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勘違いの話
修羅場の花子さん
「おはよう...」
前とは別の意味でドキドキしながら、教室のドアを開ける。
空気が一瞬ピリつき、クラスメイトは俺を一瞥したあと、空気は元に戻る。
はい、
俺は腫れ物になりました。
誰も俺に話しかけるやつはいない。ある意味、俺は無敵の人なのかもしれない。
昨日のいちご牛乳達を殴った日、放課後は担任に呼び出され、事情を聞かれた。
俺は直近で泣きながら廊下を走るという奇行をしていたので、それも含めて聞かれた。
あの時間は地獄だった。
俺は俺のいじめにも気づかないゴミ担任(言い過ぎ?)の事だからと、しらばっくれて、何も言わないようにしたが、唐突に千透星くんの名前が出てきた時はあからさまに動揺してしまった。
千透星くんのことは口が裂けても言えなかった。
あの時、自覚してしまった。
俺の言っていることはおかしいけれど、
“千透星くんがいじめるのは俺でなきゃならない“
じゃないと嫌だ、そうゆう感情に支配された。
あの時、殴ったのだって、千透星くん以外にいじめられるだなんて我慢ならなかったからだ。
お前らが俺をいじめてなんの価値があるんだ。
あの時、頭がおかしかったのは認める。
自分がいじめられるためだけに生まれたなんてありえない、
けど、
もしそうなら
“好きな人にいじめられたい“
...そう、
思った。
担任は、俺がいじめられているのを気づいていたようで、俺が何も言わないのを返答と見なしたのか、あくまでも、“俺の気持ちをくんで“だれも処分を下さなかった。
親には叱られた。
どんな事があっても先に手を出した方が悪いらしい。
が、姉は泣きそうな顔をしながらもよくやったと褒めてくれた。
姉ちゃんは、俺の気持ちは理解できないだろう、だから喧嘩もする。
でも、それでも、俺の理解者ではなくても、否定はしない。それに違和感を覚えながらも俺は姉ちゃんを悲しませない為に今日も学校に通う。
いちご牛乳達は俺に絡まなくなったが、裏で俺に何をされたかを話しているようだった。
クラスメイトが俺を見て、ヒソヒソと話しているのがよく聞こえる。
これでも、いじめられている時よりは状況がいいのが不思議だ。
けど、俺としては今の状況の方が辛い、
今の俺の状況に自覚してしまっているし、俺は相当気持ち悪いことが自分でひどいくらい分かる。
それでも学校には通わなくちゃ...
それに俺は、千透星くんへの気持ちが諦められてない。一人で失恋だなんだと騒いでいた割にはまだ...好きだ。
だから...
そんなあからさまに見られると...
どうゆう反応をすればいいか分からない...
今、千透星くんの視線が痛い。
チラチラと彼が見てくるのが分かる。
千透星くんの席は教室の端っこ、主人公ポジなのだが、俺はその真反対だ。
入口に最も近い席。
つまり、こんな距離からも分かるくらい千透星くんは俺をガン見している。
いつもだったら気だるげに携帯を弄っているだけなのに...
