54 / 61
与太話
6.5話
しおりを挟む
<<音声書き起こし>>
―――お久しぶりです、Hack-Idolプロダクションの四方さん。
水樹さん!今日も髪型バチっと決めてますねー!
いやー、その節はどうもありがとうございました。
記事のおかけ気でうちもそれなりに業界で注目頂けるようになりまして。
まあ、あまりいい意味ではないんですけどね、たはは・・・
―――それなのに快く応じていただき、ありがとうございます。
もううちのタレントでないにせよ、彼女たちを一時期は面倒見ていたわけですから。
危険が身に及ぶって言うのであれば協力は惜しみませんよ。
それで今日は何です?
今度は海老原がどうしてファンを食い始めたか、ですか?
―――それも興味はあるんですが、今回は武原さんについてお伺いしたく。
はあ、武原ですか。
それはまた、梅田のように命を狙われた、とか?
―――それが、よくわからないんです。ただ、何か事件に巻き込まれているのは確実なんですが。
なるほど。
必ずしも被害者というわけではない、と言うことですね?
―――・・・意外ですか?
ええ、4人の中じゃあ一番トラブルからは縁遠いと思ってます。
本人も素行はよかったしかなりファンサもしてましたが、変なファンもいなかったので。
その、武原がどんな事件に首を突っ込んでいるか、それ以上は教えてもらえないんですかね?
―――・・・その、彼女の家族絡みのトラブルでして。
なるほど、そう言うことでしたか。
そういうことなら、うっすら記憶があります。
武原武の子供なんじゃないかっていう噂、じゃないですか?
―――まさしくその父親についてに聞きたいんです。事実だったんですか?
親とは絶縁している、とは聞いていましたよ。
なのでそれ以上は踏み込みませんでした。
・・・一度ね、武原武がライブ会場に来たんです。
武原の女性ファンに話しかけてましたね。
それを舞台裏から見たのか、その日武原は体調を崩しまして。
それで真実味は増してしまったんです。
「4CB」解散の直接の理由は赤井の負傷でしたけど、そう言う意味では武原のバックボーンは懸念点ではありました。
―――例えば両親意外に、ご兄弟がいるということは聞いてませんか?
いやー・・・一度も聞いていないですね。
あるいは、彼女にとってはファンが家族みたいなものだったのかもしれません。
―――ファンとの距離が、それほどに近かったと?
近いというか、武原のモチベーションはファンの存在だったんです。
数が少ないだけ、密度が濃いというか。
赤井がカリスマで引きつける歌姫、梅田がクールビューティー、海老原がセクシー担当なら、妹担当が武原でした。
年齢も中学出たばかりで、活動4年目での途中参加です。
しかも役割はギタリスト。
だからこそほかの3人と差別化を図ろうと、ちゃんと舞台上以外ではアイドルをしていたんですね。
いつのまにかバリバリにセンスで戦ってるグループになってしまったので、そういう「営業」はそこまで必要ではなかったんですがね。
多分単推しとなると、10人もいなかったと思います。
―――その中に、例えば梅田さんを襲おうとした根岸の様な、過激なファンはいませんでしたか?
感が和えにくいと思いますよ。
あの非公式ファンサイト「4HORSEMAN」にも武原推しのための「黒騎士」というスレッドがあったようなんですが、活用者はせいぜい3人と言ったところで、他のファンサイトと変わらないくらい民度が良かったんです。
びっくりしましたよ、曲がいい、ビジュがいいって感想を語り合う場だったんですから。
一応、ライブに高頻度で通っているという「4.5DIE」という人物が中心だったようですが、2020年の夏ごろにパタリと浮上しなくなってます。
―――ありがとうございます。一応お伺いするんですが、「黒川さゆ」あるいは「武原さゆ」と言う人物に心当たりはないですか?
うーん、いいえ、特に思い当たる節はないですね。
ああ、悪く思わないでくださいね。
大体ファンネームでチケットを買うので、本名で芸能活動していた根岸のように本名を押さえられているほうが特殊なんですよ。
<<書き起こし終了>>
備考
武原音玄はファンと交流が深く、今回の行動にファンが加担している可能性は高い。
→彼女を弊社に引き入れた総務の内藤
→妙に彼女に入れ込んでいる北野
→アメフトチームの監督に据えた氷川室長
現時点では決め手はないか?
