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ななふしぎ
ななふしぎ:06
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この中学に赴任してきたばかりの教師は聞かされた。
この中学には七不思議が存在していると。
トイレのキリエさん。
普通、トイレの…… と来たら花子さんなのだが、この中学校ではキリエさんと言うのだ。
やはり女子トイレに出て来る。
西校舎の四階の女子トイレの一番奥のトイレ。その扉が閉まっているときに四回ノックするとキリエさんが返事をするというものだ。
少女達はオカルトに興味があった。
なぜ興味があったか。そういう年齢だったとしか言えない。
だから、学校の七不思議の一つである、トイレのキリエさんに会いに行ったのだ。
花子さんではなくキリエさん。
なぜなだこの中学ではそうだった。
理由は誰も知らない。
そう言う生徒がいたのかどうかもわからない。
ただ、この学校のトイレの怪はキリエさんと言うらしい。
とはいえ、大体はトイレの花子さんと変わらない。
少女達は放課後、西校舎の四階の女子トイレへと行く。
そして一番奥のトイレを確認する。
ドアは閉まっていない。
西校舎なだけあって窓から真っ赤な西日が差し込んできている。
嫌に赤い、そんな西日が差し込んできている。
それだけでも雰囲気はある。
けど、トイレのドアは開いたままだ。
少女達はしばらくそのトイレをおっかなびっくり観察するが、そんな噂があるトイレだからだろうか、あまり使われた形跡すらない。
何も起きない。
なので、少女達はまた今度こよう、そう言ってその場を去ろうとした。
少女達が振り返りトイレから出ようとした、その時だ
バタン。
と音を立てて勝手に一番奥のトイレが閉まった。
少女達に緊張が走る。
そして、四回何かをコンコンコンコンと叩く音がする。
ゆっくりとトイレの方を見ると、今まで開いていたはずの一番奥のトイレが閉まっている。
誰かが呟くように、ノックが四回、と言った。
だが誰もそれをしようとはしない。
少女達はトイレの部屋の入口の辺りに固まり、ただただ勝手にしまったトイレを凝視していた。
しばらくすると、ジャーと勝手に水が流れる音がする。
知らないうちに、誰か入っていた、と少女達はそう思ったらしい。
ただ少し考えればそんなはずはない。
今まで自分達が観察していたトイレなのだ。
自分達以外に人はいないし、少女達は全員トイレの部屋の入口にいるのだから。
そして、トイレのドアが勝手に開いた。
少女達は固唾を飲んで開かれたトイレを凝視する。
そこから一人の女学生が出て来る。
今の制服ではなくもっと古い頃のこの中学の制服。
ただ、床に足が付いてない。
浮いている? それも違う。吊るされている。
トイレから出て来た女学生は首にロープを括り釣られた状態だった。
少女達は悲鳴を上げ一斉に走り出す。
トイレから出て来た首を吊った女学生が少女達を追ってくることはなかった。
だが、それから一ヶ月の間に、その少女達の全員が別々の理由で大怪我をすることとなった。
それ以降、その四階のトイレ自体が進入禁止となった。
この中学には七不思議が存在していると。
トイレのキリエさん。
普通、トイレの…… と来たら花子さんなのだが、この中学校ではキリエさんと言うのだ。
やはり女子トイレに出て来る。
西校舎の四階の女子トイレの一番奥のトイレ。その扉が閉まっているときに四回ノックするとキリエさんが返事をするというものだ。
少女達はオカルトに興味があった。
なぜ興味があったか。そういう年齢だったとしか言えない。
だから、学校の七不思議の一つである、トイレのキリエさんに会いに行ったのだ。
花子さんではなくキリエさん。
なぜなだこの中学ではそうだった。
理由は誰も知らない。
そう言う生徒がいたのかどうかもわからない。
ただ、この学校のトイレの怪はキリエさんと言うらしい。
とはいえ、大体はトイレの花子さんと変わらない。
少女達は放課後、西校舎の四階の女子トイレへと行く。
そして一番奥のトイレを確認する。
ドアは閉まっていない。
西校舎なだけあって窓から真っ赤な西日が差し込んできている。
嫌に赤い、そんな西日が差し込んできている。
それだけでも雰囲気はある。
けど、トイレのドアは開いたままだ。
少女達はしばらくそのトイレをおっかなびっくり観察するが、そんな噂があるトイレだからだろうか、あまり使われた形跡すらない。
何も起きない。
なので、少女達はまた今度こよう、そう言ってその場を去ろうとした。
少女達が振り返りトイレから出ようとした、その時だ
バタン。
と音を立てて勝手に一番奥のトイレが閉まった。
少女達に緊張が走る。
そして、四回何かをコンコンコンコンと叩く音がする。
ゆっくりとトイレの方を見ると、今まで開いていたはずの一番奥のトイレが閉まっている。
誰かが呟くように、ノックが四回、と言った。
だが誰もそれをしようとはしない。
少女達はトイレの部屋の入口の辺りに固まり、ただただ勝手にしまったトイレを凝視していた。
しばらくすると、ジャーと勝手に水が流れる音がする。
知らないうちに、誰か入っていた、と少女達はそう思ったらしい。
ただ少し考えればそんなはずはない。
今まで自分達が観察していたトイレなのだ。
自分達以外に人はいないし、少女達は全員トイレの部屋の入口にいるのだから。
そして、トイレのドアが勝手に開いた。
少女達は固唾を飲んで開かれたトイレを凝視する。
そこから一人の女学生が出て来る。
今の制服ではなくもっと古い頃のこの中学の制服。
ただ、床に足が付いてない。
浮いている? それも違う。吊るされている。
トイレから出て来た女学生は首にロープを括り釣られた状態だった。
少女達は悲鳴を上げ一斉に走り出す。
トイレから出て来た首を吊った女学生が少女達を追ってくることはなかった。
だが、それから一ヶ月の間に、その少女達の全員が別々の理由で大怪我をすることとなった。
それ以降、その四階のトイレ自体が進入禁止となった。
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