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プロローグ:読む必要のない島人転生
それってYO!ワットのネタじゃんか
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Q.何故、火竜を殺す必要があるんですか
A.そこに大量の燃える岩があるから
島長のカメサメは屋敷から庭に出ると、土に絵を描きながら俺に説明を始めた。
我らが南の島パラダイス(正式名称は【森の島】と言うらしい)は、人口も大きさもほぼ田舎の市町村一つ分ほどの規模で、隣の火竜のいる島を含めた小さな島々の連なる列島の一部である。
人々は沿海部ないし川沿いに集落をつくっており、ここの集落も川沿いかつ海に近いジャングルの中だ。
漁業や狩猟のほか、一部平地では作物も育てている。
文化なども、よくよく想像するおおよそ東南アジアの島人に似ている。
そして問題の火竜は気まぐれに飛来しては、森を焼き払い狩場を荒らしている。
集落の一つや二つ滅んだところで泣き寝入りをしてきた今までだったのだが、ここに来て火竜のいる島を手中に収めなければならない事情が、海の向こうから意気揚々とやってきたのだ。
王国。それは、海の向こうの大きい陸地。
王国。それは、獣の皮をかぶった狂人。
王国。それは、鉄の武器を持った戦士。
王国。それは、臣従を要求してきた外敵。
彼らは森の島の鉱山と隣の火の島の燃える岩に目をつけ、自分たちの土地にしようとしているらしい。
しかし造船技術に乏しい王国は、大規模な船団を率いることは難しく、一方的に島民をなぶり殺しにできるほどの戦力は投下できない。
その上、どこからともなく表れる火竜の存在は、王国にとっても手を出しにくい要因となっている。
「わし自身は王国と盟を結ぶことに異論はない。だが搾取されるだけの関係はお断りじゃ」
カメサメは神妙な顔で言った。
その顔には、長年にわたる外交努力がにじみ出ている。
その言葉に、「お断りだ」「支配はエグい」と、ユージンたちも強く頷いた。
「だがコトを構えるつもりはない。あくまで抗する力はあると見せ、安易に手を出させないようにしたいのじゃ」
「王国は火竜のいなくなった【火の島】を攻めるんじゃね?」と、誰かが言った。
カメサメは「何度も説明しているんだがのう」とぼやきながら、土に絵を描いていく。
「火竜を殺した者がこちらにもいるぞ、と脅しをかけるのじゃ。連中は勇気ある者に敬意を払う尚武の気質。おいそれと剣の切っ先をこちらには向けんだろうと思っておる」
なるほど、火竜殺しの英雄が次の抑止力、と言うわけか。
で、それが俺?マジかよ。草。思わず言葉に出てしまう。
「流石にそれだけだとキツくないすか」
「そこじゃよ。あくまで勇者のブラフは時間稼ぎ、その間に燃える岩を使い、島を強くするつもりじゃ」
ユージンは首を傾げる。
「そこがわからん。燃える岩、必要か?」
カメサメは笑った。
「山で取れる輝く石を溶かして王国の民のように道具にするには、燃える岩の強い火が必要なんじゃよ」
俺は思わず聞き返してしまった。
「同じ武器で戦うってことですか?」
争いは同じ次元のもの同士でしか起きえない。
双方が同じような性能の武器で争うようになれば、犠牲も増えるのではないか?
世界史や日本史でもそんなことを言っていた気がします。
カメサメは首を横に振った。
「もちろん、別の使い道も考えている。燃やせば空気が立ち上ろう?それを受け止め力となすことで、人の手を使わんでもモノを動かせると思うておる」
ユージンは「むじ~」と顔をひしゃげていたが、俺にはピンと来ていた。
それってきかんしゃトーマスのやつじゃん!
A.そこに大量の燃える岩があるから
島長のカメサメは屋敷から庭に出ると、土に絵を描きながら俺に説明を始めた。
我らが南の島パラダイス(正式名称は【森の島】と言うらしい)は、人口も大きさもほぼ田舎の市町村一つ分ほどの規模で、隣の火竜のいる島を含めた小さな島々の連なる列島の一部である。
人々は沿海部ないし川沿いに集落をつくっており、ここの集落も川沿いかつ海に近いジャングルの中だ。
漁業や狩猟のほか、一部平地では作物も育てている。
文化なども、よくよく想像するおおよそ東南アジアの島人に似ている。
そして問題の火竜は気まぐれに飛来しては、森を焼き払い狩場を荒らしている。
集落の一つや二つ滅んだところで泣き寝入りをしてきた今までだったのだが、ここに来て火竜のいる島を手中に収めなければならない事情が、海の向こうから意気揚々とやってきたのだ。
王国。それは、海の向こうの大きい陸地。
王国。それは、獣の皮をかぶった狂人。
王国。それは、鉄の武器を持った戦士。
王国。それは、臣従を要求してきた外敵。
彼らは森の島の鉱山と隣の火の島の燃える岩に目をつけ、自分たちの土地にしようとしているらしい。
しかし造船技術に乏しい王国は、大規模な船団を率いることは難しく、一方的に島民をなぶり殺しにできるほどの戦力は投下できない。
その上、どこからともなく表れる火竜の存在は、王国にとっても手を出しにくい要因となっている。
「わし自身は王国と盟を結ぶことに異論はない。だが搾取されるだけの関係はお断りじゃ」
カメサメは神妙な顔で言った。
その顔には、長年にわたる外交努力がにじみ出ている。
その言葉に、「お断りだ」「支配はエグい」と、ユージンたちも強く頷いた。
「だがコトを構えるつもりはない。あくまで抗する力はあると見せ、安易に手を出させないようにしたいのじゃ」
「王国は火竜のいなくなった【火の島】を攻めるんじゃね?」と、誰かが言った。
カメサメは「何度も説明しているんだがのう」とぼやきながら、土に絵を描いていく。
「火竜を殺した者がこちらにもいるぞ、と脅しをかけるのじゃ。連中は勇気ある者に敬意を払う尚武の気質。おいそれと剣の切っ先をこちらには向けんだろうと思っておる」
なるほど、火竜殺しの英雄が次の抑止力、と言うわけか。
で、それが俺?マジかよ。草。思わず言葉に出てしまう。
「流石にそれだけだとキツくないすか」
「そこじゃよ。あくまで勇者のブラフは時間稼ぎ、その間に燃える岩を使い、島を強くするつもりじゃ」
ユージンは首を傾げる。
「そこがわからん。燃える岩、必要か?」
カメサメは笑った。
「山で取れる輝く石を溶かして王国の民のように道具にするには、燃える岩の強い火が必要なんじゃよ」
俺は思わず聞き返してしまった。
「同じ武器で戦うってことですか?」
争いは同じ次元のもの同士でしか起きえない。
双方が同じような性能の武器で争うようになれば、犠牲も増えるのではないか?
世界史や日本史でもそんなことを言っていた気がします。
カメサメは首を横に振った。
「もちろん、別の使い道も考えている。燃やせば空気が立ち上ろう?それを受け止め力となすことで、人の手を使わんでもモノを動かせると思うておる」
ユージンは「むじ~」と顔をひしゃげていたが、俺にはピンと来ていた。
それってきかんしゃトーマスのやつじゃん!
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