朝礼が始まるまで...どうしていようか。
とりあえずで席を立ち、手持ち無沙汰で携帯を手に取り、とりあえずでトイレに向かう。
俺と同時に立ち上がった千透星くんには見ないふりをした。
廊下には教室に向かう生徒がちらほらいる、俺はその波に逆らって迷いなく歩く、
なんだか、
すれ違う人全員が俺を見ているみたいな感覚が抜けない。
アイツだろ?人殴ったの
無理やり屋上連れてったんだって、
階段から落とそうとしたらしいよ
すれ違いざま、全員にそう、言われている気がする。
なんだか嫌な気分になって、
俯いて、不快な気持ちを振り払うようにしていたら早足になった、
そうしていると、教室の角を曲がったところで人とぶつかってしまった。
俺のせいで勢いあまってしまい、相手の方が少しよろけた。
危ない、と振り返って相手の手首を掴むと、相手の方が短く声を上げた。
「...え、“ちぃちゃん“...?」
ぶつかった相手は紛れもない、千透星くんの彼氏の“ちぃちゃん“こと、須藤千尋だった。
思わず、相手の手首を掴んでいることを忘れ、顔を凝視するしていると、須藤の方が俺の手を勢いよく振り払った。
「えっと...ごめんね、小鳥遊くん。」
須藤は俺に触られた所を撫でながら、ぎこちなく貼り付けたような笑みを浮かべる。
その目は...冷たかった。
もう用はないというように、須藤は歩き出した。
なんとなく、ぼーっとその様子を見つめていると須藤が歩き出した先には千透星くんがいた。
ふと、千透星くんと目が合って、千透星くんが俺の後をついてきていたことに気がついた。
俺はパッと顔を逸らしてトイレに向かった。
やっと昼休みになった。
俺はあの後も千透星くんに話しかけられることはなかったものの、強烈な視線を送られ続けた。
それに耐えきれず、俺は授業2時間分サボっている。それ以外は、授業が終わった後の毎時間、トイレに行き、徹底的に千透星くんを避けている。
おかしいな、
千透星くんにいじめられていた時は目線だけで会話できていた所もある。
それが当たり前でもあった。
千透星くんは凄い、千透星くんの機嫌だけでクラスの空気が変わってしまうんだ。
千透星くんが誰かを鋭く睨むだけで、皆恐れ戦く、美人が怒ると怖いんだろう。
だから皆、千透星くんの顔を伺っている、誰も逆らえやしないんだ。
そんな千透星くんが俺の事を好きになるはずなかったんだ。勘違いも甚だしい。
その気になれば俺が千透星くんを操れると思っていた。自分は神様だって勘違いしていた。
俺にとって、千透星くんは神様だったのかもしれない。
俺の存在意義だったのかも、
いじめられることでクラスでいじめられっ子としての唯一の地位を確立していたのかも、
今となってはそんなことを思う。
俺は千透星くんを避けるように立ち上がって弁当を持ち、足早に“保健室“に向かった
何をするかって、飯を食べるだけだ。
さすがの俺でも便所飯はキツかった。
臭いし、何より俺はさっき授業をサボり、人通りの少ない地下のトイレの個室で携帯をいじっていたが、そこがヤンキーの溜まり場だった事を忘れていて数時間トイレから出られなかった。
その後、ずっと開かない個室をヤンキーは面白がって花子さん扱いされ、我慢の限界で個室からでたら、俺のいちご牛乳達の噂が広まっていたのかヤンキーですら俺を恐れていた。何なんだ、俺。
上記の事から、俺は保健室で食べさせて貰えるか、お願いしに行こうと言うわけだ。
食べれるのかも知らないし、分からないが、あの保健室の先生なら、ギリいける。
食べさせてくれるだろう。
いっその事、これがいけたら、保健室登校になっちゃおっかな。
親にバレない程度にサボらせてもらって...俺保健の先生好きだし!
けどなぁ...保健の先生に今目付けられてるかもしんないんだよなぁ...
俺保健室常連じゃないのに、泣きながら廊下爆走、いちご牛乳殴った、このことから俺、担任からしたら列記とした問題児扱いなうですよ。
泣いちゃう。
バカな事考えてると、また姉ちゃんに馬鹿にされる。
こうゆう時は、姉ちゃんを考えるに限る、気持ち悪いが、姉ちゃんはそうゆう対象になり得ないから...なんだか、気が楽なんだ。
だけど、日常生活で姉ちゃんについて考えるなんて、俺も相当なシスコンなのかも...
そんなこと考えてると、保健室に着いた...
...だが、
保健室のトビラには張り紙があった、そこには、
“先生は不在です“
...と、書かれてあった。
...終わった!!
ふざけるな!俺に居場所はないのかよ!
朝だって千透星くんの彼氏から菌みたいな扱いされるし!ヤンキーに花子さん扱いされるし!俺いちご牛乳殴っただけで都市伝説なった覚えねーよ!!
