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かれくさ
かれくさ
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枯草の山がある。
近所の公園を誰かが掃除して、そこで出た枯草をまとめて置いてできたものだ。
女は年老いた自分の母、その散歩に付き合っていた。
もう一人で散歩させるのも心配な年齢だから仕方がない。
そんな母親が散歩で歩きながら、枯草の山を見て女に言うのだ。
枯草の山が怖い、と。
なんで? と女が聞くと、母はあの中から誰かが見ている、そういうのだ。
枯草の山といっても、人が隠れられるほどの大きさではない。
たとえ子供でもその中に隠れられるような大きさのものでもない。
女は何を言っているんだ、と少し母のことが心配になる。
それと同時にもう年だから、と、ため息をつく。
そして、わざわざ枯草のところまで行って、少し悪いと思いつつも、枯草の山を足でつついて、誰も見ていないよ、と母に言う。
すると母は、すぐに戻って来いという、ジェスチャーを必死でしだす。
女は、軽くため息を再び吐き出して、母の元まで戻る。
そうすると母は無言で枯草の山を指さすのだ。
女が指さされた場所に目をやると、そこには確かに誰かがいた。
小さな枯草の山、そこにあるちょっとした合間から、二つの目が、人の目が、誰かの目が、こちらをじっと見つめていたのだ。
女は悲鳴を上げる。
そうすると、枯草の山は一回り小さくしぼんで、目はいなくなる。
それで母は、女に向かい得意そうに言うのだ。
ね? 誰かいたでしょう? と。
恐怖に震えながら、女は母にこう聞く、こういうことはあるのか? と。そうすると、いつも公園の掃除を誰かがして、ああやって枯草の山ができると、そこに潜んでいるのよ、と母は答える。
散歩のときはこの道を通るのはやめよう、と女は母に進言する。母は近づかなければ平気よ、と、そして、あなたが近づいた時は本当に焦ったわ、と言った。
あれは何なの? と、さらに聞くと、わかんない、と母は答えた。
近づくと何かされるの? と、自分も危うかったのだと思いながら尋ねると、近所の犬が枯草の中に引き込まれるように襲われていたところは見たことがある、けれど、その犬も自力で抜け出していた、と母は答えた。
それを聞いた女はやっぱり散歩のコースを変えましょう、と母親に相談する。
母親も、この公園は好きだったのに、と渋々それを受け入れる。
稀に女はこの公園の前を通る時がまだある。
枯草の山ができている時がある。
その時は今も目が合うのだ。
小さな枯草の山に潜む何かと。
近所の公園を誰かが掃除して、そこで出た枯草をまとめて置いてできたものだ。
女は年老いた自分の母、その散歩に付き合っていた。
もう一人で散歩させるのも心配な年齢だから仕方がない。
そんな母親が散歩で歩きながら、枯草の山を見て女に言うのだ。
枯草の山が怖い、と。
なんで? と女が聞くと、母はあの中から誰かが見ている、そういうのだ。
枯草の山といっても、人が隠れられるほどの大きさではない。
たとえ子供でもその中に隠れられるような大きさのものでもない。
女は何を言っているんだ、と少し母のことが心配になる。
それと同時にもう年だから、と、ため息をつく。
そして、わざわざ枯草のところまで行って、少し悪いと思いつつも、枯草の山を足でつついて、誰も見ていないよ、と母に言う。
すると母は、すぐに戻って来いという、ジェスチャーを必死でしだす。
女は、軽くため息を再び吐き出して、母の元まで戻る。
そうすると母は無言で枯草の山を指さすのだ。
女が指さされた場所に目をやると、そこには確かに誰かがいた。
小さな枯草の山、そこにあるちょっとした合間から、二つの目が、人の目が、誰かの目が、こちらをじっと見つめていたのだ。
女は悲鳴を上げる。
そうすると、枯草の山は一回り小さくしぼんで、目はいなくなる。
それで母は、女に向かい得意そうに言うのだ。
ね? 誰かいたでしょう? と。
恐怖に震えながら、女は母にこう聞く、こういうことはあるのか? と。そうすると、いつも公園の掃除を誰かがして、ああやって枯草の山ができると、そこに潜んでいるのよ、と母は答える。
散歩のときはこの道を通るのはやめよう、と女は母に進言する。母は近づかなければ平気よ、と、そして、あなたが近づいた時は本当に焦ったわ、と言った。
あれは何なの? と、さらに聞くと、わかんない、と母は答えた。
近づくと何かされるの? と、自分も危うかったのだと思いながら尋ねると、近所の犬が枯草の中に引き込まれるように襲われていたところは見たことがある、けれど、その犬も自力で抜け出していた、と母は答えた。
それを聞いた女はやっぱり散歩のコースを変えましょう、と母親に相談する。
母親も、この公園は好きだったのに、と渋々それを受け入れる。
稀に女はこの公園の前を通る時がまだある。
枯草の山ができている時がある。
その時は今も目が合うのだ。
小さな枯草の山に潜む何かと。
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