第二次戦国時代

豆大福

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愛知編

第2話 苦労

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 知事の朝は早い。朝の3時に起床、そして5時には県庁に出勤だ。そこから午前中はずーとパソコンと睨み合いを続け、午後からは災害の復旧作業の指揮を取らないといけない。夜になってからも今後の方針について何回も会議に参加し、トドメに俺を支持してくれた有権者との会合もある。
そんなブラック企業と変わらない残業を繰り返していたら勝手に体が壊れるのも必然だ。
だが、出勤しなければならない。もし少しでも問題を起こしたら、謝罪会見待ったなしである。誹謗中傷は当たり前、俺の家に落書きまでされたり、石を投げられたり、なんなら俺の家族にまで危害を加えようとするのだ。
まぁ、そうなっても仕方がないだろう。ただでさえ家を無くし、財産も無くした人たちから我らは"税金を払え"と無情な言葉を与えるのだから、、、。
こちら側だってそんなことはしたくはない。だけど、しなければこの愛知は終わる。
それぐらい追い込まれているのが現状だ。

 そんなことを考えながら私はいつも通り出勤、、、、、するはずがない。今はコメダ珈琲でモーニングセットを食べている。この疲れ切った体と心がこの甘いコーヒーとバターたっぷりのトーストと甘ーいあんこを欲しているからだ。それを食べながら外を眺めていると今にも崩れそうな名古屋城の復旧作業に取り掛かっていた。みなは疑問に思わないだろうか。
 何故、少ない税金を名古屋城の復旧に使うのは間違っていると思う人は多くいるだろう。建前では愛知県のシンボルだからである。だが、本当は私の趣味でやってることだ。生憎私は巷で噂の"歴史オタク"である。正直もう知事としての仕事は疲れた。そのため職務なんかどうでもいい。私はこの歴史の復旧さえして来れば後はどうでもいいのだ。

 そんなことをしていたら私の目の前に黒いスーツを着た若い男達が呆れた顔で見ていた。

 「、、、、、、、、知事、念のために聞きます。何をしていらっしゃるのです?」

「、、、食事だが何か」

「職務は、どうなさったのですか」

「知らん」

この一言でその男は呆れを通り越して失望した顔でこちらを見ていた。

「高杉知事。戻りますよ。我らSPがとれだけ焦ったと思っているんです!」

そして俺の大切なモーニングセットが奪い取られ、公用車に連行された。

名古屋県庁 執務室
そこの空気はまさしく最悪だった。多くの官僚が集まっているがみんな落ち着きがなく、ただただ報告を待っている状況だ。
そんな中、一人のSPがドアを開き言葉を発した。
「先程無線にあったのですがコメダ珈琲にて知事を確保いたしました。」
そのあと、ワックスをしていたダンディな男が
「ご苦労。下がっていいぞ」
と伝え、ドアが閉まった。瞬間その男が大声で
「あいつは頭がおかしいのか。何で悠長にモーニングをしているんだ」

その両隣にいた70ぐらいで綺麗な白髪のおじいちゃんと髪を茶色の軍服を着た30ぐらいの女性も声をあげた。

「やはり無理じゃったな、永田副知事。今さら焦ってもしょうがないじゃろ」

「そうよ。どっちにしろこうなることは誰もが予想していたこと。やはり彼にはその器が無かった。それだけよ」

その答えに永田は間髪入れずに
「待て、もう少し様子を見るべきだろ。田川市長。」

「いや、もう手遅れだ。彼にはこの混乱した愛知をまとめていけるとは到底思えん。よって例の計画の通りに進むぞ。早見中将。陸軍に連絡してくれ」

「やるのですね、、、、、、」

彼女は少しためらった顔をしていた為、それを見た田川は冷たく現実を伝えた。

「あぁ、もうあいつは知事ではない。散々にわたる失敗の連続。この負の連鎖を止めるのが君の仕事だ」

そういうと彼女は軍隊独自の無線を繋げてこう伝えた。

「直ちに待機している第一普通科連隊は知事の確保に迎え。丁重にもてなすように」 
と。






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