ヤケになってドアを蹴ったり、ドアノブをガチャガチャしてるとドアが不意に空いてよろけた。
「...え?壊した?」
いや、そんなことないよな、ドアが空いてるってことは元々空いてたってことさ、うん。
なのに、保健室は真っ暗で所々カーテンから昼の日差しが刺しているだけだった。
なんだか、
怖い。
そう思って引き返そうとしたが、
近くで先生の声がして、先生が不在と思っきし書かれている保健室のドアをぶっ壊した奴と思われて今度こそ停学になったらと、
頭がフル回転して、俺は保健室に飛び込み、扉を閉めた。
先生の足音が保健室から遠のくのを確認するとその場にへたりこんだ。
「...はぁ、何してんだ、俺」
飯だけ食ったら、バレないように早退しよっかな。
体調悪かったとか言えばどうにかなる、姉ちゃんは...ホントの事言えば悲しむかなぁ...
とりあえず、ご飯を食べたあと、考えよう。
ご飯は全てを解決する。そう思う。
俺はとりあえず、近くにあったテーブルに弁当を置いて椅子に腰掛けた。
今日のお弁当はなんだろな~、
姉ちゃんセレクトの冷凍食品だから美味いのかな~、昨日の夕ご飯の残りかもな~
...唐揚げだ!!
テンションぶち上げだ!
るんるん気分で、食べるぞと箸を持ち唐揚げを掴んだ時だった、
ガササッと、保健室のベットの方から音がする。
はっ...?何?
心霊現象...??
てか、驚きすぎて床に唐揚げ落としたし!!
俺以外に誰かいるってことか...?
俺は怖いもの見たさで、ベットの方に足を進める。
もちろん、本当に幽霊だったら困るので、スマホのライトを照らしながら、十字を切って歩いている。俺の方が幽霊だ。
段々と、ベットに近づくと、モゾモゾと音がしたり、何を言っているか分からないが声?のようなものがすることが分かった。
確定で、人だ。
きっと、俺の前にドアをぶち壊した奴だろう。だって、俺はドア壊してねーし、うん。
サボりなのかな...?きっとドアもぶち壊してまで保健室に入る奴だからろくな奴じゃない。
...けど、焦っているのか、物音が大きくなるのが面白くて...
俺は遊ぶように、ベットに近づく度、足音を大きくしていた。
ベットのカーテンの仕切りまで来ると、しんと、物音はしなくなった。
よし...と、息を飲み、カーテンに手をかけた時だった。
「わっ...!」
急にカーテンが開き、男子生徒が出てきた。
背高っ!!めちゃくちゃイケメンだし...年上?高3か...?
俺と連続回避本能をした後、イケメンは駆け足で去っていった。
ぼーっとイケメンが走り去るの見つめる。
...俺が避けようとしたのに、アイツも避けてきたな...
なんだアイツ...
こうゆうことあると外出たく無くなる...
「ねぇ、」
「へっ...」
声が聞こえてきた方向、ベットの方に目を向ける。
...そこには須藤千尋がいた。
あられもない姿で。
「うわっ...」
事後!事後!事後!
ベットの上に脱ぎ捨てられたベスト、須藤は突然のことに無理やり着させられたような制服のシャツ、ズボンは社会の窓が空いていてパンツが丸見えである。
肌面積が多くて目に悪く、思わず目を手で覆ったが、突然のことに俺は絵文字の覗き見る顔をしていた。
つまり、手で覆ったことは意味をなしていない、
「なんでいるの?」
「なんでいるのって...お前の方こそ...てか、ちぃちゃんは!?」
浮気じゃんこれ!!
ベットで何してたかは知らないけど確定でヤッてるって!!
千透星くんに言いつけてやる!!と、小ガキ並にはしゃぐ俺、多分みとっもない。
連射して証拠を取るために、スマホをライトからカメラに切り替えようといじっていると、須藤はこちらに近づき、俺のスマホのカメラの部分を手で覆って下げた。
須藤は俺をじっと見つめる。
「ちぃくんに言うつもりでしょ、」
「当たり前だろ...」
...当たり前なのか?
