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挑む竜と神に弓引く大猪
【Proceedings.72】挑む竜と神に弓引く大猪.02
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次の日の事だ。
「やっと部屋から出て来た」
学食に腕を組んでやってきた葵と月子を見て巧観はそんな言葉を二人にかけた。
それに対して、葵と月子は少し恥ずかしそうな顔を見せて、手を振って挨拶をする。
そこで月子が葵に何かを耳打ちして、葵から何かを受け取りその場から去っていく。
月子の行先は学食のレジだ。
なにか注文しに行ったらしい。恐らくは葵の財布で葵の分も注文しに行ったのだろう。
まるで夫婦のような振る舞いに巧観と綾は呆れる。
葵はそんなことは気にしないかのように巧観と綾がいるテーブルに腰掛ける。
そして、巧観へと質問を投げかける。
「巧観、巧観兄からはなんか連絡あった?」
その質問に対して、巧観は少し困ったような表情を見せる。
葵に伝えるようなことはなにもないからだ。
「いや、今朝も生徒会室で瞑想してたよ」
その後、苦笑いをして、今朝も苦悶の表情で瞑想していた自分の兄を思い出す。
巧観としても自分の兄があそこまで動かないとは思ってもみなかった。
巧観が知っている兄ならば、こういった場面になれば、勝算はなくとも不敵で余裕ある笑みを浮かべて堂々と挑んでいるはずだ。
だが、今の兄はそんな様子はまるでない。
「ふーん」
と、葵は興味なさそうに答える。
そこへ月子が二つのトレイを持って帰ってくる。
「葵! はい、ご希望の茄子のミートソースパスタですよ」
笑顔でそのトレイを葵の前に置き、月子自身は葵の隣の席に座る。
「ありがとう、月子」
そう言って葵は自分の財布を月子から受け取る。
その表情はどこか満足そうだ。
月子が恋人だからと奢られるわけはないので葵と月子、共通の財布なのかもしれない。
それに気づいた巧観はバカップルぶりに呆れた表情を隠しもしない。
「二人とも凄いバカップルぶりだね……」
そんな二人を巧観は冷めた目で見て、その言葉を口にする。
二人とも人目を憚らずにイチャイチャし過ぎなのだ。
葵はまだわかる話だが、まさか月子までそんなことをするようになるとは巧観は思ってなかった。
二人が付き合うのは別に構わない。
だが、あの月子が、気高った月子が、なんていうか、これほどまでにデレる姿は見たくなかったのだ。
「そ、そうですか…… 誰かとお付き合いするのは初めてですので……」
それに対して、月子はバカップルと言われることさえ、まんざらではないと言ったように頬を染めながら照れた素振りを見せる。
「月子は付き合うとこんなふうになるんだね……」
一種の驚きを感じながら巧観は素直な感想を述べる。
「人に見られると少し恥ずかしいです」
「月子、恥ずかしがることないよ。見せつけてやればいいだけだよ」
顔を赤らめてれてる月子の手を握り、葵がそう力説する。
付き合い前の月子ならまともに取り合わなかっただろうが、今はそれも悪くない、そんな顔をしている。
「はぁ…… なんだかみじめだわ」
それを見た綾がしみじみとため息交じりに言う。
そして、既にトッピングの茹で卵はもう食べてしまったが、シーフードカレーをスプーンですくって口へを運ぶ。
そんな綾に対して葵は心配そうに声をかける。
「綾、どうしたの?」
「葵…… いえ、なんでもないわ…… 浮かれているあなたになにを言っても無駄だもの……」
一度だけ、綾は葵はを見るがすぐに目線を下げる。
それに今の葵に何を言っても無駄なことは綾にはわかっている。
綾からすれば、葵は勝者であり、自分は敗者なのだ。
何を言っても負け犬の遠吠えなのだ。
負け蛇なのだ。
「ああ、そういう事か、あんまり……」
と、葵が綾に向かいなにか言おうとしているのを、月子が葵の顔を持ち、自分の方に無理やり向けた。
