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本編
18日目
しおりを挟む静かな病院にバチン、と音が響く。
「どうして余計なことしてくれたんですか!!」
咲良の声に、笑ったのは弘樹だった。
「…言われて困ることがあるようなら、そんなの続かないよ」
「先輩に関係ないのにっ…!」
「…関係ない?」
弘樹が先程自分を叩いた咲良の右腕を掴む。
「お前のことが好きだって言っただろ!」
普通の女子ならきっと、この綺麗な顔に堕ちていくんだろう。けれど咲良は、煌夜以外考えることなんてきっとこの先もないだろう。
「…先輩のせいで、っ……」
「は?」
「っ……」
違う、分かってる。先輩は悪くない。ただ、私を好きでいてくれただけ。
「…煌夜…」
煌夜からの連絡はない。もうすぐ面会時間も終わるけれど、きっと来ることはないだろう。
「俺なら絶対にそばにいてやるから、」
「私が側にいて欲しいのは、煌夜だけです」
親でも友達でもない。
ただ、煌夜に側にいて欲しい。彼を傷付けたくないから、言えないの。
先輩じゃない。
「煌夜は卑怯者だからな、どうせビビって逃げるだろ」
「それでもいいの。私は死ぬまで、煌夜のことを好きでいるの」
「……酷い女だな、お前は」
「先輩、」
「…勝ち目がないのなんて、初めから知ってたけど」
「先輩!」
「それでも好きになったんだ、仕方ねぇだろ!もう諦める気なんかねぇからな!」
乱暴な言葉を残して、弘樹は帰っていった。
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