仮にも、幼馴染の恋人が浮気している現場を目撃したら幼馴染本人に伝えるべきでしょうか。いますぐにでも知恵袋の力を借りたい。
が、現実はそんな時間くれないもので、
「口止め料、」
「は?」
なんの事か分からず困惑しているとスマホから俺の手首へと、須藤の手が伸びてきた。
「ちょっ...!」
「あげるよ。」
そういった後、須藤は俺の手首を引っ張り、ベットに倒れた。
その勢いで俺も倒れて手をついたが...
これじゃあ、まるで俺が須藤を押し倒しているような構図じゃないか!!
何も言わずにただ、ひたすら困惑していると、須藤が俺の首へ自身の腕を回して、まるでこの状況から俺を逃がさないようにと、強く抱きしめてきた。
すると、俺の耳の横で囁くように
「...好きにヤらせてあげるから、誰にも言わないでね」
「は?何...?」
意味わかんねぇ...なんだコイツ...
須藤の顔を凝視していると、須藤は静かにため息を着いたあと、俺に口付けてきた。
驚いた隙をつかれて、口内に舌を入れられた。
「はっ...ふッ!?んんッ...!」
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!!
俺の初キッスが!!
頭を押さえられていて離れようにもどうにも離れられない、ベットを叩いたりぐらいしかできない。
上手く呼吸出来ない!!息できない!
こんなので死んだらたまったもんじゃない!!
生理的な涙が滲んで、あぁ、俺ほんとに死ぬんだと自覚する。
思いっきり目をつぶり、
心の中で叫ぶ。
も゙う!!
だれが!!!
たすけて!!!
その時、ガチャガチャと保健室のドアを開ける音がして、それと同時に須藤の方から手と口を離された。
キスに気を取られていて、音に気づかず、思わず須藤の方に上半身をへたりこんでしまった。
足音が段々と近づき、
俺の後ろで止まった。
「な...なんで...」
後ろの人がブツブツ何かを言ってるのが聞こえて、現実に引き戻された。
俺は須藤の上から飛び起きて後ろの方を振り向いた。
「...え...」
「ち...とせ、くん...」
俺の後ろにいたのは、
千透星くんだった。
前とは別の意味でドキドキしながら、教室のドアを開ける。
空気が一瞬ピリつき、クラスメイトは俺を一瞥したあと、空気は元に戻る。
はい、
俺は腫れ物になりました。
誰も俺に話しかけるやつはいない。ある意味、俺は無敵の人なのかもしれない。
昨日のいちご牛乳達を殴った日、放課後は担任に呼び出され、事情を聞かれた。
俺は直近で泣きながら廊下を走るという奇行をしていたので、それも含めて聞かれた。
あの時間は地獄だった。
俺は俺のいじめにも気づかないゴミ担任(言い過ぎ?)の事だからと、しらばっくれて、何も言わないようにしたが、唐突に千透星くんの名前が出てきた時はあからさまに動揺してしまった。
千透星くんのことは口が裂けても言えなかった。
あの時、自覚してしまった。
俺の言っていることはおかしいけれど、
“千透星くんがいじめるのは俺でなきゃならない“
じゃないと嫌だ、そうゆう感情に支配された。
あの時、殴ったのだって、千透星くん以外にいじめられるだなんて我慢ならなかったからだ。
お前らが俺をいじめてなんの価値があるんだ。
あの時、頭がおかしかったのは認める。
自分がいじめられるためだけに生まれたなんてありえない、
けど、
もしそうなら
“好きな人にいじめられたい“
...そう、
思った。
担任は、俺がいじめられているのを気づいていたようで、俺が何も言わないのを返答と見なしたのか、あくまでも、“俺の気持ちをくんで“だれも処分を下さなかった。
親には叱られた。
どんな事があっても先に手を出した方が悪いらしい。
が、姉は泣きそうな顔をしながらもよくやったと褒めてくれた。
姉ちゃんは、俺の気持ちは理解できないだろう、だから喧嘩もする。
でも、それでも、俺の理解者ではなくても、否定はしない。それに違和感を覚えながらも俺は姉ちゃんを悲しませない為に今日も学校に通う。
いちご牛乳達は俺に絡まなくなったが、裏で俺に何をされたかを話しているようだった。
クラスメイトが俺を見て、ヒソヒソと話しているのがよく聞こえる。
これでも、いじめられている時よりは状況がいいのが不思議だ。
けど、俺としては今の状況の方が辛い、
今の俺の状況に自覚してしまっているし、俺は相当気持ち悪いことが自分でひどいくらい分かる。
それでも学校には通わなくちゃ...
