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二転三転
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俺が水母と共に階段で二階に向かっていると踊り場でルートが少し増えた。
「マジかー。俺、迷路苦手なんだよなー。自分がどこにいるのか分からなくなるから」
「これは迷路じゃない」
「え? そうなのか?」
「うん、これは多分四天王の一人が作った幻」
「そうか。ということは正しいルートは一つだけか」
「うん」
「うーん、でも、どれが正しいルートなんだろう。全然分かんねえ」
「私には分かる」
「ホントか!」
「うん、だって全部正しいルートなんだから」
「全部正しいルート? じゃあ、なんで四天王はわざわざルートを増やしたんだ?」
「それが四天王の能力だから」
「ん? 四天王の能力は幻なんじゃないのか?」
「それは四天王の能力の一部。四天王の能力はおそらく敵を混乱させる能力。だから、やろうと思えば警備ロボットを無限に送り込んだり私たちにトラウマを見せることもできる」
「なるほど。じゃあ、迷わず上を目指せばいいんだな?」
「そういうこと」
その後も紆余曲折あったが俺たちはなんとか二階に辿り着いた。
「お、おめでとうございます! 次の四天王が待っているのでそこの階段を使って三階を目指してください!」
「おいおい、お前は一期一会みたいに戦わないのか?」
「わ、私の能力は『二転三転』。幻術系の能力ですが気弱な私には痛いことや苦しいことはできません。なのでここに辿り着けた時点であなたたちの勝利です!」
「そうか。命拾いしたな」
「え? どういうことですか?」
「水母は水使いなんだけどよ、なんというかこうグロい技が多いんだよ」
「ふぇえええ! 血とか痛いのは苦手なので早く先に進んでくださーい!!」
「だってさ」
「そっか。分かった。じゃあね、お姉さん」
「は、はいー!」
うーん、あんまり手応えなかったけど、水母がいなかったらきっと今も階段であたふたしてただろうな。
「ありがとな、水母」
「じゃあ、頭撫でて」
「え? お、おう」
俺が水母の頭を撫でてやると水母はにっこり笑った。うん、いい笑顔だ。
「マジかー。俺、迷路苦手なんだよなー。自分がどこにいるのか分からなくなるから」
「これは迷路じゃない」
「え? そうなのか?」
「うん、これは多分四天王の一人が作った幻」
「そうか。ということは正しいルートは一つだけか」
「うん」
「うーん、でも、どれが正しいルートなんだろう。全然分かんねえ」
「私には分かる」
「ホントか!」
「うん、だって全部正しいルートなんだから」
「全部正しいルート? じゃあ、なんで四天王はわざわざルートを増やしたんだ?」
「それが四天王の能力だから」
「ん? 四天王の能力は幻なんじゃないのか?」
「それは四天王の能力の一部。四天王の能力はおそらく敵を混乱させる能力。だから、やろうと思えば警備ロボットを無限に送り込んだり私たちにトラウマを見せることもできる」
「なるほど。じゃあ、迷わず上を目指せばいいんだな?」
「そういうこと」
その後も紆余曲折あったが俺たちはなんとか二階に辿り着いた。
「お、おめでとうございます! 次の四天王が待っているのでそこの階段を使って三階を目指してください!」
「おいおい、お前は一期一会みたいに戦わないのか?」
「わ、私の能力は『二転三転』。幻術系の能力ですが気弱な私には痛いことや苦しいことはできません。なのでここに辿り着けた時点であなたたちの勝利です!」
「そうか。命拾いしたな」
「え? どういうことですか?」
「水母は水使いなんだけどよ、なんというかこうグロい技が多いんだよ」
「ふぇえええ! 血とか痛いのは苦手なので早く先に進んでくださーい!!」
「だってさ」
「そっか。分かった。じゃあね、お姉さん」
「は、はいー!」
うーん、あんまり手応えなかったけど、水母がいなかったらきっと今も階段であたふたしてただろうな。
「ありがとな、水母」
「じゃあ、頭撫でて」
「え? お、おう」
俺が水母の頭を撫でてやると水母はにっこり笑った。うん、いい笑顔だ。
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