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女王様の言うことは
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「貴方はどう?」
「お、俺ですか?」
ハインツは動揺している。がんばれ! 私は心の中でエールを送った。
「貴方は移住する気はある? この城で働くなら歓迎するわ。体力もありそうだし、兵士でも十分やっていけると思うけれど」
「俺は……その……」
ハインツは何故か私の方をちらちらと見てくる。助け舟が欲しいのだろうか、でもどう助ければいいのか分からない。彼はやがて意を決したらしくカナンさんに向かって言った。
「俺は、エコさんがここに住むなら、ちょっと考える、ですけど……」
「エコが? 何で? あ、二人ともそういう関係?」
「違います」
私はつい突っ込んでしまった。何故ハインツの移住話で私が関係あるんだ。私のことを気遣ってくれるのは嬉しいけど。カナンさんの生暖かい視線が痛い。違います、彼は善意で言ってくれてるだけなんですよ……。
「貴方たち二人ここで家庭を築けばいいじゃない。私が口添えをするし、絶対に不憫な暮らしはさせないから」
「カナンさん、私はここで暮らすつもりは」
「痴れ事を」
突然ユリスが厳しく吐き捨てた。空気が凍る。
「我々は貴様の遊び道具ではないぞ女王。言葉が過ぎるようならこちらも対応を変えざるを得ない」
「……何で怒ってるの?」
出た。ユリスの突然怒り。以前経験済みの私はまだしも、カナンさんはすっかり困惑している様子だ。首を傾げ、ユリスの強張った表情を見つめている。私は怖くて目を逸らしたのに、彼女は負けず劣らず気が強いようだ。すぐに言い返した。
「別に私だって冗談で言ってるわけじゃないわ。本気。いくら貴方が主でも、この子たちが今後どうするかは、貴方が決めることじゃないでしょう?」
「いいや。私が決めることだ」
きっぱり言い切った。躊躇いが無い。カナンさんはさすがに鼻白んだようだった。不安そうに私を見る。
「ねえ、どういう関係なの貴方たちは? エコは世話係なんだっけ?」
「ええっと、私はですね……」
「その女は私のものだ。他にやるわけにはいかん」
ユリスの発言で場が冷え切った。氷よりも冷たい。私は恐る恐るユリスをチラ見して、私を睨んでいるのを確認して、カナンさんに視線を戻した。カナンさんは呆気に取られた顔をしている。
エコさんは物じゃない! とハインツがユリスに食って掛かる中、カナンさんは乾いた声で「まさに貴族って感じ……」とぼんやり呟いた。そして私に身を寄せる。
「エコ、貴方大丈夫?」
「あ、ああ、えっと、すみません気を使って頂いて」
カナンさんが気遣いたっぷりに優しく声をかけてくれた。その優しさが染みすぎて痛い。
「ねえエコ、本当に辛かったら言ってね? お金のこととかなら私でも何とか出来るし。どうしても嫌なら今すぐにでも私が保護してあげられるけど」
「ありがとうございます……。そう言ってもらえるだけで十分です」
まるでユリスが悪者だけど、別にそこまで悪い人じゃないんですよ。本当です。今それを主張しても逆効果だろう。私は彼女を安心させる為にもとりあえず笑みを浮かべた。
「他に用は」
ユリスが短く言った。苛ついているようだ。カナンさんは首を振る。
「もういいわ。人の家のことにあまり口出ししたくはないけど、エコのことは大事にしてあげて。その様子じゃいつ離れてもおかしくないから。ねえミケ……って、寝てる?」
ずっと黙っているとは思ったけれど、この騒動を尻目にミケはぐっすり眠っていた。羨ましい。
ハインツがミケをベッドに寝かせ、そのまま全員解散となった。ユリスは不機嫌に部屋を出て行き、ハインツがそれを追い、カナンさんは最後まで私を心配しながら自分の部屋へ戻って行った。
「お、俺ですか?」
ハインツは動揺している。がんばれ! 私は心の中でエールを送った。
