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B/Pre 種の騎士
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教皇庁の前に立つ少数精鋭の部隊。
少年は門が開け離れた時駆け出した。
初めての実戦ではあるが、作戦通りだ。
仕事と正義のギャップに薄々と気づいてた。
彼はそれを受け止めたのは初めての仕事の時だ。
予感はあった。それを受け止める覚悟が足りなかった。
少数で敵の大将と立ち向かい、訓練より上手に体が動く。
熱狂が、興奮が、激流と化した血管を爆発させ、唸る心臓。
相手の顔は事前に覚えていた。手にした刀は最大閃速で奔る。
大将の首に東洋の刀は接触し触れてから手首の返しで押し引く。
皮を血管を肉を骨に当たる感触は僅か、手に確実に感触は、ある。
少年が一瞬でそれを知覚した後、皮一枚まで振り抜き、飛ぶ大将首。
僧兵の大将である彼は見知った少年の顔に油断したか、反撃もなかった。
徐々に少年の鼓動は通常に戻った。
思い出したように吹き出す汗。体が冷める。
強張った筋肉は柔らかく正常な肉体に戻っていく。
戦闘用に動かす機構は止み、一個の生命体の機能に帰依していく。
襲いかかる現実の生き物が死んでいく匂いが充満する戦場の真ん中で勝利の旗を掲げた丘から見下ろした悲劇の残骸を見た時、思い知る。
夢見た英雄譚は幻でしかない。
現実は掲げた国旗と反対の手にある。
彼は敵の大将首を掲げる。
その大将首がかつての先生であることも知っていた。
幼い頃の剣術の打ち合いを思い出し負け続けたあの時の充実感も何もなくただ単に殺してしまった事実に、もう二度と言葉を交わすこともなく殺人して勝利した事実が彼の空虚だった埋め合わせていたものをバラバラと壊していく気がして、後ろを振り返り彼の体は戦闘用に再び強張った。
少年は17歳で誇り高き国家鎮護のため特殊部隊に任命された。
国家機密の仕事を成していくことは彼の家柄を守ることでもあるため偽名を国から与えられた。
仮の名称として彼は「ジョン・リィ・ナナシィ・ナーマヴァルジタ」という名前を与えられた。
ジョンは国家の繁栄のためにアザフセ部隊に入隊した。
東方の言葉の名無しの意味を持つ部隊は存在しないことになっている。
年端もいかない頃から才能を見出され、あらゆる戦闘技術を、兵法を、国内外の知識を10年に渡り英才教育で詰め込まれた見目麗しい少年は家柄を誇りとし、己が大帝国を守る要になっていくであろうという夢を見ていた。
それぞれの専門分野の教師から最優秀の成績を収め、同世代のなかで飛び級もいくつかした。
彼は軍属という世界も学問の世界からも神からの寵愛を受けていた。
名無しのジョンは天才を天性の能力を名門貴族の誉として、家への、血族の、そして国家への忠誠を胸に抱いてエリートの道を迷うことなく、青春として走り抜けた。
それは一年も立たず彼の瞳から星を奪い、心を軋ませた。
まだ遅かったかもしれない。
輝きを求めた彼は、栄光を、名誉を、軍功を、出世を、家柄に相応しい成果を、帝国の輝かしい歴史に名を刻むために進軍した。
戦闘経験は少年に現実を教える。
あらゆる戦闘技術は無駄がない人体の破壊方法であり、兵法は軍隊で効率的に敵軍をあらゆる手段で敗退させる術であり、交渉術は相手に不平等な条約を結ばせて利を得るための詐欺術であり、海外の文化知識知性教養は間者として潜り込み情報収集し、効率的な破壊工作のための下地づくりのためであった。
あらゆる知性は全て他国を籠絡させ懐柔させ服従させ不平等な契約を結ばせ帝国の拡大のための技術である。
結果として彼の戦果は巨大宗教国家を併合することにより周辺国家の信仰をまとめ上げ、都合の良い戒律の解釈と都合の良い条文が追加され信心深い教徒、信者に疑われることなく平和的に帝国は共同体として拡大していく。
敬虔な神父や教皇や委員会は正当な手続きを踏んで併合する。
全員に銀貨三〇枚を握らせる。
肯定をしない詐欺師に土地も与える。
それ以上を望んだものは見せしめに不慮の事故で塔から落下した。
それでも声を上げたものは民主的な投票により身包みを剥がされ教皇庁を放逐される。
彼らは戒律を破った不敬者である。
そして聖者といわれた者たちは磔にされ権威失墜は表面上、起こることはなかった。
教皇庁にいた連中もまたそれが当然のように受け入れていた。
なぜならとうの昔に教会の権威は免罪符で得た金で構築されており大陸中から集めた集金のシステムさえ維持さえ出来れば会計係でしかない教皇たちの地位も名誉も変わらない。
