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夜時間
フライングパンケーキ
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「なんだこれ」
向日葵が気付いたのは、彼女の左手の先にあった赤い文字。
190・・・いや、彼女の方から見ると・・・061か?
汚れ一つないその両手は本棚の方向に延び、まるで左手が2、右手が4を数えるように折り曲げられている。
「これ、血ぢゃね・・・?」
ということは、あれなのでは・・・
ダイニングパッケージ・・・?
フライングパンケーキ・・・?
「こういうのなんて言うんだっけ」
「ダイイングメッセージだね、それは」と、青い部屋で仰木は頷いた。
「血文字で0,6,1、か」
黒須もサングラスの向こうで目を瞑り、その意味を探ろうと思案している。
「本の背表紙には3桁の数字が書かれてるけど、0から始まるのは一冊もなかったと思うよ」
仰木が「部屋のノートにまとめてある」というのでそれを広げてみると、確かに一冊も「061」に該当する本はない。
「そのまま061って読んで犯人を指し示す、とは考えにくいか」
黒須は「例えば」と口を開き一瞬間を開けてから、続けた。
「デッサンの住所。あれも彼女が書き残したものだ。それに061が書かれている可能性はないか?」
「あり寄りの、あり」
向日葵はそれぞれの部屋をめぐり、テーブルに置きっぱなしになっていたデッサンを並べてみた。
■向日葵の渡されたデッサン
住所:岩岡県水見市真鱈6-4-7
■黒須の渡されたデッサン
住所:福城県滑川町吉良1丁目12
■仰木の渡されたデッサン
住所:上武県頬鳥学園都市ホーミーサイド804号
「なくない、061?」「雑魚乙」
「・・・すまない」
恥ずかしそうに目を伏せる黒須。だが次の瞬間、「あ」と小さく声を漏らした。
「向日葵。これの読み方がわかったぞ。これはアルファベットとして読むんだ」
「数字をアルファベットで?できる?そんなこと」
「アルファベット順でも15,7,9。足しても引いても掛けても本とか住所には当たらないぜ?」
首をかしげる仰木と向日葵に、黒須は「もっとシンプルだ」と言った。
「文字の形だったんだ。0はO、6はG、1はI」
・・・つなげて読むと、オギ。
「おーこらテメッコラー!」
次の瞬間には向日葵は仰木の首を両腕でぎりぎりと締め上げた。
「テメーが裏切り者だな、赤毛のチャラ男ぉ!」
「違うって!」向日葵もろとも焦って椅子から転げ落ちる仰木。「ハメられてる!」
「ええいこれ以上、問・答・無・用!フライングパンケーキがそうなら、そうだろ!」
哀れ、仰木は見る見るうちに顔が青白くなっていった。
「ちがう、本当に俺じゃない!このままだと向日葵ちゃんも、ここに残ることになるんだぜ!?」
「はぁ~!!??ウチと一生一緒はやだっていうの!?」
「そうは言ってないけどさ!」
それでも、涙ながらに仰木は訴える。
「じゃあせめてそのダイイングメッセージの実物を見せてくれよ!漢数字だったらコトだからなこれ!」
向日葵が気付いたのは、彼女の左手の先にあった赤い文字。
190・・・いや、彼女の方から見ると・・・061か?
汚れ一つないその両手は本棚の方向に延び、まるで左手が2、右手が4を数えるように折り曲げられている。
「これ、血ぢゃね・・・?」
ということは、あれなのでは・・・
ダイニングパッケージ・・・?
フライングパンケーキ・・・?
「こういうのなんて言うんだっけ」
「ダイイングメッセージだね、それは」と、青い部屋で仰木は頷いた。
「血文字で0,6,1、か」
黒須もサングラスの向こうで目を瞑り、その意味を探ろうと思案している。
「本の背表紙には3桁の数字が書かれてるけど、0から始まるのは一冊もなかったと思うよ」
仰木が「部屋のノートにまとめてある」というのでそれを広げてみると、確かに一冊も「061」に該当する本はない。
「そのまま061って読んで犯人を指し示す、とは考えにくいか」
黒須は「例えば」と口を開き一瞬間を開けてから、続けた。
「デッサンの住所。あれも彼女が書き残したものだ。それに061が書かれている可能性はないか?」
「あり寄りの、あり」
向日葵はそれぞれの部屋をめぐり、テーブルに置きっぱなしになっていたデッサンを並べてみた。
■向日葵の渡されたデッサン
住所:岩岡県水見市真鱈6-4-7
■黒須の渡されたデッサン
住所:福城県滑川町吉良1丁目12
■仰木の渡されたデッサン
住所:上武県頬鳥学園都市ホーミーサイド804号
「なくない、061?」「雑魚乙」
「・・・すまない」
恥ずかしそうに目を伏せる黒須。だが次の瞬間、「あ」と小さく声を漏らした。
「向日葵。これの読み方がわかったぞ。これはアルファベットとして読むんだ」
「数字をアルファベットで?できる?そんなこと」
「アルファベット順でも15,7,9。足しても引いても掛けても本とか住所には当たらないぜ?」
首をかしげる仰木と向日葵に、黒須は「もっとシンプルだ」と言った。
「文字の形だったんだ。0はO、6はG、1はI」
・・・つなげて読むと、オギ。
「おーこらテメッコラー!」
次の瞬間には向日葵は仰木の首を両腕でぎりぎりと締め上げた。
「テメーが裏切り者だな、赤毛のチャラ男ぉ!」
「違うって!」向日葵もろとも焦って椅子から転げ落ちる仰木。「ハメられてる!」
「ええいこれ以上、問・答・無・用!フライングパンケーキがそうなら、そうだろ!」
哀れ、仰木は見る見るうちに顔が青白くなっていった。
「ちがう、本当に俺じゃない!このままだと向日葵ちゃんも、ここに残ることになるんだぜ!?」
「はぁ~!!??ウチと一生一緒はやだっていうの!?」
「そうは言ってないけどさ!」
それでも、涙ながらに仰木は訴える。
「じゃあせめてそのダイイングメッセージの実物を見せてくれよ!漢数字だったらコトだからなこれ!」
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