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ななふしぎ
ななふしぎ:01
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この中学に赴任してきたばかりの教師は聞かされた。
この中学には七不思議が存在していると。
七不思議の中でも特に変わっているのが、学校の池にいる鯉。
その中に人面魚が紛れ込んでいるという話だ。
それだけなら変わった話ではないのだが、その人面魚は生徒の相談ごとに乗り解決してくれると言うのだ。
それは変わっていると、他では聞かない何不思議だとその新任の教師は思った。
少女は、言ってしまえばいじめられていた。
直接的ないじめではない。
彼女はよくハブられていた。
だから彼女は大体一人だ。
休み時間も放課後も、彼女に話しかけて来る友人はいない。
だからだろうか、彼女は昼休みによく中庭ある池に行っていた。
鯉用の餌が置いてあるわけでもない。
ただ昼休みの時間を鯉を見て過ごしていた。
彼女にとってそれは癒しの時間だ。
あまり綺麗な池ではなくそこは浅いはずなのに池の底は見えない。
少女が池の縁に立つと、鯉たちは集まって来て口をパクパクさせる。
クラスメイトには無視されるのに、鯉たちは何もないのに構ってくれる。
少女はそんなことを考えていたのかもしれない。
そのうちの一匹に、明らかに他の鯉とは違う奇妙な鯉がいることを少女は知っていた。
あまり顔を見せる鯉ではない。
というか、それが鯉だとは思えない。
それはおじさんのような、そんな顔をした魚だ。
少女は中途半端な知識から、それをおじさんという名の魚だとお思っていた。
おじさんと呼ばれる魚はウミヒゴイと呼ばれる魚だが鯉ではないし、海にいる魚で池にはいない。
だが、少女はそんなことは知らない。
ただおじさんのような顔をした魚だから、勝手にその魚がおじさんという名の魚だと思っているだけだ。
そのおじさん、いや、人面魚は本当におじさんのような顔をしている。
今にも喋り出しそうな、そんな顔をしている。
その日は珍しくその人面魚が少女の近くに行き、他の鯉と同じように口をパクパクさせた。
それを見た少女は、なんだか喋りそう、と独り言を漏らしてしまう。
そうすると、その人面魚は、何だ知ってるんか? と人の言葉を、不明瞭でありながら、水に半分つかりながらなので、水を泡立てる様にブクブクとそう言った。
少女は驚いた。
まさか喋りそうだとは思っていたが本当に喋るとは思っていなかった。
それからだ。
少女はその人面魚を見る度に話しかけた。
不思議と怖さは感じなかったし、人面魚も少女の話をよく聞いてくれた。
そして、その時は来た。
いつものように少女が人面魚に話しかける。
人面魚が少女の話を聞く。話の内容はクラスで無視されていることだった。
普段、人面魚はあまり少女の話に返事をしたりしない。
ただ話を聞いて、それを水底へと持っていくだけだ。
だが、その時は違った。人面魚は彼女に返事をし、問いただした。その問題を解決したい? と。
少女は少し迷いはしたが頷いた。
その瞬間だ。
人面魚が大きく口を開け少女を丸呑みに、そのまま水底へと連れていった。
かどうかはわかない。
だが、その日以降少女の姿を見た者はいない。
無視される対象が姿を消したのだ。
ある意味、少女の悩みはなくなった。
いや、悩みごとなくなったのだ。
この中学には七不思議が存在していると。
七不思議の中でも特に変わっているのが、学校の池にいる鯉。
その中に人面魚が紛れ込んでいるという話だ。
それだけなら変わった話ではないのだが、その人面魚は生徒の相談ごとに乗り解決してくれると言うのだ。
それは変わっていると、他では聞かない何不思議だとその新任の教師は思った。
少女は、言ってしまえばいじめられていた。
直接的ないじめではない。
彼女はよくハブられていた。
だから彼女は大体一人だ。
休み時間も放課後も、彼女に話しかけて来る友人はいない。
だからだろうか、彼女は昼休みによく中庭ある池に行っていた。
鯉用の餌が置いてあるわけでもない。
ただ昼休みの時間を鯉を見て過ごしていた。
彼女にとってそれは癒しの時間だ。
あまり綺麗な池ではなくそこは浅いはずなのに池の底は見えない。
少女が池の縁に立つと、鯉たちは集まって来て口をパクパクさせる。
クラスメイトには無視されるのに、鯉たちは何もないのに構ってくれる。
少女はそんなことを考えていたのかもしれない。
そのうちの一匹に、明らかに他の鯉とは違う奇妙な鯉がいることを少女は知っていた。
あまり顔を見せる鯉ではない。
というか、それが鯉だとは思えない。
それはおじさんのような、そんな顔をした魚だ。
少女は中途半端な知識から、それをおじさんという名の魚だとお思っていた。
おじさんと呼ばれる魚はウミヒゴイと呼ばれる魚だが鯉ではないし、海にいる魚で池にはいない。
だが、少女はそんなことは知らない。
ただおじさんのような顔をした魚だから、勝手にその魚がおじさんという名の魚だと思っているだけだ。
そのおじさん、いや、人面魚は本当におじさんのような顔をしている。
今にも喋り出しそうな、そんな顔をしている。
その日は珍しくその人面魚が少女の近くに行き、他の鯉と同じように口をパクパクさせた。
それを見た少女は、なんだか喋りそう、と独り言を漏らしてしまう。
そうすると、その人面魚は、何だ知ってるんか? と人の言葉を、不明瞭でありながら、水に半分つかりながらなので、水を泡立てる様にブクブクとそう言った。
少女は驚いた。
まさか喋りそうだとは思っていたが本当に喋るとは思っていなかった。
それからだ。
少女はその人面魚を見る度に話しかけた。
不思議と怖さは感じなかったし、人面魚も少女の話をよく聞いてくれた。
そして、その時は来た。
いつものように少女が人面魚に話しかける。
人面魚が少女の話を聞く。話の内容はクラスで無視されていることだった。
普段、人面魚はあまり少女の話に返事をしたりしない。
ただ話を聞いて、それを水底へと持っていくだけだ。
だが、その時は違った。人面魚は彼女に返事をし、問いただした。その問題を解決したい? と。
少女は少し迷いはしたが頷いた。
その瞬間だ。
人面魚が大きく口を開け少女を丸呑みに、そのまま水底へと連れていった。
かどうかはわかない。
だが、その日以降少女の姿を見た者はいない。
無視される対象が姿を消したのだ。
ある意味、少女の悩みはなくなった。
いや、悩みごとなくなったのだ。
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