「葵、あんまり他の人を見ているのは嫌ですよ」
甘えるような声色でそれを葵に告げる。
それに対して、葵も心底嬉しそうな笑顔を見せ、
「はい!」
とだけ答える。
「ああ、月子は割と嫉妬して束縛するタイプなのね……」
巧観からすればそれも以外だ。
いや、月子の素顔は意外とそうなのかもしれない。
月子は姉の恭子の趣味によって、お嬢様として無理やり強制され教育された部分がある。
その反動が今出ているのかもしれない。
幼いころから一緒にいた巧観はそのことを知っている。
「月子様にそんな一面が…… わたしも束縛されてみたいわ」
綾はそう言いつつも、暗い顔を見せる。
まあ、好きな人が目の前で別の人間とそんなことを話しているのなら、綾が暗い顔になるのも当たり前だ。
「あまり他人の事言えないけど変態ばかりだな」
ただ、巧観の素直な感想はそんな物だった。
月子が葵の手からフォークを奪い取り、パスタに突き刺しくるくると巻き、それを左手を添えて持ち上げる。
「葵、はい、あーん」
甘い声でそんなことを言い出す。
葵も葵で少し照れたように顔を赤らめながら、
「あーん」
と、大きく口を開ける。
そして、そこへ月子がミートソースをたっぷりと絡ましたパスタを優しく入れる。
それを見た綾が、綾の精神が、崩壊する。
「あぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ…… 無理だわ、少し距離を置くわ」
涙声でそう言って、シーフードカレーのトレイをテーブルに残したまま、消えるようにテーブルの下へ消えていった。
「うん、それが良いよ、綾」
と、沈みゆく綾を見ながら巧観が何とも言えない表情を見せる。
一拍置いてから、テーブルクロスを巧観がめくると、もうそこには綾の姿はなかった。
「綾様はどうなされたんですか?」
と、月子が不思議そうにそんなこと告げてくる。
「いや、月子…… そこまで周りが見えなくなるものなの?」
恋は盲目と言っても、そこまで見えなくなるものなのかと、巧観は他人事のように聞き返す。
「え? そうですか…… 少し、わたくしも浮かれているのかもしれません……」
巧観に言われて、やっと月子は自分を顧みる。
たしかに少し浮かれていたかもしれない、月子自身そう思うのだが、月子もこの気持ちを止めることはできない。
「少しどころじゃないけどね」
巧観は釘を刺す様に注意する。
「そ、そうですか…… 恋人ができるなんて初めてのことで……」
だが、月子にその言葉は届いているのか不安になるように、頬を染めて嬉しそうに照れている。
「それは良いんだよ。綾はあれでも本気で月子のことを本気で好きなんだよ。ボクとは違って、今でも月子のことが好きなんだよ。なのに綾の前でいちゃついて」
確かに、巧観自身、月子が好きだった時に、もし月子と付き合えていたら、きっと今の月子以上に浮かれていたと思える。
だからと言って、まだ月子を好きな綾の前で見せつける様にイチャつくのはどうかと思う。
「す、すいません…… 確かに視野が狭くなっているかもしれません。わ、わたくしも想像以上に浮かれてしまっていて……」
巧観の言うことも最もなことなので、月子も今度はちゃんと反省する。
「その浮かれているところに申し訳ないが、ボクも同席いいかな?」
そこへ唐突に、何の予兆もなく、突然に、戌亥道明が、生徒会執行団、その生徒会長が顔を出す。
「兄様」
と、驚いたように巧観が自分の兄を見上げる。
巧観が朝に合った時はやはり苦悶の表情場を浮かべながら瞑想していたはずだ。
それが今は、普段通りの余裕のある表情を見せてその場に不敵に笑っている。
「巧観兄…… とうとう来たね」
そして、葵が待っていたとばかりにほほ笑む。
戊亥道明。
天秤座で十月十二日生まれ。
AB型。
生徒会執行団の生徒会長だ。
その実力は未だ未知数だ。
━【次回議事録予告-Proceedings.73-】━━━━━━━
