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ななふしぎ
ななふしぎ:04
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この中学に赴任してきたばかりの教師は聞かされた。
この中学には七不思議が存在していると。
水泳部、その部室に岸くんという幽霊が出るそうだ。
岸くんとは実際にこの中学に在学していた生徒で水泳部の練習中に溺れた事が元で亡くなった生徒だという噂だ。
少年は水泳部に所属していた。
理由は簡単、好きな子が水泳部だったからだ。
ただ少年は泳ぐのはあまり得意ではない。
そもそも体もあまり強くない。
少年的にはその貧弱な体を強くしたい、それくらいの気持ちで水泳部に入部した。
ただ水泳部の練習は少年には過酷なものだった。
それでも少年は水泳部に通い続けた。
好きな子がいたことも事実だが、貧弱だった体が少しづつ鍛えられていくことに、驚き感動していたからだ。
そんな日々をおくっていた時、少年は岸くんの話を聞く。
プールで独りで泳いでいると足を引っ張られるのだと。
岸くんに足を引っ張られると、その手を引き剥がしても、すぐに足を攣り溺れてしまうのだという。
少年はその話を聞いて怖くなりつつも、自分よりも好きな子のことを心配する。
準備運動を終え、少年は飛び込み台の上に立つ。
飛び込み台と言ってもプールの縁にあるちょっとした台の奴で高いものではない。
それでも少年は屁っ放り腰になりながら、飛び込み台の上に立ちプールに飛び込んだ。
綺麗なフォームではない。
無駄に水しぶきを上げ、盛大に飛び込んで、不格好ながらにも少年は必至に泳ぐ。
ちょうどプールの真ん中あたりだろうか。
少年は足を何者かに捕まれる。
何事と思い、少年は自分の足の方を見る。
そうすると、プールの青い水底から見たこともない男が手を伸ばして少年の足を掴んでいた。
少年はすぐに、これがプールの岸くんだと理解する。
必死にもがいて振りほどこうとするが、少年の力では振りほどけない。
少年の口から空気が吐き出される。
少年は岸くんの手を振りほどくこともできなくプールの中で意識を失う。
少年が気が付くと、水泳部の部室に運ばれていた。
そこのベンチにバスタオルだけをひいただけの簡易ベッドの上に寝かされていた。
すぐそばに顧問の先生がいる。
少年が気が付くと、心配そうに安否を確認してきた。
そして、保険医の先生が来るまでそのまま寝ていろと言われる。
少年はプールの中で足を引っ張られたことを先生に伝える。
先生はそんなはずはない、とそう言った。
そして続ける。
岸という生徒は実在し、確かに溺れたしたが一命は落とさずに済んだのだから。
と、先生はそう言った。
少年はじゃあ、あれは、プールの水底に見た自分の足を掴んだ男は、話しを聞いて想像してしまったものだと、そう思うことにした。
その後、すぐに保険医の先生がやってくる。
年老いた先生ではあるが、てきぱきと少年に質問しながら、少年の状態を確認していく。
少年は念のため、プールの中で足を掴まれたことも報告する。
すると保険医の先生は少し驚いた顔をする。
その生徒は確かに溺れた後助かったが、それが苦となって、この部室で自殺したのだと話した。
少年はそれを聞かされた瞬間、確かに刺すような視線を部室の壁から感じた。
恨みの篭った殺意のような視線を。
少年は、水泳部を退部した。
この中学には七不思議が存在していると。
水泳部、その部室に岸くんという幽霊が出るそうだ。
岸くんとは実際にこの中学に在学していた生徒で水泳部の練習中に溺れた事が元で亡くなった生徒だという噂だ。
少年は水泳部に所属していた。
理由は簡単、好きな子が水泳部だったからだ。
ただ少年は泳ぐのはあまり得意ではない。
そもそも体もあまり強くない。
少年的にはその貧弱な体を強くしたい、それくらいの気持ちで水泳部に入部した。
ただ水泳部の練習は少年には過酷なものだった。
それでも少年は水泳部に通い続けた。
好きな子がいたことも事実だが、貧弱だった体が少しづつ鍛えられていくことに、驚き感動していたからだ。
そんな日々をおくっていた時、少年は岸くんの話を聞く。
プールで独りで泳いでいると足を引っ張られるのだと。
岸くんに足を引っ張られると、その手を引き剥がしても、すぐに足を攣り溺れてしまうのだという。
少年はその話を聞いて怖くなりつつも、自分よりも好きな子のことを心配する。
準備運動を終え、少年は飛び込み台の上に立つ。
飛び込み台と言ってもプールの縁にあるちょっとした台の奴で高いものではない。
それでも少年は屁っ放り腰になりながら、飛び込み台の上に立ちプールに飛び込んだ。
綺麗なフォームではない。
無駄に水しぶきを上げ、盛大に飛び込んで、不格好ながらにも少年は必至に泳ぐ。
ちょうどプールの真ん中あたりだろうか。
少年は足を何者かに捕まれる。
何事と思い、少年は自分の足の方を見る。
そうすると、プールの青い水底から見たこともない男が手を伸ばして少年の足を掴んでいた。
少年はすぐに、これがプールの岸くんだと理解する。
必死にもがいて振りほどこうとするが、少年の力では振りほどけない。
少年の口から空気が吐き出される。
少年は岸くんの手を振りほどくこともできなくプールの中で意識を失う。
少年が気が付くと、水泳部の部室に運ばれていた。
そこのベンチにバスタオルだけをひいただけの簡易ベッドの上に寝かされていた。
すぐそばに顧問の先生がいる。
少年が気が付くと、心配そうに安否を確認してきた。
そして、保険医の先生が来るまでそのまま寝ていろと言われる。
少年はプールの中で足を引っ張られたことを先生に伝える。
先生はそんなはずはない、とそう言った。
そして続ける。
岸という生徒は実在し、確かに溺れたしたが一命は落とさずに済んだのだから。
と、先生はそう言った。
少年はじゃあ、あれは、プールの水底に見た自分の足を掴んだ男は、話しを聞いて想像してしまったものだと、そう思うことにした。
その後、すぐに保険医の先生がやってくる。
年老いた先生ではあるが、てきぱきと少年に質問しながら、少年の状態を確認していく。
少年は念のため、プールの中で足を掴まれたことも報告する。
すると保険医の先生は少し驚いた顔をする。
その生徒は確かに溺れた後助かったが、それが苦となって、この部室で自殺したのだと話した。
少年はそれを聞かされた瞬間、確かに刺すような視線を部室の壁から感じた。
恨みの篭った殺意のような視線を。
少年は、水泳部を退部した。
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