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さよこさん
さよこさん
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とある村の空き家にはサヨコさんと言う女性が住んでいると言う。
けれど、サヨコさんを見た人は誰もいない。
昔から、そう言われているが誰もサヨコさんを見た人はいない。
それでもサヨコさんが空き家に住んでいると言う噂は途絶えない。
そもそもが空き家に住んでいると言う言葉も矛盾している。
噂の空き家は確かに存在する。
確かに空き家はある。
そして、誰も住んでいない。
空き家なのだ。
ただ、その空き家はどこかおかしい。
まるで誰かが住んでいるかのような生活感があるのだ。
お茶を淹れたての急須があったり、水も止められているはずなのに風呂場を使った後が合ったり、電気も通じてないはずなのに夜中に空き家に明かりが灯っていたり、と。
そんなことから、サヨコさんが住んでいると言う噂だけが絶えることなく流れている。
なぜサヨコさんなのか、それを知る者はもういない。
昔から、昔からそう言われているのだ。
爺様の爺様が生きていたその頃から、そう言われている。
少年たちはそんな噂の真相を確かめるため、その空き家へとやって来た。
木造の古い家だ。
もう長い間、誰も住んでいないはずなのに、その家は朽ちていない。
汚れてはいるが、それほど埃すら積もっていない。
なぜだか妙な人の住んでいる気配のある、そんな空き家なのだ。
少年達は空き家の玄関の引き戸を開ける。
鍵はかかっていない。
少年達は靴のまま家に上がり込むつもりでいたが、思いのほか家が綺麗だったので、少年達は靴を脱いで空き家に入り込んだ。
当時の家具がそのまま残っている。
電気も通ってない空き家なので、昼でも暗い。
そんな家を少年達はおっかなびっくり進む。
玄関から一番近いふすまを開ける。
ところどころ穴の開いたふすまだけれど、原型を保っている。
そこは客間だった。
なんの変哲のもない客間だ。
まるで最近まで人が住んでいて掃除もされているような、そんな客間だ。
けれども、変わったものもない。
たしかに部屋にある者は古く汚れてはいるが、長い間空き家だったことを考えると、信じられないくらい状態はいい。
次に暗い廊下を進むと台所へでる。
小さな台所だ。
小さなガスコンロが置かれている。
驚いたことに、台所のシンクには異臭は発しているものの、まだ形がある生ごみがビニール袋にまとめられて捨てられている。
誰が捨てたのかもわからない。
そこにあるのが不自然な生ごみなのだが、少年達はその違和感に気づけない。
小さな寂れた冷蔵庫もあったが、さび付いていて冷蔵庫の扉を開けることはできなかった。
そして、台所の机の上には、カビた料理がいくつか置かれている。
作られて一週間くらいの物が皿に盛られ、置かれている。
それを見た少年達はなんだか恐ろしくなる。
この空き家には確かに何かが住んでいるのだと思えたのだ。
ちょうどその時だ、居間と台所を続く引き戸が、ガタガタと音を立てて開きだしたのだ。
少年達は一斉に逃げ出す。
ドタドタと走り逃げ出す。
靴を履くのも忘れて少年達が空き家から逃げ出すと、そこに少年達の忘れていった靴が、空き家の玄関から少年達に向けて投げ出された。
そして、玄関の引き戸が誰もいないのに凄い勢いで閉じられた。
サヨコさんは今もこの空き家に住んでいるのだ。
けれど、サヨコさんを見た人は誰もいない。
昔から、そう言われているが誰もサヨコさんを見た人はいない。
それでもサヨコさんが空き家に住んでいると言う噂は途絶えない。
そもそもが空き家に住んでいると言う言葉も矛盾している。
噂の空き家は確かに存在する。
確かに空き家はある。
そして、誰も住んでいない。
空き家なのだ。
ただ、その空き家はどこかおかしい。
まるで誰かが住んでいるかのような生活感があるのだ。
お茶を淹れたての急須があったり、水も止められているはずなのに風呂場を使った後が合ったり、電気も通じてないはずなのに夜中に空き家に明かりが灯っていたり、と。
そんなことから、サヨコさんが住んでいると言う噂だけが絶えることなく流れている。
なぜサヨコさんなのか、それを知る者はもういない。
昔から、昔からそう言われているのだ。
爺様の爺様が生きていたその頃から、そう言われている。
少年たちはそんな噂の真相を確かめるため、その空き家へとやって来た。
木造の古い家だ。
もう長い間、誰も住んでいないはずなのに、その家は朽ちていない。
汚れてはいるが、それほど埃すら積もっていない。
なぜだか妙な人の住んでいる気配のある、そんな空き家なのだ。
少年達は空き家の玄関の引き戸を開ける。
鍵はかかっていない。
少年達は靴のまま家に上がり込むつもりでいたが、思いのほか家が綺麗だったので、少年達は靴を脱いで空き家に入り込んだ。
当時の家具がそのまま残っている。
電気も通ってない空き家なので、昼でも暗い。
そんな家を少年達はおっかなびっくり進む。
玄関から一番近いふすまを開ける。
ところどころ穴の開いたふすまだけれど、原型を保っている。
そこは客間だった。
なんの変哲のもない客間だ。
まるで最近まで人が住んでいて掃除もされているような、そんな客間だ。
けれども、変わったものもない。
たしかに部屋にある者は古く汚れてはいるが、長い間空き家だったことを考えると、信じられないくらい状態はいい。
次に暗い廊下を進むと台所へでる。
小さな台所だ。
小さなガスコンロが置かれている。
驚いたことに、台所のシンクには異臭は発しているものの、まだ形がある生ごみがビニール袋にまとめられて捨てられている。
誰が捨てたのかもわからない。
そこにあるのが不自然な生ごみなのだが、少年達はその違和感に気づけない。
小さな寂れた冷蔵庫もあったが、さび付いていて冷蔵庫の扉を開けることはできなかった。
そして、台所の机の上には、カビた料理がいくつか置かれている。
作られて一週間くらいの物が皿に盛られ、置かれている。
それを見た少年達はなんだか恐ろしくなる。
この空き家には確かに何かが住んでいるのだと思えたのだ。
ちょうどその時だ、居間と台所を続く引き戸が、ガタガタと音を立てて開きだしたのだ。
少年達は一斉に逃げ出す。
ドタドタと走り逃げ出す。
靴を履くのも忘れて少年達が空き家から逃げ出すと、そこに少年達の忘れていった靴が、空き家の玄関から少年達に向けて投げ出された。
そして、玄関の引き戸が誰もいないのに凄い勢いで閉じられた。
サヨコさんは今もこの空き家に住んでいるのだ。
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