それなりに怖い話。

只野誠

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くらやみのなかのひかり

くらやみのなかのひかり

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 部屋を暗くして寝るとき、たまに目を開けるとこがある。

 いつもではない。

 たまになのだが、そのとき真っ暗闇の中を小さな光が見えることがある。
 パッと一瞬だけ光を発しすぐ見えなくなる。
 男は静電気なのだろうと、そう勝手に思っていた。

 男がそのことを、暗闇で光がたまに見えることを、友人に話すと、そういう病気もあるので病院に行った方が良いと言われた。
 そう言われると男も不安になり、病院に行き検査してもらったが、なにも異常はなかった。

 男はやはり静電気だと、そう思うことにした。
 そう思うと、逆に暗闇の中の光が綺麗に、そして、待ち遠しく思えた。

 その日も男は寝る時に部屋を暗くした後、床に横になって目を開く。
 まだ闇になれていないので、部屋の中は真っ暗だ。

 男は光を待つ。

 しばらくすると音もなく、光が一瞬だけ見える。
 男はそれをまるで、誰かが火打石でも打っているかのようだと感じる。

 実際、一瞬ではあるがかなりの光量がある。
 部屋の中の物が確かに一瞬ではあるがちゃんと確認できるほどだ。

 静電気でここまで明るくなるものなのだと、男は感心する。
 そのまま暗闇の中、目を開けて次の光を待つ。

 光る。
 また光る。

 今日はやけに光が見える、と、男は思っていた。
 今までは見ようと思っていなかったが、実際はこんなにも暗闇の中で光っていたのだと感心するほどだ。

 だが、男は一瞬の光の中に影を見つける。

 人影だ。
 確かに人影だった、気がする。

 気のせい、と男が思うが、再度光があり、確かに人影を確認する。

 男は反射的に布団の中へと潜り込む。
 静電気ではなく心霊現象だったのか、と男は考えるが答えが出るわけもない。

 男はもう一度だけ、確認しようと、もし心霊現象ではなく泥棒だったらと大変だと、布団から顔をだし、暗闇の中で目を開く。

 ただ暗い闇が広がっている。
 人の気配などもちろんない。

 しばらく、闇の中で光が発生することもない。

 やはり気のせいだったのだと男がそう思った瞬間、目の前で光が発生する。

 それは人型をしていた。
 人かどうかはわからない。
 ただわかるのは生きている人間ではない、という事だ。

 それは一瞬しか見えなかったが白骨に見えた。
 骨だけで頭からぼさぼさの髪の毛が生えていた骸骨だ。
 それが骨の手で石を持ち、火打石のように石同士を打ち合わせて光を作っていた。

 それがはっきりと見えてしまった。
 男は急いで布団の中へ逃げ込み、強く目を閉じた。

 男は暗闇の中で目を開くことどころか、それからは電気を着けて寝る様になった。
 

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