「貴方は移住する気はある? この城で働くなら歓迎するわ。体力もありそうだし、兵士でも十分やっていけると思うけれど」
「俺は……その……」
ハインツは何故か私の方をちらちらと見てくる。助け舟が欲しいのだろうか、でもどう助ければいいのか分からない。彼はやがて意を決したらしくカナンさんに向かって言った。
「俺は、エコさんがここに住むなら、ちょっと考える、ですけど……」
「エコが? 何で? あ、二人ともそういう関係?」
「違います」
私はつい突っ込んでしまった。何故ハインツの移住話で私が関係あるんだ。私のことを気遣ってくれるのは嬉しいけど。カナンさんの生暖かい視線が痛い。違います、彼は善意で言ってくれてるだけなんですよ……。
「貴方たち二人ここで家庭を築けばいいじゃない。私が口添えをするし、絶対に不憫な暮らしはさせないから」
「カナンさん、私はここで暮らすつもりは」
「痴れ事を」
突然ユリスが厳しく吐き捨てた。空気が凍る。
「我々は貴様の遊び道具ではないぞ女王。言葉が過ぎるようならこちらも対応を変えざるを得ない」
「……何で怒ってるの?」
出た。ユリスの突然怒り。以前経験済みの私はまだしも、カナンさんはすっかり困惑している様子だ。首を傾げ、ユリスの強張った表情を見つめている。私は怖くて目を逸らしたのに、彼女は負けず劣らず気が強いようだ。すぐに言い返した。
「別に私だって冗談で言ってるわけじゃないわ。本気。いくら貴方が主でも、この子たちが今後どうするかは、貴方が決めることじゃないでしょう?」
「いいや。私が決めることだ」
きっぱり言い切った。躊躇いが無い。カナンさんはさすがに鼻白んだようだった。不安そうに私を見る。
「ねえ、どういう関係なの貴方たちは? エコは世話係なんだっけ?」
「ええっと、私はですね……」
「その女は私のものだ。他にやるわけにはいかん」
ユリスの発言で場が冷え切った。氷よりも冷たい。私は恐る恐るユリスをチラ見して、私を睨んでいるのを確認して、カナンさんに視線を戻した。カナンさんは呆気に取られた顔をしている。
エコさんは物じゃない! とハインツがユリスに食って掛かる中、カナンさんは乾いた声で「まさに貴族って感じ……」とぼんやり呟いた。そして私に身を寄せる。
「エコ、貴方大丈夫?」
「あ、ああ、えっと、すみません気を使って頂いて」
カナンさんが気遣いたっぷりに優しく声をかけてくれた。その優しさが染みすぎて痛い。
「ねえエコ、本当に辛かったら言ってね? お金のこととかなら私でも何とか出来るし。どうしても嫌なら今すぐにでも私が保護してあげられるけど」
「ありがとうございます……。そう言ってもらえるだけで十分です」
まるでユリスが悪者だけど、別にそこまで悪い人じゃないんですよ。本当です。今それを主張しても逆効果だろう。私は彼女を安心させる為にもとりあえず笑みを浮かべた。
「他に用は」
ユリスが短く言った。苛ついているようだ。カナンさんは首を振る。
「もういいわ。人の家のことにあまり口出ししたくはないけど、エコのことは大事にしてあげて。その様子じゃいつ離れてもおかしくないから。ねえミケ……って、寝てる?」
ずっと黙っているとは思ったけれど、この騒動を尻目にミケはぐっすり眠っていた。羨ましい。
ハインツがミケをベッドに寝かせ、そのまま全員解散となった。ユリスは不機嫌に部屋を出て行き、ハインツがそれを追い、カナンさんは最後まで私を心配しながら自分の部屋へ戻って行った。
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(追記2018.07.24)
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今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
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