参考資料:別件で作成された「4CB」についてのペライチ
※情報をまとめると、武原音玄はギリギリ20歳と言うことになる。
―――お久しぶりです、Hack-Idolプロダクションの四方さん。
水樹さん!今日も髪型バチっと決めてますねー!
いやー、その節はどうもありがとうございました。
記事のおかけ気でうちもそれなりに業界で注目頂けるようになりまして。
まあ、あまりいい意味ではないんですけどね、たはは・・・
―――それなのに快く応じていただき、ありがとうございます。
もううちのタレントでないにせよ、彼女たちを一時期は面倒見ていたわけですから。
危険が身に及ぶって言うのであれば協力は惜しみませんよ。
それで今日は何です?
今度は海老原がどうしてファンを食い始めたか、ですか?
―――それも興味はあるんですが、今回は武原さんについてお伺いしたく。
はあ、武原ですか。
それはまた、梅田のように命を狙われた、とか?
―――それが、よくわからないんです。ただ、何か事件に巻き込まれているのは確実なんですが。
なるほど。
必ずしも被害者というわけではない、と言うことですね?
―――・・・意外ですか?
ええ、4人の中じゃあ一番トラブルからは縁遠いと思ってます。
本人も素行はよかったしかなりファンサもしてましたが、変なファンもいなかったので。
その、武原がどんな事件に首を突っ込んでいるか、それ以上は教えてもらえないんですかね?
―――・・・その、彼女の家族絡みのトラブルでして。
なるほど、そう言うことでしたか。
そういうことなら、うっすら記憶があります。
武原武の子供なんじゃないかっていう噂、じゃないですか?
―――まさしくその父親についてに聞きたいんです。事実だったんですか?
親とは絶縁している、とは聞いていましたよ。
なのでそれ以上は踏み込みませんでした。
・・・一度ね、武原武がライブ会場に来たんです。
武原の女性ファンに話しかけてましたね。
それを舞台裏から見たのか、その日武原は体調を崩しまして。
それで真実味は増してしまったんです。
「4CB」解散の直接の理由は赤井の負傷でしたけど、そう言う意味では武原のバックボーンは懸念点ではありました。
―――例えば両親意外に、ご兄弟がいるということは聞いてませんか?
いやー・・・一度も聞いていないですね。
あるいは、彼女にとってはファンが家族みたいなものだったのかもしれません。
―――ファンとの距離が、それほどに近かったと?
近いというか、武原のモチベーションはファンの存在だったんです。
数が少ないだけ、密度が濃いというか。
赤井がカリスマで引きつける歌姫、梅田がクールビューティー、海老原がセクシー担当なら、妹担当が武原でした。
年齢も中学出たばかりで、活動4年目での途中参加です。
しかも役割はギタリスト。
だからこそほかの3人と差別化を図ろうと、ちゃんと舞台上以外ではアイドルをしていたんですね。
いつのまにかバリバリにセンスで戦ってるグループになってしまったので、そういう「営業」はそこまで必要ではなかったんですがね。
多分単推しとなると、10人もいなかったと思います。
―――その中に、例えば梅田さんを襲おうとした根岸の様な、過激なファンはいませんでしたか?
感が和えにくいと思いますよ。
あの非公式ファンサイト「4HORSEMAN」にも武原推しのための「黒騎士」というスレッドがあったようなんですが、活用者はせいぜい3人と言ったところで、他のファンサイトと変わらないくらい民度が良かったんです。
びっくりしましたよ、曲がいい、ビジュがいいって感想を語り合う場だったんですから。
一応、ライブに高頻度で通っているという「4.5DIE」という人物が中心だったようですが、2020年の夏ごろにパタリと浮上しなくなってます。
―――ありがとうございます。一応お伺いするんですが、「黒川さゆ」あるいは「武原さゆ」と言う人物に心当たりはないですか?
うーん、いいえ、特に思い当たる節はないですね。
ああ、悪く思わないでくださいね。
大体ファンネームでチケットを買うので、本名で芸能活動していた根岸のように本名を押さえられているほうが特殊なんですよ。
<<書き起こし終了>>
備考
武原音玄はファンと交流が深く、今回の行動にファンが加担している可能性は高い。
→彼女を弊社に引き入れた総務の内藤
→妙に彼女に入れ込んでいる北野
→アメフトチームの監督に据えた氷川室長
現時点では決め手はないか?
参考資料:別件で作成された「4CB」についてのペライチ
※情報をまとめると、武原音玄はギリギリ20歳と言うことになる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
