして、走って、ちぃちゃんの元に戻るって...


「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」


「はっ...ぁ??」


好きな奴??
俺そんなこと言った覚えないよ?
好きな奴って...

俺のことじゃないの??


「だから...もう、いいよ、少しずつだけど金も返すから...」


なんか、今日はおかしいと思ったんです。
ちぃちゃんの取り巻きも普段だったら、ちぃちゃんの席の周りに群がっているのに、最近はいなくて...逆にちぃちゃんを避けているような...?
...なんで?どうゆう事?何があったんだ?

俺の頭はもうショート寸前。


「ちぃくんっ!」


すると、俺のすぐ後ろからちぃちゃんを呼ぶ甘い声がしました。


「ちゃんと、ヒロ君にごめんなさいできた?」


洸人君に...“ごめんなさい“??
なんの事だ?俺、ちぃちゃんに謝って欲しいなんて一言も言ってないぞ...

それに...この女みたいな奴は誰だ?
なんで俺を"ヒロ"って呼んでるんだ?俺の事をヒロって呼んでいいのは家族と、ちぃちゃんだけなのに...

ちぃちゃんは僕の後ろにいる奴を見るなり、席から立ち上がり、花が咲くような笑みを浮かべる


「あぁ...ちぃちゃんの言う通りにしたから...俺と...」


“ちぃちゃん“?
ちぃちゃんは今コイツの事をちぃちゃんと呼んだのか?なんで?

それより...“俺と“...って...

わけが分からない、というようにヤツとちぃちゃんの顔を交互に見ていると、ヤツと目が合った。


「...大丈夫?ヒロくん、本当にちぃくんに謝ってもらった?」

ヤツは俺の方を向いてそう言った

え?俺に聞いてるのか?

...もう、俺は脳がバグっていた。
そして目の前の“問題“を解かないと、そう、思っている。


「...え?どっ...どちら様ですか?」


そう聞くと、ヤツは数秒目を見開いた後、頬赤くを膨らませて俺の胸を叩いた。


「もぉ~!なんで覚えてないのっ!ヒロくんのおバカぁ!」


...は?


「須藤千尋だよぉ!隣のクラスの転校生ですぅ!」


ちひろ...?
どっかで聞いたことあるような...

俺は記憶を巡らせる。


その日は、隣のクラスに転校生が来ただのでうちの学年は騒がしかった、
が、そんなの俺とちぃちゃんにはどうでもいい事だったので、いつも通りにちぃちゃんの荷物持ちをして後ろを着いて廊下を歩いていた時のことだった。

「ねぇ、ちぃちゃん」

「あ゛?だからその呼び方___」


「...ちぃちゃん?」


廊下ですれ違った、1人の男子生徒が俺らの発言に振り返る


「呼んだ...?」


こてん、
そんな効果音がする感じで首を傾げる男がいた。
ちぃちゃんしか眼中にない俺は、そいつの顔なんて漫画のモブのように描かれていなかったため覚えてなかったけど...

その時...ちぃちゃんは胸を抑えて顔を真っ赤にしていたな、それから男子生徒とちぃちゃんの距離が近くなって...その時に聞いた名前が...


「僕、須藤千尋ね!よろしくね!」


「"ちぃくん"」


...ん?

まって...??

くれよ......

その時、点と点が線になった。
コイツが...ちぃちゃんの好きな人...??

なわけ...
なんで...
俺のこと...



好きなんじゃないの____!!??



俺の頭は爆発した。
その事実を受け止められ無かったからだ。
...いや、受け入れたくなかった、
頭が、
身体が、
事実を拒絶していたからだ。


「...なっ、なぁ...だから、ちぃちゃん...俺と...」


ハッ...!!
一瞬ショックで気を失っていた。

...いや、なんで...ショック?
ちぃちゃんの好きな人が俺じゃ無かったからショックなんて...そんな...

わけ...


「はっ...ははは...おれ、購買行ってくるよぉ...ちぃちゃッ...千透星くんの分も買ってくるからさぁ...」


意気消沈、

俺は一刻も早くこの場から居なくなりたい一心で財布を手に取り、駆け足で購買に向かう。

後ろから「ヒロ...」と誰かが俺の名前を呼ぶ声がしたが、俺は振り向かず購買へと足を進めた。


段々と、駆け足だったのが逃げるように足が速くなる。


「あるんだ...あるんだぁっ...!!」


廊下を走っていたからか、すれ違う度生徒にジロジロ見られる。先生が大声で俺を引き止めた。

「おい...小鳥遊、何して...」


先生がヒィッと怯えるような声を出す。


「なんで...泣いているんだ...?」


その時、

自分が泣いていることと、


千透星くんへの恋心に気づいた。


「なんで...なんでしょうね」


鼻水を啜りながら、俺は先生に縋り泣いた。


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