名も無い忌子

蜘優桜

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鳴り響く運命

危機

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「みんな、学校が囲まれてる」心優がわたしたちに静かに言った
___
え…嘘…信じられない気持ちもあった
だってこの学校___緑ヶ丘学園はとても広い
そんな場所を囲むのは生半可な気持ちでは絶対しない…
それに大勢の敵がいると言うことになる
「とりあえず、なんとかしないと…!」気づいたら声に出ていた
「ひびちゃん、しー」心優が小さい声で言った
確かにそうだ…周りがパニックになるかもしれない…
「えー‼︎やばいじゃん‼︎」
「この大アホ‼︎言われたそばから…」
奈一はわたしが注意されたそばから大きな声を出した
「ちょっと、偵察に行ってくる」心優はそう言い放ったあと驚くことに窓を開けて窓から飛び降りた
それは自殺行為に等しいことだった
何故かこの学校は一年生の教室は4階だ大部と高さがあり、打ちどころが悪ければ死ぬだろう
けど、あの子はしっかり着地した
あっちは心配なさそう、なら___
「先生!学校が悪魔に囲まれているらしいです。みんなを安全な場所へ」近くにいた担任に多少急な気もするが状況説明をして避難誘導を手伝ってもらおうと声をかける
「本当?」担任は少し戸惑い、疑っている
「はいッ!こんなとこで嘘つく人が何処にいるんですか!」
「なら大変じゃない!何処かに逃げないとッ!」信じてくれたらしい
「…なぁ、囲まれてんのにどうやって逃げんだ?」今まではいなかった心美は静かにわたし達を見つめている
「そ、それは…!どうにか⁉︎」担任は戸惑っている
「…なんも考えてねぇのかよ…」心美は少し呆れているようだった
「!で、でも…‼︎」謎に対抗心むき出しな担任
「いいぜ、オレが逃してやるよ」心美は不敵な笑みでそういった
「?」訳がわからないと言うふうに顔を歪める担任
「オレが生徒達を背負って行けば視認が出来ねぇ速度で逃げれる。どうする?」心美が怪しげに笑いながら言う
「わかった!それで行きましょう!」担任は乗り気のようだ


___数分後
「チッ…」クソ…!悪魔はあいつらを逃した場所まで来ていた
正直言ってコイツらはそこまで強くはない…だが___オレとて、うちの学年全員を守りながら戦うのには限界がある
心優に頼まれたんだ‼︎守り切らなきゃッ!
___!
「フッあっはははは!」良いこと思いついたぞ…!ちょっとだけ本気を見せてやろう…!あっ…でも人間が…全員気絶させるか…いや___
パチンッ
オレが指パッチンをした瞬間オレと敵を囲むように炎の壁が現れた
こうすればアイツらからオレは見えない
「…!」
「こんなんで怯んでんじゃねぇよ」
「こっからが本番だ‼︎」
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