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一期一会

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 元敵組織の科学者の助力のおかげで四天王の居場所を特定できた。

「よし、じゃあ、行くか」

「いってらっしゃーい」

「お前も来るんだよ!」

「どうしてですか!? 私は非戦闘員なんですよ!!」

「お前は俺に何かあった時、俺を回収する係なんだよ」

「あっ、それなら大丈夫です。それじゃあ、行きましょうか」

「おう」

 俺は科学者と共に本部の作戦ルームから出ると四天王がいるビルに向かった。

「お前が四天王の一人か?」

「そうだよー。よろしくねー」

 ノリが軽いな。

「よし、じゃあ、始めようか」

「あー! ちょっと待って!」

「なんだ?」

「先に私の能力の説明をしてもいいかな?」

「好きにしろ」

「ありがとう。まあ、それを対処できる可能性は限りなくゼロに近いんだけどね」

「なんだ? 氷雪系の能力なのか?」

「違うよー。私の能力は『一期一会』。一人につき一回しか私にダメージを与えられないんだよー」

「そうか。その程度か」

「ん? そうなの? かなり強い能力だと思うんだけど」

「余裕だ」

「そう。じゃあ、始めよっか」

「ああ。万事解決、Mシステム」

「Mシステムを起動します。長時間の使用や大技の連発はお控えください」

「了解」

「さぁ、どうする? バーニング。君の攻撃は一度しか私に通用しないよ」

「それがどうした? いけ、ファイヤーアント」

「ハイヨー」

「え? ちょ、ちょっと待って! もしかしてそのアリ、火でできてるの?」

「ああ、そうだ」

「それ、噛むの?」

「噛むぞ」

「ち、ちなみに噛まれたらどうなるの?」

「一生体が燃え続ける病気になる」

「え? 何それ、怖い。えっと、それ治療できるの?」

「無理だ。ちなみに俺が死んでも治らない」

「マジかー。うーん、じゃあ、降参するからそのアリどうにかして」

「分かった。ただの火に戻れ、ファイヤーアント」

「ハイヨー」

「ふぅー、助かったー。あっ、二人目は二階にいるよ」

「だろうな」

「二人目は私より強いよー」

「だろうな」

「ちょっとー、なんか遠回しに私が弱いって言ってない?」

「ん? 四天王の最初の一人は最弱じゃないのか?」

「強さはほぼ同じだから私は最弱じゃないよー」

「そうか。まあ、そうじゃなかったらお前は俺と戦えていなかっただろうな」

「ん? もしかして私今褒められた? ねえねえ、どうなの? バーニング」

「さぁな。あっ、そうだ。なあ、もうすぐ仲間が合流するんだが、それまでここにいていいか?」

「いいよー。あっ、ババ抜きするー?」

「七並べしないか?」

「ババ抜き終わってからならいいよー」

「分かった」

「オッケー。あっ、物陰に隠れてる科学者さんも一緒にやろうよー」

「え? わ、私もですか?」

「うん。あー、別に嫌だったらいいよー」

「え、えーっと、じゃあ、参加してもよろしいでしょうか?」

「いいよー。いいよね? バーニング」

「ああ」

「だってさ。やろうやろう」

「は、はいー」
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