会計係がメインのシステムであり貴族達へ貸した金が彼ら宗教家の地位と名誉を高め、皇帝の権限すら受け付けない治外法権状態は国家の安定には不必要な腐敗の象徴であった。
今回の事件は教皇庁にとって時代ごとに生き続けたシステムで何度目かのボディガードを変えただけなのだ。
生真面目な信者だけが被害者となり組織の新陳代謝のために見せしめと社会の変革の象徴として予定されていた戦争的な行いを最小限の単位で行なった。
ジョンは自分が善良なる僧兵の尊敬の対象である信心深い敬虔な聖者に等しい僧兵の大将首を、少年時代憧れたあの先生を一線した時、視界の隅で自分の上司が法衣を着た指導者と握手をし、酒を飲み交わしたところを見た瞬間に悟った。
欺瞞に満ちた戦争行為に絶望し、善良なる戦士と正々堂々と騎士らしく戦ったつもりではあったが、その理想ははるか過去であり現実は組織の首切りを代理で自分たちが実行しただけであった。
彼らは手を汚さず。
それを瞬時に理解した彼の脳裏に巡った選択は二つ。
このまま、見なかったことにして国家の歯車として生きるか。
それとも自分を騙し、尊敬する先生を殺させた命令を下した自軍の将軍を劇場に任せて殺すか。
頭ではわかっていた。
華やかな社交界、美しき貴族令嬢の手の甲に接吻し、皇帝に祝福され、凱旋を果たし、栄光栄華国家繁栄の元、悪逆の免罪符詐欺師達を討伐したという名声を安楽椅子で孫に囲まれるまで穏やかな日々を手に入れるか。
だがもう体は動いている。
戦争では不慮の事故は起こるものだ。
彼らが僕を殺すことはないだろうという確信をジョンは持っていた。
銀貨を渡した腕は地面に落ち、散らばる。銀貨が跳ねるのに合わせて二つの肉の塊が豪奢な帽子とセットに石畳に跳ねる。
銀貨がその呆けた間抜け面に落ちて反響音が脂肪で濁る。
余ったいくつかの銀貨はリズムを刻むように、悪逆の死を喜ぶような甲高い音色を立てて跳ねて転がる。
この革命ごっこの茶番劇で金銭を、権力を一番に望んだ首謀者二人は元々別の形で処理されるはずであったが激昂した少年の手によって朽ちた。
しかし記録上は彼の師である僧兵長がこの二人を倒したのち、激昂した少年が僧兵長を倒したとなる。
戦場での記録は現状では主機でしかなく、この場でも都合よく歴史は書き換えられる。
少年は罰を受けることなく英雄譚の道をナナシのジョンとして歩むことになった。
少年は門が開け離れた時駆け出した。
初めての実戦ではあるが、作戦通りだ。
仕事と正義のギャップに薄々と気づいてた。
彼はそれを受け止めたのは初めての仕事の時だ。
予感はあった。それを受け止める覚悟が足りなかった。
少数で敵の大将と立ち向かい、訓練より上手に体が動く。
熱狂が、興奮が、激流と化した血管を爆発させ、唸る心臓。
相手の顔は事前に覚えていた。手にした刀は最大閃速で奔る。
大将の首に東洋の刀は接触し触れてから手首の返しで押し引く。
皮を血管を肉を骨に当たる感触は僅か、手に確実に感触は、ある。
少年が一瞬でそれを知覚した後、皮一枚まで振り抜き、飛ぶ大将首。
僧兵の大将である彼は見知った少年の顔に油断したか、反撃もなかった。
徐々に少年の鼓動は通常に戻った。
思い出したように吹き出す汗。体が冷める。
強張った筋肉は柔らかく正常な肉体に戻っていく。
戦闘用に動かす機構は止み、一個の生命体の機能に帰依していく。
襲いかかる現実の生き物が死んでいく匂いが充満する戦場の真ん中で勝利の旗を掲げた丘から見下ろした悲劇の残骸を見た時、思い知る。
夢見た英雄譚は幻でしかない。
現実は掲げた国旗と反対の手にある。
彼は敵の大将首を掲げる。
その大将首がかつての先生であることも知っていた。
幼い頃の剣術の打ち合いを思い出し負け続けたあの時の充実感も何もなくただ単に殺してしまった事実に、もう二度と言葉を交わすこともなく殺人して勝利した事実が彼の空虚だった埋め合わせていたものをバラバラと壊していく気がして、後ろを振り返り彼の体は戦闘用に再び強張った。
少年は17歳で誇り高き国家鎮護のため特殊部隊に任命された。
国家機密の仕事を成していくことは彼の家柄を守ることでもあるため偽名を国から与えられた。
仮の名称として彼は「ジョン・リィ・ナナシィ・ナーマヴァルジタ」という名前を与えられた。
ジョンは国家の繁栄のためにアザフセ部隊に入隊した。
東方の言葉の名無しの意味を持つ部隊は存在しないことになっている。
