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本編
19日目~煌夜side~
しおりを挟む少し見なかっただけなのに、咲良はあり得ないほど窶れていた。
「…もう怒ってないから」
機嫌を伺おうとする咲良に、少し苦笑してしまう。
「俺のために、頑張っててくれたんだよな。…気付かなくてごめんな」
分かっていた。彼女が俺のために黙っていたと言うのは。けれどやはり、弘樹も知っていたことを自分だけが知らなかった。それが、自分がどうしようもなく不甲斐ないと分からせるのだ。
(本当、酷い女だな…)
それがどれだけ辛いかも知らないで。
責めたいけれど、責められる立場ではない。気付こうと思えばいつでも気付けた。サインはいつでもそばにあった。
「…煌夜…?」
「…弘樹先輩が、お前のこと好きだって」
咲良はどんな顔をするだろうか。
あの弘樹が、自分のことを好きでいるなんて。
「……うん」
煌夜の想像とは変わって、咲良はまるで知っていたかの口調で頷いた。
「知って…たのか…?」
知っていたということは、つまり。俺と別れるのだろうか。小早川のように、咲良も。
「煌夜が好きだって、ちゃんと言ったよ」
「…え…?」
「私が隣にいてほしいのは、煌夜だけって。…ごめんね、煌夜に重荷を背負わせるつもりはなかったのに」
つまり、断ったということか。
「…ありがとう」
何故かお礼の言葉と、涙が溢れていた。
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