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そう、俺は一般人、のはずだった。
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「ど、どういうことだよ・・・・っ」
周囲一帯に広がる暗闇。
どことなく寒さを感じさせる冷気は、俺の望んでいたものではない。
「俺が魔王って、どういうことだよ!?」
おいおい待て待て。
展開が急すぎやしないか?
なんか、あっという間に過ぎた気がする。
あまりにも怒濤の展開に、俺の頭がついていってない。
こうなった理由があるはずだ。
・・・・・・たぶん。
ちょっと、落ち着いて思い返そう。
俺は、普通の高校生だった。
勉強も運動も人並みくらいで、誰から注目を集めることなんてない。
異変が起きたあの日は、なにも変わりない日々だったはずだ。
暖かい陽光に眠気を感じながら、学校に向かった。
あくびを噛み殺しながら教室に入ると、見慣れた二人が俺に駆け寄ってくる。
「おはよ~、一八~」
「おっす、一八!」
「・・・・・・おう」
元気に挨拶をして来たのは、保育園から一緒の、幼馴染みたちだ。
それにそっけない返事をしながら、俺は席についた。
「なんか、眠そうだね?」
こいつ、赤木玲奈(あかぎれいな)は、スポーツ万能に成績優秀。
それに顔も可愛く、誰にたいしても笑顔を向けてくるから、男子からの人気は高い、が、
「ちゃんと寝てんのかぁ?」
この、もう一人の幼馴染み、神崎類(かんざきるい)と出来ちゃっている。
いやまあ、正直腹立たしくてしかたがないが、どうしようもないことではあった。
類の方も、勉強はできないが、運動はずば抜けている。得意の陸上では、県内1位。全国と渡り合える力も持っているとか。
それに、気さくな性格から、こいつを嫌うやつも少ない。
そんなわけで、二人が付き合うのは、もうほぼ決まっていたことだ。
ただ、この輪に毎回入れられる俺の気持ちになって欲しいとは思うのだが、
俺が頬杖をついて、眠気でまぶたを半分下ろしていても、二人はやかましく話しかけてくる。
「一八、今日のニュース見たか?」
「あぁ、物騒だな」
「だよね!もう、20人もいなくなっているらしいよ!」
おぉ、なんか会話が繋がった。
正直言って、俺はこの二人があまり好きではない。だから適当に、こうして話を流している。
何となく、話って繋がるもんだね。
俺が感慨に耽っているのをよそに、二人は会話を続ける。
「一ヶ月も前から続いてるらしーぞ」
「ふぅーん」
「なんかネットで、もしかしたら、世界中の人が消えるんじゃないかって言ってた!」
「それは、ただの出任せだろ。まあ、俺は何があっても、玲奈を守るけどな」
「ありがとー!類、大好き!」
イチャつくな・・・・・・!
公共の場とわきまえず、抱き合う二人に、これでもかと言うくらいの憎悪の念を視線で送る。
そんなことに時間を費やしていると、ゆっくりと休む間もなく、チャイムが鳴ってしまった。
「席に付け~出席取るぞー」
教室に先生が入ってきたのを合図に、生徒たちは、各々の席へと戻っていく。
そのまま朝礼が始まって、先生の声だけが聞こえるようになった。
退屈な業務連絡は、子守唄のように俺を眠気へ誘う。
・・・・・・寝よう。
そう、瞼を閉じた。
それが、この世界での、最後の記憶だった。
周囲一帯に広がる暗闇。
どことなく寒さを感じさせる冷気は、俺の望んでいたものではない。
「俺が魔王って、どういうことだよ!?」
おいおい待て待て。
展開が急すぎやしないか?
なんか、あっという間に過ぎた気がする。
あまりにも怒濤の展開に、俺の頭がついていってない。
こうなった理由があるはずだ。
・・・・・・たぶん。
ちょっと、落ち着いて思い返そう。
俺は、普通の高校生だった。
勉強も運動も人並みくらいで、誰から注目を集めることなんてない。
異変が起きたあの日は、なにも変わりない日々だったはずだ。
暖かい陽光に眠気を感じながら、学校に向かった。
あくびを噛み殺しながら教室に入ると、見慣れた二人が俺に駆け寄ってくる。
「おはよ~、一八~」
「おっす、一八!」
「・・・・・・おう」
元気に挨拶をして来たのは、保育園から一緒の、幼馴染みたちだ。
それにそっけない返事をしながら、俺は席についた。
「なんか、眠そうだね?」
こいつ、赤木玲奈(あかぎれいな)は、スポーツ万能に成績優秀。
それに顔も可愛く、誰にたいしても笑顔を向けてくるから、男子からの人気は高い、が、
「ちゃんと寝てんのかぁ?」
この、もう一人の幼馴染み、神崎類(かんざきるい)と出来ちゃっている。
いやまあ、正直腹立たしくてしかたがないが、どうしようもないことではあった。
類の方も、勉強はできないが、運動はずば抜けている。得意の陸上では、県内1位。全国と渡り合える力も持っているとか。
それに、気さくな性格から、こいつを嫌うやつも少ない。
そんなわけで、二人が付き合うのは、もうほぼ決まっていたことだ。
ただ、この輪に毎回入れられる俺の気持ちになって欲しいとは思うのだが、
俺が頬杖をついて、眠気でまぶたを半分下ろしていても、二人はやかましく話しかけてくる。
「一八、今日のニュース見たか?」
「あぁ、物騒だな」
「だよね!もう、20人もいなくなっているらしいよ!」
おぉ、なんか会話が繋がった。
正直言って、俺はこの二人があまり好きではない。だから適当に、こうして話を流している。
何となく、話って繋がるもんだね。
俺が感慨に耽っているのをよそに、二人は会話を続ける。
「一ヶ月も前から続いてるらしーぞ」
「ふぅーん」
「なんかネットで、もしかしたら、世界中の人が消えるんじゃないかって言ってた!」
「それは、ただの出任せだろ。まあ、俺は何があっても、玲奈を守るけどな」
「ありがとー!類、大好き!」
イチャつくな・・・・・・!
公共の場とわきまえず、抱き合う二人に、これでもかと言うくらいの憎悪の念を視線で送る。
そんなことに時間を費やしていると、ゆっくりと休む間もなく、チャイムが鳴ってしまった。
「席に付け~出席取るぞー」
教室に先生が入ってきたのを合図に、生徒たちは、各々の席へと戻っていく。
そのまま朝礼が始まって、先生の声だけが聞こえるようになった。
退屈な業務連絡は、子守唄のように俺を眠気へ誘う。
・・・・・・寝よう。
そう、瞼を閉じた。
それが、この世界での、最後の記憶だった。
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