猪は語る。惜しげもなく語れることを語る。
彼の知る真実を。
彼が積み重ねて来た軌跡を。
━次回、挑む竜と神に弓引く大猪.03━━━━━━━━
「やっと部屋から出て来た」
学食に腕を組んでやってきた葵と月子を見て巧観はそんな言葉を二人にかけた。
それに対して、葵と月子は少し恥ずかしそうな顔を見せて、手を振って挨拶をする。
そこで月子が葵に何かを耳打ちして、葵から何かを受け取りその場から去っていく。
月子の行先は学食のレジだ。
なにか注文しに行ったらしい。恐らくは葵の財布で葵の分も注文しに行ったのだろう。
まるで夫婦のような振る舞いに巧観と綾は呆れる。
葵はそんなことは気にしないかのように巧観と綾がいるテーブルに腰掛ける。
そして、巧観へと質問を投げかける。
「巧観、巧観兄からはなんか連絡あった?」
その質問に対して、巧観は少し困ったような表情を見せる。
葵に伝えるようなことはなにもないからだ。
「いや、今朝も生徒会室で瞑想してたよ」
その後、苦笑いをして、今朝も苦悶の表情で瞑想していた自分の兄を思い出す。
巧観としても自分の兄があそこまで動かないとは思ってもみなかった。
巧観が知っている兄ならば、こういった場面になれば、勝算はなくとも不敵で余裕ある笑みを浮かべて堂々と挑んでいるはずだ。
だが、今の兄はそんな様子はまるでない。
「ふーん」
と、葵は興味なさそうに答える。
そこへ月子が二つのトレイを持って帰ってくる。
「葵! はい、ご希望の茄子のミートソースパスタですよ」
笑顔でそのトレイを葵の前に置き、月子自身は葵の隣の席に座る。
「ありがとう、月子」
そう言って葵は自分の財布を月子から受け取る。
その表情はどこか満足そうだ。
月子が恋人だからと奢られるわけはないので葵と月子、共通の財布なのかもしれない。
それに気づいた巧観はバカップルぶりに呆れた表情を隠しもしない。
「二人とも凄いバカップルぶりだね……」
そんな二人を巧観は冷めた目で見て、その言葉を口にする。
二人とも人目を憚らずにイチャイチャし過ぎなのだ。
葵はまだわかる話だが、まさか月子までそんなことをするようになるとは巧観は思ってなかった。
二人が付き合うのは別に構わない。
だが、あの月子が、気高った月子が、なんていうか、これほどまでにデレる姿は見たくなかったのだ。
「そ、そうですか…… 誰かとお付き合いするのは初めてですので……」
それに対して、月子はバカップルと言われることさえ、まんざらではないと言ったように頬を染めながら照れた素振りを見せる。
「月子は付き合うとこんなふうになるんだね……」
一種の驚きを感じながら巧観は素直な感想を述べる。
「人に見られると少し恥ずかしいです」
「月子、恥ずかしがることないよ。見せつけてやればいいだけだよ」
顔を赤らめてれてる月子の手を握り、葵がそう力説する。
付き合い前の月子ならまともに取り合わなかっただろうが、今はそれも悪くない、そんな顔をしている。
「はぁ…… なんだかみじめだわ」
それを見た綾がしみじみとため息交じりに言う。
そして、既にトッピングの茹で卵はもう食べてしまったが、シーフードカレーをスプーンですくって口へを運ぶ。
そんな綾に対して葵は心配そうに声をかける。
「綾、どうしたの?」
「葵…… いえ、なんでもないわ…… 浮かれているあなたになにを言っても無駄だもの……」
一度だけ、綾は葵はを見るがすぐに目線を下げる。
それに今の葵に何を言っても無駄なことは綾にはわかっている。
綾からすれば、葵は勝者であり、自分は敗者なのだ。
何を言っても負け犬の遠吠えなのだ。
負け蛇なのだ。
「ああ、そういう事か、あんまり……」
と、葵が綾に向かいなにか言おうとしているのを、月子が葵の顔を持ち、自分の方に無理やり向けた。
「葵、あんまり他の人を見ているのは嫌ですよ」
甘えるような声色でそれを葵に告げる。
それに対して、葵も心底嬉しそうな笑顔を見せ、