それに俺は、千透星くんへの気持ちが諦められてない。一人で失恋だなんだと騒いでいた割にはまだ...好きだ。
だから...
そんなあからさまに見られると...
どうゆう反応をすればいいか分からない...
今、千透星くんの視線が痛い。
チラチラと彼が見てくるのが分かる。
千透星くんの席は教室の端っこ、主人公ポジなのだが、俺はその真反対だ。
入口に最も近い席。
つまり、こんな距離からも分かるくらい千透星くんは俺をガン見している。
いつもだったら気だるげに携帯を弄っているだけなのに...
朝礼が始まるまで...どうしていようか。
とりあえずで席を立ち、手持ち無沙汰で携帯を手に取り、とりあえずでトイレに向かう。
俺と同時に立ち上がった千透星くんには見ないふりをした。
廊下には教室に向かう生徒がちらほらいる、俺はその波に逆らって迷いなく歩く、
なんだか、
すれ違う人全員が俺を見ているみたいな感覚が抜けない。
アイツだろ?人殴ったの
無理やり屋上連れてったんだって、
階段から落とそうとしたらしいよ
すれ違いざま、全員にそう、言われている気がする。
なんだか嫌な気分になって、
俯いて、不快な気持ちを振り払うようにしていたら早足になった、
そうしていると、教室の角を曲がったところで人とぶつかってしまった。
俺のせいで勢いあまってしまい、相手の方が少しよろけた。
危ない、と振り返って相手の手首を掴むと、相手の方が短く声を上げた。
「...え、“ちぃちゃん“...?」
ぶつかった相手は紛れもない、千透星くんの彼氏の“ちぃちゃん“こと、須藤千尋だった。
思わず、相手の手首を掴んでいることを忘れ、顔を凝視するしていると、須藤の方が俺の手を勢いよく振り払った。
「えっと...ごめんね、小鳥遊くん。」
須藤は俺に触られた所を撫でながら、ぎこちなく貼り付けたような笑みを浮かべる。
その目は...冷たかった。
もう用はないというように、須藤は歩き出した。
なんとなく、ぼーっとその様子を見つめていると須藤が歩き出した先には千透星くんがいた。
ふと、千透星くんと目が合って、千透星くんが俺の後をついてきていたことに気がついた。
俺はパッと顔を逸らしてトイレに向かった。
やっと昼休みになった。
俺はあの後も千透星くんに話しかけられることはなかったものの、強烈な視線を送られ続けた。
それに耐えきれず、俺は授業2時間分サボっている。それ以外は、授業が終わった後の毎時間、トイレに行き、徹底的に千透星くんを避けている。
おかしいな、
千透星くんにいじめられていた時は目線だけで会話できていた所もある。
それが当たり前でもあった。
千透星くんは凄い、千透星くんの機嫌だけでクラスの空気が変わってしまうんだ。
千透星くんが誰かを鋭く睨むだけで、皆恐れ戦く、美人が怒ると怖いんだろう。
だから皆、千透星くんの顔を伺っている、誰も逆らえやしないんだ。
そんな千透星くんが俺の事を好きになるはずなかったんだ。勘違いも甚だしい。
その気になれば俺が千透星くんを操れると思っていた。自分は神様だって勘違いしていた。
俺にとって、千透星くんは神様だったのかもしれない。
俺の存在意義だったのかも、
いじめられることでクラスでいじめられっ子としての唯一の地位を確立していたのかも、
今となってはそんなことを思う。
俺は千透星くんを避けるように立ち上がって弁当を持ち、足早に“保健室“に向かった
何をするかって、飯を食べるだけだ。
さすがの俺でも便所飯はキツかった。
臭いし、何より俺はさっき授業をサボり、人通りの少ない地下のトイレの個室で携帯をいじっていたが、そこがヤンキーの溜まり場だった事を忘れていて数時間トイレから出られなかった。
その後、ずっと開かない個室をヤンキーは面白がって花子さん扱いされ、我慢の限界で個室からでたら、俺のいちご牛乳達の噂が広まっていたのかヤンキーですら俺を恐れていた。何なんだ、俺。
上記の事から、俺は保健室で食べさせて貰えるか、お願いしに行こうと言うわけだ。
食べれるのかも知らないし、分からないが、あの保健室の先生なら、ギリいける。
食べさせてくれるだろう。
いっその事、これがいけたら、保健室登校になっちゃおっかな。
親にバレない程度にサボらせてもらって...俺保健の先生好きだし!
