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くろいほこり
くろいほこり
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少女の部屋に、いくら掃除しても、綺麗にしてても、黒い埃が落ちていることがある。
真っ黒な埃。
じめっと湿っているような、少し油っこいようなそんな黒い埃。
埃と言えば、白や灰色、それくらいの色を想像するかもしれない。
けど、黒い埃も実在はする。
様々な要因はあるが、大体の場合はなんらかの汚れが原因だ。
ただ少女の部屋には汚れる要因はないし、それほど黒い繊維が抜け落ちる物も少ない。
普通に考えれば、綺麗好きな少女の部屋でこのような黒い埃ができることはない。
だが、定期的に少女の部屋には黒い埃が落ちている。
少しじっとりとした黒く汚れ埃が。
それが本棚の裏とか机の下の奥なら、まだわかる話なのだが、部屋の真ん中にポツンと一つまみくらい落ちている。
少女もおかしいとは思いつつも原因もわからない。
少女も首をかしげながら、ティッシュでくるんで捨てるくらいしかできない。
落ちている場所もだいたい部屋の真ん中で、上を見上げても白い天井しかない。
部屋の電灯の熱で黒く変色しているのでは、と少女ははじめ考えていたが、電灯も定期的に掃除しているし、そんな黒く変色した埃があれば掃除のときには気づくはずだ。
何より黒い埃はじっとりと油か何かで湿っている。
それそこ、ティッシュで包むとき、黒い水か油のようなものがにじむくらいには。
なので、あるだけで黒く汚れそうなものなのだ。
そんな場所はどこにもない。
そこで、少女は何かしらの、毛虫のような、そんな虫でもいるのではないかと、考えた。
だが、そんな虫を少女は自分の部屋で見たことはない。
日々掃除を欠かさない少女の部屋で虫一匹、羽虫一匹でも見ることのほうが珍しい。
黒い埃のような物を落とす虫などいるわけもないし、少女の部屋の壁も天井も白い壁紙だ。
黒い虫でもいればすぐに気づくはずだ。
少女は黒い埃が落ちていた天井を見上げる。
何もない。
白い、綺麗な、それ細埃一つない天井があるだけだ。
ある夜、少女はベッドの上で本を読み、夜更かしをして電気をつけたまま寝落ちしてしまった。
そして、真夜中に目を覚ます。
少女が目を開けた瞬間、少女はゾワゾワっとした感覚を味わう。
天井が蠢いていた。
黒く、それこそ、毛虫のような黒い毛並みの何かが天井一面で蠢いていた。
少女は声も出せず、ただ慄き、それを呆然と見ていることしかできなかった。
それは黒く短い毛並みで、ところどころに黒く光沢のある丸い昆虫の目のような物がついているた。
それが何を見ているのか、どこを見ているのか、まるで分らないが、少女はそれから目を離せなかった。
しばらく少女が呆然とそれをただただ見つめていると、天井で蠢いていた黒く短い毛並みのなにかは天井に消えるように溶け込んでいった。
少女はすぐに飛び起き、両親の部屋へと逃げ込んだ。
その後、少女は自分の部屋を変えてもらった。
この話に関係あるかどうか、わからないが。
ちょうど少女の部屋の上の階の部屋で、身寄りのない老人が一人、飼っていた黒猫と共に死していたのが見つかったそうだ。
真っ黒な埃。
じめっと湿っているような、少し油っこいようなそんな黒い埃。
埃と言えば、白や灰色、それくらいの色を想像するかもしれない。
けど、黒い埃も実在はする。
様々な要因はあるが、大体の場合はなんらかの汚れが原因だ。
ただ少女の部屋には汚れる要因はないし、それほど黒い繊維が抜け落ちる物も少ない。
普通に考えれば、綺麗好きな少女の部屋でこのような黒い埃ができることはない。
だが、定期的に少女の部屋には黒い埃が落ちている。
少しじっとりとした黒く汚れ埃が。
それが本棚の裏とか机の下の奥なら、まだわかる話なのだが、部屋の真ん中にポツンと一つまみくらい落ちている。
少女もおかしいとは思いつつも原因もわからない。
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何より黒い埃はじっとりと油か何かで湿っている。
それそこ、ティッシュで包むとき、黒い水か油のようなものがにじむくらいには。
なので、あるだけで黒く汚れそうなものなのだ。
そんな場所はどこにもない。
そこで、少女は何かしらの、毛虫のような、そんな虫でもいるのではないかと、考えた。
だが、そんな虫を少女は自分の部屋で見たことはない。
日々掃除を欠かさない少女の部屋で虫一匹、羽虫一匹でも見ることのほうが珍しい。
黒い埃のような物を落とす虫などいるわけもないし、少女の部屋の壁も天井も白い壁紙だ。
黒い虫でもいればすぐに気づくはずだ。
少女は黒い埃が落ちていた天井を見上げる。
何もない。
白い、綺麗な、それ細埃一つない天井があるだけだ。
ある夜、少女はベッドの上で本を読み、夜更かしをして電気をつけたまま寝落ちしてしまった。
そして、真夜中に目を覚ます。
少女が目を開けた瞬間、少女はゾワゾワっとした感覚を味わう。
天井が蠢いていた。
黒く、それこそ、毛虫のような黒い毛並みの何かが天井一面で蠢いていた。
少女は声も出せず、ただ慄き、それを呆然と見ていることしかできなかった。
それは黒く短い毛並みで、ところどころに黒く光沢のある丸い昆虫の目のような物がついているた。
それが何を見ているのか、どこを見ているのか、まるで分らないが、少女はそれから目を離せなかった。
しばらく少女が呆然とそれをただただ見つめていると、天井で蠢いていた黒く短い毛並みのなにかは天井に消えるように溶け込んでいった。
少女はすぐに飛び起き、両親の部屋へと逃げ込んだ。
その後、少女は自分の部屋を変えてもらった。
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ちょうど少女の部屋の上の階の部屋で、身寄りのない老人が一人、飼っていた黒猫と共に死していたのが見つかったそうだ。
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