「はい!」
とだけ答える。
「ああ、月子は割と嫉妬して束縛するタイプなのね……」
巧観からすればそれも以外だ。
いや、月子の素顔は意外とそうなのかもしれない。
月子は姉の恭子の趣味によって、お嬢様として無理やり強制され教育された部分がある。
その反動が今出ているのかもしれない。
幼いころから一緒にいた巧観はそのことを知っている。
「月子様にそんな一面が…… わたしも束縛されてみたいわ」
綾はそう言いつつも、暗い顔を見せる。
まあ、好きな人が目の前で別の人間とそんなことを話しているのなら、綾が暗い顔になるのも当たり前だ。
「あまり他人の事言えないけど変態ばかりだな」
ただ、巧観の素直な感想はそんな物だった。
月子が葵の手からフォークを奪い取り、パスタに突き刺しくるくると巻き、それを左手を添えて持ち上げる。
「葵、はい、あーん」
甘い声でそんなことを言い出す。
葵も葵で少し照れたように顔を赤らめながら、
「あーん」
と、大きく口を開ける。
そして、そこへ月子がミートソースをたっぷりと絡ましたパスタを優しく入れる。
それを見た綾が、綾の精神が、崩壊する。
「あぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ…… 無理だわ、少し距離を置くわ」
涙声でそう言って、シーフードカレーのトレイをテーブルに残したまま、消えるようにテーブルの下へ消えていった。
「うん、それが良いよ、綾」
と、沈みゆく綾を見ながら巧観が何とも言えない表情を見せる。
一拍置いてから、テーブルクロスを巧観がめくると、もうそこには綾の姿はなかった。
「綾様はどうなされたんですか?」
と、月子が不思議そうにそんなこと告げてくる。
「いや、月子…… そこまで周りが見えなくなるものなの?」
恋は盲目と言っても、そこまで見えなくなるものなのかと、巧観は他人事のように聞き返す。
「え? そうですか…… 少し、わたくしも浮かれているのかもしれません……」
巧観に言われて、やっと月子は自分を顧みる。
たしかに少し浮かれていたかもしれない、月子自身そう思うのだが、月子もこの気持ちを止めることはできない。
「少しどころじゃないけどね」
巧観は釘を刺す様に注意する。
「そ、そうですか…… 恋人ができるなんて初めてのことで……」
だが、月子にその言葉は届いているのか不安になるように、頬を染めて嬉しそうに照れている。
「それは良いんだよ。綾はあれでも本気で月子のことを本気で好きなんだよ。ボクとは違って、今でも月子のことが好きなんだよ。なのに綾の前でいちゃついて」
確かに、巧観自身、月子が好きだった時に、もし月子と付き合えていたら、きっと今の月子以上に浮かれていたと思える。
だからと言って、まだ月子を好きな綾の前で見せつける様にイチャつくのはどうかと思う。
「す、すいません…… 確かに視野が狭くなっているかもしれません。わ、わたくしも想像以上に浮かれてしまっていて……」
巧観の言うことも最もなことなので、月子も今度はちゃんと反省する。
「その浮かれているところに申し訳ないが、ボクも同席いいかな?」
そこへ唐突に、何の予兆もなく、突然に、戌亥道明が、生徒会執行団、その生徒会長が顔を出す。
「兄様」
と、驚いたように巧観が自分の兄を見上げる。
巧観が朝に合った時はやはり苦悶の表情場を浮かべながら瞑想していたはずだ。
それが今は、普段通りの余裕のある表情を見せてその場に不敵に笑っている。
「巧観兄…… とうとう来たね」
そして、葵が待っていたとばかりにほほ笑む。
戊亥道明。
天秤座で十月十二日生まれ。
AB型。
生徒会執行団の生徒会長だ。
その実力は未だ未知数だ。
━【次回議事録予告-Proceedings.73-】━━━━━━━
猪は語る。惜しげもなく語れることを語る。
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