けどなぁ...保健の先生に今目付けられてるかもしんないんだよなぁ...
俺保健室常連じゃないのに、泣きながら廊下爆走、いちご牛乳殴った、このことから俺、担任からしたら列記とした問題児扱いなうですよ。
泣いちゃう。
バカな事考えてると、また姉ちゃんに馬鹿にされる。
こうゆう時は、姉ちゃんを考えるに限る、気持ち悪いが、姉ちゃんはそうゆう対象になり得ないから...なんだか、気が楽なんだ。
だけど、日常生活で姉ちゃんについて考えるなんて、俺も相当なシスコンなのかも...
そんなこと考えてると、保健室に着いた...
...だが、
保健室のトビラには張り紙があった、そこには、
“先生は不在です“
...と、書かれてあった。
...終わった!!
ふざけるな!俺に居場所はないのかよ!
朝だって千透星くんの彼氏から菌みたいな扱いされるし!ヤンキーに花子さん扱いされるし!俺いちご牛乳殴っただけで都市伝説なった覚えねーよ!!
ヤケになってドアを蹴ったり、ドアノブをガチャガチャしてるとドアが不意に空いてよろけた。
「...え?壊した?」
いや、そんなことないよな、ドアが空いてるってことは元々空いてたってことさ、うん。
なのに、保健室は真っ暗で所々カーテンから昼の日差しが刺しているだけだった。
なんだか、
怖い。
そう思って引き返そうとしたが、
近くで先生の声がして、先生が不在と思っきし書かれている保健室のドアをぶっ壊した奴と思われて今度こそ停学になったらと、
頭がフル回転して、俺は保健室に飛び込み、扉を閉めた。
先生の足音が保健室から遠のくのを確認するとその場にへたりこんだ。
「...はぁ、何してんだ、俺」
飯だけ食ったら、バレないように早退しよっかな。
体調悪かったとか言えばどうにかなる、姉ちゃんは...ホントの事言えば悲しむかなぁ...
とりあえず、ご飯を食べたあと、考えよう。
ご飯は全てを解決する。そう思う。
俺はとりあえず、近くにあったテーブルに弁当を置いて椅子に腰掛けた。
今日のお弁当はなんだろな~、
姉ちゃんセレクトの冷凍食品だから美味いのかな~、昨日の夕ご飯の残りかもな~
...唐揚げだ!!
テンションぶち上げだ!
るんるん気分で、食べるぞと箸を持ち唐揚げを掴んだ時だった、
ガササッと、保健室のベットの方から音がする。
はっ...?何?
心霊現象...??
てか、驚きすぎて床に唐揚げ落としたし!!
俺以外に誰かいるってことか...?
俺は怖いもの見たさで、ベットの方に足を進める。
もちろん、本当に幽霊だったら困るので、スマホのライトを照らしながら、十字を切って歩いている。俺の方が幽霊だ。
段々と、ベットに近づくと、モゾモゾと音がしたり、何を言っているか分からないが声?のようなものがすることが分かった。
確定で、人だ。
きっと、俺の前にドアをぶち壊した奴だろう。だって、俺はドア壊してねーし、うん。
サボりなのかな...?きっとドアもぶち壊してまで保健室に入る奴だからろくな奴じゃない。
...けど、焦っているのか、物音が大きくなるのが面白くて...
