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登場人物紹介
金色の約束
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『お前は阿呆か』
脈絡の無い突然の侮辱に、彼女は不満そうに頬を膨らませる
「阿呆じゃないですー!バカですー!」
『自信を持って言う台詞ではなかろう』
何がそうさせるのか、彼女は何処かズレている。
どんな罵倒も誉め言葉にしてしまうし、人の悪意を受け入れて慰める。
どんな者も等しく裁き、そこに1つの例外もない。
まるで聖職者の様に奥ゆかしく、しかし執行者の様に無慈悲だ。
何も考えていない発言にも関わらず、本質を捉えて逃がさない説得力。為政者の手腕と平民じみた発想力。
『そのような態度を取っているからお前は舐められるのだ』
「ダグラスの前でだけだもーん」
背中に背負っていた剣、ダグラスを抜きながら、彼女はふざけ半分に答えた。
特注の相棒を彼女は不満そうに見つめる。
すらりとした長剣、刀身は厚く、女性が持つ武器にしてはやや大振りだが大剣にしては細身だ。
バスタードソードとロングソードの中間を行く様な大きさで、凝った装飾は付いてないが、鍔に壁画のような彫紋が施してあり中心の部分に不透明色の球体が埋め込まれている。
柄に布が巻いてあり、柄の先に半透明の球体が付いているが、宝石ではない。
聖剣と呼ばれれば誰もが納得するであろう美しい剣だ。
彼女は表刃を構えるわけでなく、そっと相棒の刃の根元を撫でた。
途端に、淡く光った刀身に幾何学紋様が浮かびあがり、剣はから靄が湧き出て、徐々に形を成していく。
数秒と待たずに靄は男の姿に変化し、彼女の目の前に姿を作った。
「私の前でならば油断しても良いと思っているのか?」
眩しいほどの金色の権化。まるで天空に愛された太陽の申し子だと彼女は思った。
髪も瞳も、透き通る程白い肌でさえも、ほんの数か月前まで自身と敵対していた相手とは思えない程に神々しく、不遜にも神を騙っていたあの頃よりも、ずっと清廉としていたからだ。
「思ってる」
殆ど脊髄反射で放たれた言葉にダグラスは閉口した。
自分で選んだ主だというのに、彼女は相棒だと言ってきかないのだ。
脈絡の無い突然の侮辱に、彼女は不満そうに頬を膨らませる
「阿呆じゃないですー!バカですー!」
『自信を持って言う台詞ではなかろう』
何がそうさせるのか、彼女は何処かズレている。
どんな罵倒も誉め言葉にしてしまうし、人の悪意を受け入れて慰める。
どんな者も等しく裁き、そこに1つの例外もない。
まるで聖職者の様に奥ゆかしく、しかし執行者の様に無慈悲だ。
何も考えていない発言にも関わらず、本質を捉えて逃がさない説得力。為政者の手腕と平民じみた発想力。
『そのような態度を取っているからお前は舐められるのだ』
「ダグラスの前でだけだもーん」
背中に背負っていた剣、ダグラスを抜きながら、彼女はふざけ半分に答えた。
特注の相棒を彼女は不満そうに見つめる。
すらりとした長剣、刀身は厚く、女性が持つ武器にしてはやや大振りだが大剣にしては細身だ。
バスタードソードとロングソードの中間を行く様な大きさで、凝った装飾は付いてないが、鍔に壁画のような彫紋が施してあり中心の部分に不透明色の球体が埋め込まれている。
柄に布が巻いてあり、柄の先に半透明の球体が付いているが、宝石ではない。
聖剣と呼ばれれば誰もが納得するであろう美しい剣だ。
彼女は表刃を構えるわけでなく、そっと相棒の刃の根元を撫でた。
途端に、淡く光った刀身に幾何学紋様が浮かびあがり、剣はから靄が湧き出て、徐々に形を成していく。
数秒と待たずに靄は男の姿に変化し、彼女の目の前に姿を作った。
「私の前でならば油断しても良いと思っているのか?」
眩しいほどの金色の権化。まるで天空に愛された太陽の申し子だと彼女は思った。
髪も瞳も、透き通る程白い肌でさえも、ほんの数か月前まで自身と敵対していた相手とは思えない程に神々しく、不遜にも神を騙っていたあの頃よりも、ずっと清廉としていたからだ。
「思ってる」
殆ど脊髄反射で放たれた言葉にダグラスは閉口した。
自分で選んだ主だというのに、彼女は相棒だと言ってきかないのだ。
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