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ヤマダさんの話
登山
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夫婦で登山に出掛けた。ゴオッと後方から音が聞こえたと思った次の瞬間、私は分厚い雪の中にいた。雪崩だ。
私が必死で夫の名を叫ぶと、夫がいるであろう方角から物音が伝わってきた。
「怖がらなくて大丈夫、僕はここにいるよ。」
彼の声が私を安心させてくれた。
彼は「僕の方からも雪を掘っていくから、君も僕の声の方向に向かって雪を掘って。掘り続けるんだよ」と言う。
私は懸命に彼とつながろうとトンネルを掘り続けた。
夫の声は、そう遠くない所からずっと私を励まし続けた。
2時間後、救助部隊によって雪の吹きだまりから引き上げられた。
そこで私が見たものは、すでに亡くなってずいぶん時間がたった、夫の死体だった…。
・
・
・
「それって、おかしくない?ずっと声をかけてくれた夫が死んでるって…。」
ヤマダレイカは呆れたようだった。
「阿呆、死んでも愛は不滅やねん。」
私が必死で夫の名を叫ぶと、夫がいるであろう方角から物音が伝わってきた。
「怖がらなくて大丈夫、僕はここにいるよ。」
彼の声が私を安心させてくれた。
彼は「僕の方からも雪を掘っていくから、君も僕の声の方向に向かって雪を掘って。掘り続けるんだよ」と言う。
私は懸命に彼とつながろうとトンネルを掘り続けた。
夫の声は、そう遠くない所からずっと私を励まし続けた。
2時間後、救助部隊によって雪の吹きだまりから引き上げられた。
そこで私が見たものは、すでに亡くなってずいぶん時間がたった、夫の死体だった…。
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「それって、おかしくない?ずっと声をかけてくれた夫が死んでるって…。」
ヤマダレイカは呆れたようだった。
「阿呆、死んでも愛は不滅やねん。」
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