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この道を通るのは25度目。そして見つめあった。
しおりを挟む通ってはダメだと言われた道がある。
そこは、決められた通学路と比べると幅は四分の一程度。
舗装はされているものの、季節によっては足元が不安定になる畦道だ。
それでも少女はこの道を使って帰るようになった。
なぜなら、通学路より十分ぐらい早く家に帰れるから。
「なんでみんな嫌がるのかなあ」
車も人も通らない。景観ものどかで、時折吹く風も心地いい。
はじめてここを通ったのは興味本位だったけど、今は元の道に戻れる気がしない。
朝は集団登校が義務になっているけど、集団下校はクラブの関係もあってバラバラだ。
「あ、」
それに、少女にはもう一つ楽しみがあった。
「今日もいる」
畦道の中間にある、盛り上がった土地。小さなお地蔵さんと、後ろに社のようなものがある。
その社に寄り添うように狐が寝そべっている。
少し色あせた毛並み。伏せた目元の毛も白が多く混じっている。
それでもふわりとした尾には一度ぐらい触ってみたくなるような魅力があった。
「かわいいなあ」
それでも、テレビで不用意に近寄ってはダメだというのも知っていたので、少し眺めるだけにしていた。
もう一か月はここを通っているのに、目を開けることもない。
通る度に、大きく口を開けるだけ。
(目も見てみたいな。きっとすごくかわいい)
テレビや本で見る狐の可愛さを知っているだけに、ここを通る度に期待する。
人が通っても逃げないので、臆病ではないはずだ。
そして、今日も狐は大きく口を開ける。
「わあ! 可愛い……!!」
狐は目を大きく開け、身体を起こした。
尾はゆらりと天を向く。
少女にとって念願の瞬間だった。
狐の大きな釣り目が、少女をみる。
「あ」
ばちっと視線がかち合い、狐が一声鳴いた。
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