俺は遊ぶように、ベットに近づく度、足音を大きくしていた。
ベットのカーテンの仕切りまで来ると、しんと、物音はしなくなった。
よし...と、息を飲み、カーテンに手をかけた時だった。
「わっ...!」
急にカーテンが開き、男子生徒が出てきた。
背高っ!!めちゃくちゃイケメンだし...年上?高3か...?
俺と連続回避本能をした後、イケメンは駆け足で去っていった。
ぼーっとイケメンが走り去るの見つめる。
...俺が避けようとしたのに、アイツも避けてきたな...
なんだアイツ...
こうゆうことあると外出たく無くなる...
「ねぇ、」
「へっ...」
声が聞こえてきた方向、ベットの方に目を向ける。
...そこには須藤千尋がいた。
あられもない姿で。
「うわっ...」
事後!事後!事後!
ベットの上に脱ぎ捨てられたベスト、須藤は突然のことに無理やり着させられたような制服のシャツ、ズボンは社会の窓が空いていてパンツが丸見えである。
肌面積が多くて目に悪く、思わず目を手で覆ったが、突然のことに俺は絵文字の覗き見る顔をしていた。
つまり、手で覆ったことは意味をなしていない、
「なんでいるの?」
「なんでいるのって...お前の方こそ...てか、ちぃちゃんは!?」
浮気じゃんこれ!!
ベットで何してたかは知らないけど確定でヤッてるって!!
千透星くんに言いつけてやる!!と、小ガキ並にはしゃぐ俺、多分みとっもない。
連射して証拠を取るために、スマホをライトからカメラに切り替えようといじっていると、須藤はこちらに近づき、俺のスマホのカメラの部分を手で覆って下げた。
須藤は俺をじっと見つめる。
「ちぃくんに言うつもりでしょ、」
「当たり前だろ...」
...当たり前なのか?
仮にも、幼馴染の恋人が浮気している現場を目撃したら幼馴染本人に伝えるべきでしょうか。いますぐにでも知恵袋の力を借りたい。
が、現実はそんな時間くれないもので、
「口止め料、」
「は?」
なんの事か分からず困惑しているとスマホから俺の手首へと、須藤の手が伸びてきた。
「ちょっ...!」
「あげるよ。」
そういった後、須藤は俺の手首を引っ張り、ベットに倒れた。
その勢いで俺も倒れて手をついたが...
これじゃあ、まるで俺が須藤を押し倒しているような構図じゃないか!!
何も言わずにただ、ひたすら困惑していると、須藤が俺の首へ自身の腕を回して、まるでこの状況から俺を逃がさないようにと、強く抱きしめてきた。
すると、俺の耳の横で囁くように
「...好きにヤらせてあげるから、誰にも言わないでね」
「は?何...?」
意味わかんねぇ...なんだコイツ...
須藤の顔を凝視していると、須藤は静かにため息を着いたあと、俺に口付けてきた。
驚いた隙をつかれて、口内に舌を入れられた。
「はっ...ふッ!?んんッ...!」
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!!
俺の初キッスが!!
頭を押さえられていて離れようにもどうにも離れられない、ベットを叩いたりぐらいしかできない。
上手く呼吸出来ない!!息できない!
こんなので死んだらたまったもんじゃない!!
生理的な涙が滲んで、あぁ、俺ほんとに死ぬんだと自覚する。
思いっきり目をつぶり、
心の中で叫ぶ。
も゙う!!
だれが!!!
たすけて!!!
その時、ガチャガチャと保健室のドアを開ける音がして、それと同時に須藤の方から手と口を離された。
キスに気を取られていて、音に気づかず、思わず須藤の方に上半身をへたりこんでしまった。
足音が段々と近づき、
俺の後ろで止まった。
「な...なんで...」
後ろの人がブツブツ何かを言ってるのが聞こえて、現実に引き戻された。
俺は須藤の上から飛び起きて後ろの方を振り向いた。
「...え...」
「ち...とせ、くん...」
俺の後ろにいたのは、
千透星くんだった。
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