年端もいかない頃から才能を見出され、あらゆる戦闘技術を、兵法を、国内外の知識を10年に渡り英才教育で詰め込まれた見目麗しい少年は家柄を誇りとし、己が大帝国を守る要になっていくであろうという夢を見ていた。
それぞれの専門分野の教師から最優秀の成績を収め、同世代のなかで飛び級もいくつかした。
彼は軍属という世界も学問の世界からも神からの寵愛を受けていた。
名無しのジョンは天才を天性の能力を名門貴族の誉として、家への、血族の、そして国家への忠誠を胸に抱いてエリートの道を迷うことなく、青春として走り抜けた。
それは一年も立たず彼の瞳から星を奪い、心を軋ませた。
まだ遅かったかもしれない。
輝きを求めた彼は、栄光を、名誉を、軍功を、出世を、家柄に相応しい成果を、帝国の輝かしい歴史に名を刻むために進軍した。
戦闘経験は少年に現実を教える。
あらゆる戦闘技術は無駄がない人体の破壊方法であり、兵法は軍隊で効率的に敵軍をあらゆる手段で敗退させる術であり、交渉術は相手に不平等な条約を結ばせて利を得るための詐欺術であり、海外の文化知識知性教養は間者として潜り込み情報収集し、効率的な破壊工作のための下地づくりのためであった。
あらゆる知性は全て他国を籠絡させ懐柔させ服従させ不平等な契約を結ばせ帝国の拡大のための技術である。
結果として彼の戦果は巨大宗教国家を併合することにより周辺国家の信仰をまとめ上げ、都合の良い戒律の解釈と都合の良い条文が追加され信心深い教徒、信者に疑われることなく平和的に帝国は共同体として拡大していく。
敬虔な神父や教皇や委員会は正当な手続きを踏んで併合する。
全員に銀貨三〇枚を握らせる。
肯定をしない詐欺師に土地も与える。
それ以上を望んだものは見せしめに不慮の事故で塔から落下した。
それでも声を上げたものは民主的な投票により身包みを剥がされ教皇庁を放逐される。
彼らは戒律を破った不敬者である。
そして聖者といわれた者たちは磔にされ権威失墜は表面上、起こることはなかった。
教皇庁にいた連中もまたそれが当然のように受け入れていた。
なぜならとうの昔に教会の権威は免罪符で得た金で構築されており大陸中から集めた集金のシステムさえ維持さえ出来れば会計係でしかない教皇たちの地位も名誉も変わらない。
会計係がメインのシステムであり貴族達へ貸した金が彼ら宗教家の地位と名誉を高め、皇帝の権限すら受け付けない治外法権状態は国家の安定には不必要な腐敗の象徴であった。
今回の事件は教皇庁にとって時代ごとに生き続けたシステムで何度目かのボディガードを変えただけなのだ。
生真面目な信者だけが被害者となり組織の新陳代謝のために見せしめと社会の変革の象徴として予定されていた戦争的な行いを最小限の単位で行なった。
ジョンは自分が善良なる僧兵の尊敬の対象である信心深い敬虔な聖者に等しい僧兵の大将首を、少年時代憧れたあの先生を一線した時、視界の隅で自分の上司が法衣を着た指導者と握手をし、酒を飲み交わしたところを見た瞬間に悟った。
欺瞞に満ちた戦争行為に絶望し、善良なる戦士と正々堂々と騎士らしく戦ったつもりではあったが、その理想ははるか過去であり現実は組織の首切りを代理で自分たちが実行しただけであった。
彼らは手を汚さず。
それを瞬時に理解した彼の脳裏に巡った選択は二つ。
このまま、見なかったことにして国家の歯車として生きるか。
それとも自分を騙し、尊敬する先生を殺させた命令を下した自軍の将軍を劇場に任せて殺すか。
頭ではわかっていた。
華やかな社交界、美しき貴族令嬢の手の甲に接吻し、皇帝に祝福され、凱旋を果たし、栄光栄華国家繁栄の元、悪逆の免罪符詐欺師達を討伐したという名声を安楽椅子で孫に囲まれるまで穏やかな日々を手に入れるか。
だがもう体は動いている。
戦争では不慮の事故は起こるものだ。
彼らが僕を殺すことはないだろうという確信をジョンは持っていた。
銀貨を渡した腕は地面に落ち、散らばる。銀貨が跳ねるのに合わせて二つの肉の塊が豪奢な帽子とセットに石畳に跳ねる。
銀貨がその呆けた間抜け面に落ちて反響音が脂肪で濁る。
余ったいくつかの銀貨はリズムを刻むように、悪逆の死を喜ぶような甲高い音色を立てて跳ねて転がる。
この革命ごっこの茶番劇で金銭を、権力を一番に望んだ首謀者二人は元々別の形で処理されるはずであったが激昂した少年の手によって朽ちた。
しかし記録上は彼の師である僧兵長がこの二人を倒したのち、激昂した少年が僧兵長を倒したとなる。
戦場での記録は現状では主機でしかなく、この場でも都合よく歴史は書き換えられる。
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